絵本を使って歯磨き嫌いを克服しよう
歯ブラシを口の中に入れられるのを、嫌がる子は少なくありません。絵本を読み聞かせて、歯磨きは怖くないものだと知ってもらいましょう。絵本を使って、子供の歯磨き嫌いを和らげるポイントを紹介します。
子供に歯磨きの大切さを伝えよう
歯磨きが必要な理由が分からないと子供は、口の中に歯ブラシを入れたくないと感じてしまいます。大人は口の中を清潔に保つことの重要性を理解できていても、子供はそうではありません。
小さな子供に歯を磨く理由を口頭で説明しても、いまいち理解してくれない場合があります。理由を分かりやすく伝えるには「歯磨きの必要性が分かる構成」になっている絵本を読み聞かせる方法がおすすめです。
絵を見ると大人が言葉で説明するよりも伝わりやすく、歯磨きに関心を持てるようになります。子供の年齢に合わせ、理解しやすいものを読み聞かせましょう。
絵本の楽しい雰囲気を印象付けよう
歯磨きを題材にした絵本に興味を持ってほしくても、子供があまり興味を示さないケースもあります。どれだけためになる内容でも、読んでくれなければ意味がありません。
絵本の中には、めくる・飛び出す・引っ張って動かすなど「楽しい仕掛け」で子供を楽しませてくれるものがあるので、うまく使いましょう。仕掛けを利用すると、飽きずに読んでもらいやすいと考えられます。
歯ブラシが動く仕掛けになっているものや、口の中の様子がよく分かるようになっているものなど、絵本によってさまざまな仕掛けが用意されているので、楽しく読めるものを選んであげましょう。
歯磨き絵本の内容を交えながら歯磨きタイム
絵本をうまく使えば、子供が自主的に口を開いてくれるようになります。「絵本で○○ちゃん(キャラクター名)が大きく口を開けてたね」「どんな風に口を開けてた?」というように声をかけて、実践するのもよい方法です。
ママやパパが一生懸命仕上げ磨きをしているとき、意図せず怖い雰囲気になることがあります。大人は歯磨きの重要性が分かっているので、磨き残しを防ぐために必死です。
子供のためを思い、つい厳しい態度で接してしまうことも少なくありません。怖がらせるつもりはなくても、子供にとっては恐怖の時間になってしまいます。子供を押さえつけたり、怒鳴ったりすると、歯磨きに苦手意識を持つ原因になるので注意しましょう。
歯磨きの大切さを学べる絵本
絵本を使えば、小さな子どもに歯磨きの大切さを理解してもらいやすいというメリットがあります。なぜ歯磨きをしなければならないのかを、子どもに分かりやすく伝えたいときにおすすめの絵本を紹介します。
「だーれの は?」新井 洋行
動物の口の中を観察できる、縦開きの絵本です。リス・ゾウ・シャチ・ライオンなど、さまざまな生き物が登場します。草食動物と肉食動物の歯の違いを観察しながら、自然に歯の知識が身に付く内容です。
「だーれの 歯?」と、問いかけながらページをめくっていきましょう。次々と違う動物が登場するので、子供を退屈させません。最後は人間の子供の歯が出てきます。
子供の歯には、ところどころに虫歯ができていて、歯磨きの大切さを学べる構成です。巻末に「鏡シール」が付いており、自分の口の中も観察できるようになっています。
商品名:「だーれの は?」新井 洋行 /講談社
「はみがきしないとどうなるの?」ごとう まさる
ウルトラ怪獣の子ゴモラが、歯磨きの重要性を学ぶストーリーの絵本。「歯磨きをしないと、一体どうなってしまうのか」という、子供にとって素朴な疑問を解消できる内容になっています。
歯磨き嫌いの子供が、子ゴモラに自分の状況をあてはめながら、感情移入して読める構成です。主人公の子ゴモラは歯磨きが嫌で逃げ出してしまい、同じように逃げてきた子どもの怪獣と出会います。
