結婚8年目。夫以外の男性に片想いして2年目。
冬実さん(仮名)は、結婚8年目を迎えている2児のワーキングマザー。2年前に仕事の関係で知り合った男性に一目惚れし、そのまま現在もプラトニックな恋心を抱き続けています。
「夫とは恋愛結婚で、それなりに情熱的に交際して結婚したつもりでしたが、今、好きな人に抱いている思いは、それとはまったく次元が違います。まるで“私たち、前世で何かあったの?”っていうくらい、いろんな感性が似ているし、付き合っている訳でもないのに相手の考えていることがお互いに手に取るようにわかり、会話をしていてもテンポが良く、あっという間に数時間経っていた…なんていうこともあるくらい相性がいいんです」
夫がいることは相手の男性も承知していて、彼はバツイチ。「君が独身だったら、間違いなく付き合っていただろうね」と笑い合って話すこともしばしばあるそうですが、相手も良識的な性格で「カラダを求められたことは一度もありません」と冬実さんは言います。
「そういう紳士的なところもまた、いいなと思っている理由なんです。一度だけ、手を繋いで歩いたことがあるんですけど、身体中に電気が走ったかのような深い感動を覚えました。彼も同じ気持ちだったみたいで、その時のことは今でもお互いに“いい思い出”として大切に胸にしまっています」
このままプラトニックな恋心を抱き続けた先に何があるのか…
冬実さんは、好きな人との関係は完全にプラトニックなので、浮気にも不倫にも当たらないと考えていますが「この状況を続けた先に、何があるのか」を考えると、いてもたってもいられなくなると言います。
「夫との関係はずっとレスだし、正直ここ数年の夫婦仲は良くも悪くもないって感じなんです。だから、好きな人との時間が私にとっては大袈裟ではなく“生きがい”になってしまっているし、LINEがくるだけで高校生のように胸がドキドキします。
でも、このままこんな気持ちを抱き続けた先に、いったい何があるのか…。彼だってバツイチですが、そのうちに再婚だって考えるでしょうし、私はこのまま夫との結婚生活を続けていていいのか…、考えると本当に苦しくなるのです。
離婚を考えたことは、実は一度や二度ではありません。彼が紳士だからこそ、不倫をしたくないっていうのもあります。多分ですが、私さえ『不倫させて』と彼に言ったら、きっと彼はOKする気がします。でも彼が私を大事にしてくれるのがわかるからこそ、不倫は絶対にしたくないって思ってきました。
離婚して、彼と一緒になりたいのが本音です。でも、夫との生活を捨ててしまえば夫への罪悪感が計り知れません。このまま彼を思い続けた先に、どんな未来が待っているのか…、考えると不安になるので今はなるべく考えないようにして、“彼といる瞬間”を大事にしています。でもこれって、やっぱり夫への裏切りなんだろうなともわかっているので、実はものすごく心が苦しいです…」
恋心は理屈で解決できるものではありませんが、既婚の立場であれば不倫をするわけにもいきません。奈々子さんは将来について考えることを後回しにしている自分を、「見て見ぬ振りをしている」と表現。それと同時に深い苦悩を抱えて、奈々子さんなりに苦しんでいるとのことでした。時間の経過とともに気持ちの整理がつき、自分にとってベターな答えが出る日を待つのもやむを得ないのかもしれません。
取材・文/並木まき