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【目次】
子ども歯ブラシの選び方
子どもの年齢に適した歯ブラシを選び、発達段階に応じてステップアップしていくと、スムーズに歯磨きを習慣化していくことができます。
感覚過敏や手指の器用さなどを考慮し、年齢別に歯ブラシの選び方を解説します。
0歳の歯ブラシはやわらかさがポイント
歯が生える前の赤ちゃんの口の中は無菌状態で、虫歯の原因になる「ミュータンス菌」はいません。この菌は、歯が生えた後、生後6か月後以降にママ・パパから感染するのが一般的です。口に突然歯ブラシを入れられると違和感を抱き、嫌がるもの。一生懸命磨くよりも口を触られるのに慣れることが大事です。前歯が2本生えたときが、歯磨き開始の目安です。まずは、顔・口周り・歯ぐきを触ったりマッサージしたりして、無理なく歯ブラシへ移行しましょう。ガーゼを指に巻き付けて拭くだけでも問題ありませんが、慣らす意味でシリコン歯ブラシややわらかい毛の歯ブラシを選ぶと、けがをしにくく安心です。
1〜2歳は安全設計の子ども歯ブラシ
1~2歳の赤ちゃんは、まだ自分で上手に磨けるほど器用ではないので、仕上げ磨きができれば大丈夫です。子どもが自分で持ちたいと思えるような安全設計の歯ブラシを選びましょう。
走り回ってのどを突くことがないように見守りながら、徐々に子どもの手に歯ブラシを持たせて磨く習慣をつけていきます。
前歯が上下4本ずつそろうと次は奥歯が生え始め、溝に入った汚れを歯ブラシで掻き出す必要があります。毎食後に仕上げ磨きをするのが理想ですが、1日2回磨く習慣が大切です。
嫌がって仕上げ磨きができないこともありますが、安全設計の歯ブラシを持たせ、「食べたら歯磨き」を意識づけていきましょう。
3〜5歳は握りやすい子ども歯ブラシ
上下20本の歯列が生えそろい、自分のことは自分でやりたくなる3〜5歳の時期は、握りやすい歯ブラシを選びます。小さな手でも握りやすく、丸みのあるグリップがよいでしょう。
グーで握り、親指をグリップに沿わせた持ち方はできます。グーで親指側に植毛を向ける持ち方と、親指と反対側に植毛を向ける持ち方を使い分けると、汚れが落ちやすくなります。
上の歯・下の歯・前歯・奥歯・内側・外側を意識して磨けるように、徐々にステップアップしていきますが、あくまでも習慣づけの方が大事な時期です。磨けたことをほめ、手早く仕上げ磨きをして汚れを落としましょう。
6歳〜は鉛筆持ちできる子ども歯ブラシ
子どもの歯ぐきは、とてもデリケートなので、力を入れてゴシゴシ磨くと、歯肉を傷つけてしまうことがあります。小学生になり、鉛筆持ちができるようになったら、大きな力が加わりにくい鉛筆持ちを意識づけるようにしましょう。
とはいえ、適度な圧力で細かく前後に歯ブラシを動かすのは、高度な技術が必要です。仕上げ磨きは続けるようにしましょう。鉛筆持ちしやすい形状の歯ブラシを選び、鏡を見ながら磨く習慣をつけると、子どもの歯磨きが上達していきます。
0歳におすすめの子ども歯ブラシ
赤ちゃんの最初の歯ブラシは、口に歯ブラシを入れることに慣れるのが目的です。ママの指にはめるタイプの歯ブラシと、赤ちゃん自身が持つタイプのシリコン歯ブラシを紹介します。
カネソン「ゆびっこ歯ブラシ」
歯磨きへの抵抗感を減らすには「ゆびっこ歯ブラシ」をママの指にはめて、口の中をマッサージするようにやさしく刺激するとよいでしょう。
やわらかいシリコンゴム製の歯ブラシは、煮沸消毒が可能で、いつも清潔に使用できます。また、舌ブラシとしての活用方法も。ママの指にはめるサック式で、のどを突く心配がなく、力を加減しやすいので、デリケートな歯肉を痛めることもないでしょう。無味無臭で変質・変形の心配がなく、電子レンジ消毒もできて便利です。