虫歯菌が歯をつついて子どもの怪獣が痛みを感じる場面に、子供はドキリとするはず。ストレートな描写は子供でも理解しやすく、「歯を磨かないと歯が痛くなる」という因果関係がはっきりとしているので、読後はきっと歯を磨きたい気持ちになってくれることでしょう。
商品名:「はみがきしないとどうなるの?」文:ごとう まさる 絵:ヲバラトモコ /あいうえお館
「すきすき はみがき」なかや みわ
こぐまの「くうぴい」が主人公の、人気絵本シリーズの歯磨き編です。歯磨きを嫌がって逃げ出したくうぴいの口の中に、ばいきんトリオがやって来ます。
歯磨きをしないと、ばいきんの影響で虫歯になることが、子供でも分かりやすく理解できるように描かれているところがポイントです。
また、歯ブラシ・コップ・手鏡など歯磨きの必需品たちも、かわいいキャラクターになって登場します。この絵本を読んだ後は、身近な歯磨きの道具への好奇心も高まるはずです。
商品名:「すきすき はみがき」なかや みわ /三起商行(ミキハウス)
1~2歳におすすめの歯磨きの絵本
年齢に合っていない絵本を選んでしまうと、内容がうまく伝わらない可能性があります。子供に読み聞かせる絵本は、対象年齢を参考に選びましょう。
1~2歳ごろの子供には、内容が簡単で絵が大きなものがおすすめです。1~2歳ごろの子供にぴったりの、歯磨きの絵本を紹介します。
「ノンタンはみがきはーみー」キヨノ サチコ
小さな子供に人気の絵本シリーズ「ノンタン」の、赤ちゃん版シリーズの一つです。ノンタンが「イイイのイー」と口を開けて歯磨きする描写は、思わずまねしてやってみたくなります。
これから本格的に歯磨きを開始する時期の子供におすすめな内容です。「はみがき はーみー、しゅこ しゅこ しゅっ しゅっ」と、リズミカルな音に合わせて読み進めていきましょう。
心地よいリズムは、実際に歯磨きするときにも生かせます。ウサギやブタなど、シリーズでおなじみのキャラクターたちが一緒に歯磨きする様子にも注目です。
商品名:「ノンタンはみがきはーみー」キヨノ サチコ /偕成社
「はみがき しようね」さくら ともこ
幼児教育研究家が考えた絵本。歌うようなリズミカルな文体で、楽しく読めるように工夫されています。
主人公が大きな口を開けて歯を磨いたり、ピカピカになった歯を見せたりする場面からは「歯磨きの気持ちよさ」を感じられるでしょう。
かわいらしくインパクトのある絵柄が、子供の心をくすぐります。ママに仕上げ磨きをしてもらう場面もあり、子供が主人公を身近に感じられる内容です。
16ページと短く、時間がないときも気軽に読み聞かせできます。小ぶりなサイズで、小さな子供が手にしやすいところもポイントです。
商品名:「はみがき しようね」さくら ともこ 絵:宮尾怜衣 /小学館
「はぶらしくんです。」とよた かずひこ
歯ブラシを擬人化したキャラクター「はぶらしくん」の活躍を見ながら、歯磨きの大切さを学べる絵本。優しく素朴な雰囲気の絵や、丁寧な文章は気持ちを穏やかにしてくれます。
はぶらしくんがテンポよく仕事を進める様子を見て、歯磨きに関心を抱ける内容です。上の歯から磨き始め、下の歯や奥歯・歯の裏側などを一生懸命に磨いていく様子は、けなげで思わず応援したくなるはずです。
子供は、はぶらしくんを通じて歯ブラシの存在に親しみを持てるようになり、歯磨きをしたくなることでしょう。
商品名:「はぶらしくんです。」とよた かずひこ /童心社
3~6歳におすすめの歯磨きの絵本
3歳以上になると、少々複雑なストーリーも理解できるようになってきます。あまりにも簡単な内容だと退屈してしまうので、注意が必要です。楽しい絵やストーリーを通じて、歯磨きの大切さを理解できる絵本を紹介します。
「がんばれはぶらしハーマン」木村 裕一
