「継続は力なり」とは?意味や由来を解説
継続は力なりとは、どれほど小さなことでも努力し続ければ、やがてよい結果や成果につながることを意味することわざです。日常のさまざまな場面で使われるため、耳にしたこともあるでしょう。継続は力なりの意味や由来、例文をご紹介します。
■継続することで成果につながること
継続は力なりの意味は、何事も継続することで成果につながることです。たとえわずかな努力でも、やり続けることで成功をつかめることを表します。
同じことを繰り返し続けていると、途中で飽きてしまうこともあるでしょう。しかし、単調でささいなことに見える作業でも、続けることで大きな成功につながるケースは珍しくありません。継続は力なりは、継続することの大切さを教える格言ともいえます。
継続は力なりの意味を、辞書でも確認しておきましょう。
【継続は力なり:けいぞくはちからなり】
わずかなことでも、続けて行えば成果となってあらわれる。小さな努力も、続けてやれば成功する。
なお、継続は力なりには主に3つの解釈があります。
1.得られる成果が小さなものでも、コツコツと積み重ねることで目標の達成につながる
2.今は力が及ばなくても、諦めずに努力し続けることでやがて大成する
3.目標の達成まで、粘り強く取り組み続けられるという才能
どれも努力を継続する点は共通していますが、どのように解釈するかによってニュアンスが異なります。継続は力なりを使う際、または他者にいわれた際は、3つのうちどの解釈に当てはまるかを考えてみてください。
■言葉の由来は宗教家の詩の一説とされる
継続は力なりの由来は諸説ありますが、有力なのはある宗教家の詩を語源とする説です。浄土宗の宗教家・住友夜晃(すみおかやこう)氏による『讃嘆の詩(さんだんのうた)』の中に、「念願は人格を決定す 継続は力なり」という一節があります。
のちに継続は力なりだけが広く浸透し、座右の銘や格言として使われるようになったとされています。
住友夜晃氏が活躍した大正時代は、哲学思想をベースとした宗教が主流であり、その中でも浄土宗は中心的な存在に位置づけられていました。
浄土宗のように自己形成との結びつきが深い宗教が求められた時代でもあったことから、自分の目標や夢の実現に向き合う人にとって、継続は力なりは心のよりどころともいえる言葉だったのでしょう。
■継続は力なりを使った例文
継続は力なりは、頑張っている友人を励ましたり、自分自身を鼓舞したりする場面などで使うのが適切です。文章の中でどのように使うといいのか、例文で確認してみてください。
・継続は力なりというので、毎日短時間でもウォーキングをすれば少しずつ痩せられるだろう。
・コツコツと勉強をしたから試験に合格できた。まさに継続は力なりだ。
・日々地道に仕事をこなす彼の姿を見ていると、継続は力なりの精神が身についていると感じる
・何事もすぐに結果が出るわけではない。継続は力なりというように、わずかなことでも目標に向かって続けることが大切だ。
継続は力なりが効果を発揮する場面2つ
継続は力なりの意味を理解したら、どのような場面で効果を発揮するのかも知っておきたいところです。ここでは、継続は力なりを使うのに適したシーンを2つご紹介します。
1.挫折したときや前向きになりたいとき
なにかに挫折したときや、前向きな気持ちになりたいときは、「継続は力なり」と口に出してみるのがおすすめです。達成したい夢や目標を掲げても、すべての人が地道な努力を続けて成功をつかめるとは限りません。挫折や飽きなどの要因から、夢や目標を途中で手放す人は多いでしょう。
個人としての夢や目標であれば、途中で諦めても問題はないといえます。しかし、社会に出ると掲げたゴールを達成できるかどうかが重要視されるため、なにが起きても継続できるスキルが求められます。
継続は力なりはポジティブな意味合いを持つことから、座右の銘や格言にする人も多いことわざです。諦めそうになったときは継続は力なりの精神を思い出し、前向きな気持ちを取り戻しましょう。
2.自分の忍耐力をアピールしたいとき
「継続は力なり」は、就職活動や面接などで自己アピールする際にも効果を発揮します。多くの企業や組織は、地道な努力を積み重ねられる人材を採用したいと考えるものです。
努力を継続できることは一種の才能であり、誰にでもできるわけではありません。特にストレス社会といわれる現代において、コツコツと継続できる人は貴重な存在といえます。
自身が継続は力なりを体現する人間だとアピールできれば、相手に好印象を持ってもらいやすくなり、就職活動や面接などを有利に進められるでしょう。
継続は力なりに関連する言葉
継続は力なりには、類義語と対義語がいくつかあります。継続は力なりとあわせて、関連する言葉も理解しておきましょう。
■類義語は「雨垂れ石を穿つ」など
継続は力なりの類義語の例として、以下の2つが挙げられます。
1.雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)
2.千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから)
雨垂れ石を穿つとは、小さなことでもコツコツ続けていれば、やがて大きな成果が得られることを意味することわざです。千里の道も一歩には、どれほど大きな目標でも第一歩を踏み出せば成し遂げられるという意味があります。
どちらも継続は力なりと同様に、地道に積み重ねていくことの大切さが込められています。
【雨垂れ石を穿つ:あまだれいしをうがつ】
《「漢書」枚乗伝から》小さな努力でも根気よく続けてやれば、最後には成功する。点滴石を穿つ。【千里の道も一歩から:せんりのみちもいっぽから】
遠い旅路も第一歩から始まる。どんな大事業も手近なところから始まることのたとえ。千里の道も一歩より起こる。
■対義語は「三日坊主」など
継続は力なりの対義語もいくつか見てみましょう。
1.三日坊主(みっかぼうず)
2.熱しやすく冷めやすい(ねっしやすくさめやすい)
三日坊主とは、物事を長く続けられないことや、なにをやっても長続きしない人のことです。「三日」は3日間のことではなく、単に期間が短いことを表します。「ダイエットを始めたが三日坊主で終わってしまった」のように、ネガティブなニュアンスで使うのが基本です。
熱しやすく冷めやすいとは、何事にもすぐに熱中する一方で、早々に飽きてしまうことを指します。三日坊主と同様に、物事をコツコツと継続できないことを表す際に使われます。
【三日坊主:みっかぼうず】
物事に飽きやすく、長続きしないこと。また、その人。「日記付けも三日坊主に終わる」【熱し易く冷め易い:ねっしやすくさめやすい】
すぐ物事に熱中するが、飽きるのも早い。夢中にはなるが長続きしない。
継続は力なりを心がけて目標を達成しよう
継続は力なりとは、コツコツと地道に努力し続けることで、目標の達成や大きな成功につながることを表すことわざです。自分や他者を励ます場面や、自分の忍耐力をアピールする場面などで使えます。
継続は力なりを別の言葉に言い換える際は、類義語の「雨垂れ石を穿つ」や「千里の道も一歩から」などが適切です。反対に、物事を継続できない人や状態について述べる際は、対義語の「三日坊主」や「熱しやすく冷めやすい」を使うといいでしょう。
継続は力なりは、座右の銘や教訓としても有名です。達成したい夢や目標があるなら、継続は力なりを胸に刻み、成功に向かって努力を続けてみてください。
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
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