宇宙の戦士「ハーマン」が、虫歯怪獣ムッシーを退治する絵本です。ページに穴が開いていて、向こう側の様子が見える仕掛け絵本となっています。
よく歯磨きをするお姉ちゃんと歯磨き嫌いの弟が、夢の中で星になってしまい身動きが取れず、ムッシーの攻撃を受けてしまうというストーリーです。そこにハーマンがやってきますが「歯磨きをしていない子は助けられない」と告げます。
しっかり歯磨きをしているお姉ちゃんはすぐに救われるものの、弟はなかなか助けてもらえません。子供でも分かりやすい対比で、歯磨きをしなければならないと思わせるでしょう。
ハーマンが虫歯菌を口の中から追い出す様子は爽快で、ヒーローものが好きな子供の心に響きます。物語を通じて、歯を磨く習慣の大切さを学べる内容です。
商品名:「がんばれはぶらしハーマン」作:木村 裕一 絵:田中四郎 /偕成社
「むしばあちゃん」苅田 澄子
口の中に住んでいる「むしばあちゃん」の活躍によって、歯が守られているというユニークな世界観の絵本。楽しいながらも、歯磨きの大切さをきちんと理解できるように描かれています。
むしばあちゃんが一生懸命、口の中を掃除する様子は必見です。きちんと歯磨きをしないと、むしばあちゃんが怒って暴れるというユーモラスもありながら、歯磨きの重要性が理解できる構成となっています。
子供だけでなく、大人もくすっと笑ってしまう内容。ストーリーや絵が漫画のようなテイストで面白く、きっと繰り返し読みたくなるはずです。
商品名:「むしばあちゃん」作:苅田 澄子 絵:おかべ りか /佼成出版社
「デンタウン」中垣 ゆたか
歯に穴を掘って都市を建設する「虫歯菌の視点」から見た壮大なストーリーを楽しめる絵本です。デンタウンを通じて、虫歯予防への関心を高められます。
子供は自分の口の中にデンタウンができていたらと想像し、ドキリとさせられるはず。どんどん都市が大きくなっていく様子は必見です。
デンタウンがどのような結末を迎えるのかは、読んでからのお楽しみ。小学校低学年ごろまで楽しめる、読み応えのある内容となっています。
商品名:「デンタウン」中垣 ゆたか /世界文化社
楽しい仕掛けで遊べる歯磨きの絵本
仕掛けがある絵本は、子供の好奇心を刺激します。実際に触って動かすことで、内容をより深く理解できるところも魅力です。大人も思わず一緒に遊んでみたくなってしまう、楽しい仕掛けがある歯磨きの絵本を見ていきましょう。
「こすってあそべる! ポケモンはみがき」とづか みほ
体温や摩擦熱で色が消える仕掛けが施され、歯の汚れを消す体験ができる仕掛け絵本。汚れた歯を指でなぞってきれいにする体験を通じ、歯磨きへの関心を高められます。
約23度以下になると自然に色が元に戻るので、何度でも繰り返し遊べる点も魅力です。遊び終わったタイミングで「○○(子供の名前)の歯の汚れもきれいにしようね」と、声をかけて歯磨きに誘いましょう。
人気イラストレーター「カナヘイ」が担当した、かわいいイラストにも注目です。楽しく歯磨きに親しめるだけでなく「日本歯科医師会」による監修で、歯磨きに対する正しい知識も学べます。
商品名:「こすってあそべる! ポケモンはみがき」とづか みほ /小学館
「はみがきしましょ」レスリー マクガイアー
ページを開くと、動物の口が飛び出す仕掛け絵本。ページ内の歯ブラシを動かせる仕掛けになっていて、絵本の中に出てくる動物の歯を実際に磨けます。
ページごとに異なる動きができたり、糸を使って磨く仕掛けもあったりと、さまざまな磨き方を学べるところが魅力です。
動物たちが「一緒に磨こう」と誘うことで、歯磨きしたい気持ちにさせてくれます。読み終えた後に「くまさんみたいに口を開けてごらん」と、声をかけてみましょう。子供が自分の歯を見られるように、鏡も付いています。
商品名:「はみがきしましょ」レスリー マクガイアー
▼あわせて読みたい