商品名:カネソン「ゆびっこ歯ブラシ」
EDISONmama「はじめて使う歯ブラシ バナナ」
バナナの形がかわいいシリコン製の歯ブラシです。赤ちゃんが両手でハンドルのように握る持ち方と、片手で握る持ち方ができます。丸いハンドルが口より大きいので、のどを突く心配がありません。シリコンブラシの間にゴミが入ったら、普通の歯ブラシや爪楊枝で取り除いて使用してください。
赤ちゃんは普段からおもちゃをなめたり口に入れたりしますが、その多くは表面がツルツルしています。凸凹のあるシリコン歯ブラシを口に入れることに慣れると、普通の歯ブラシを使うことに違和感を抱きにくくなるでしょう。
商品名:EDISONmama「はじめて使う歯ブラシ バナナ」
1〜2歳におすすめの子ども歯ブラシ
1〜2歳の子どもは、歯磨き中に転んでのどを突く危険性があります。安全設計の歯ブラシなら、安心して子どもに持たせることができるでしょう。歯磨きデビューにおすすめの植毛歯ブラシを紹介します。
pigeon「乳歯ブラシ」
初めてのナイロン製植毛ブラシを選ぶなら、pigeon「乳歯ブラシ」のようにやわらかい極細毛の歯ブラシがよいでしょう。自分で磨いてもエナメル質を傷つけにくく、歯ぐきが痛くなりません。
赤ちゃんでも握りやすいグリップと小さいヘッドが特徴で、子ども自身が磨く習慣づけにも適しています。のど突き防止の安全プレートは、取り外し可能でかわいい絵柄が描かれています。
レッスン段階1〜4のラインアップがあり、月齢に合ったレッスン段階のものを順番に選ぶと失敗がありません。歯科医共同開発品です。
商品名:pigeon「乳歯ブラシ」
Ci「ベビー 歯ブラシ」
日本製の安心安全なベビー歯ブラシです。赤ちゃんが持ちやすいように、リング状のハンドルの厚みや大きさにこだわっています。
丸いハンドルは、のどを突きにくいだけでなく、仕上げ磨き時もママがいろいろな持ち方ができます。やわらかい植毛で、ヘッドは8.5×12mmと赤ちゃんの小さな口にぴったりなサイズです。
パンダ・ブタ・イヌ・ネコの4種類の柄がかわいらしく、プレゼントにも喜ばれます。赤ちゃんはすぐに歯ブラシをかんでしまうので、4本セットのお得用が便利です。
商品名:Ci「ベビー歯ブラシ」
3〜5歳におすすめの子ども歯ブラシ
自分で磨く習慣づけができた3〜5歳の子どもには、子どもの手の大きさに合った持ち手の歯ブラシがおすすめです。好きなキャラクターやお気に入りの色・デザインのものなら、興味をもって取り組めます。
デンタルプロ 「トムとジェリー ハブラシ」
一般社団法人・日本学校歯科医会が推薦している商品で、日本初の年齢別展開の歯ブラシです。子どもの小さな手でも握りやすい太めのグリップになっています。親指をのせる指抑えの溝があるので、手にフィットし、すべりにくい設計です。
植毛の1本1本の毛先が丸めに加工されており、子どものエナメル質と歯ぐきを傷つけにくいのでがうれしいポイント。
トムとジェリーが追いかけっこをするドタバタ劇は80年以上愛される名作で、キャラクターが好きな子どもなら、より楽しく歯磨きできるでしょう。
商品名:デンタルプロ「トムとジェリー ハブラシ」
サンスター「Doクリア こども歯ブラシ 幼児用」
人間生活工学に基づき、発達段階に適合した握りやすさ・すべりにくさ・持ち替えやすさを追求したグリップで、自然と正しい持ち方ができます。グリップの両脇と親指の部分はラバー素材です。
すぐに開いてしまう植毛を解消し、2倍長持ちする飽和ポリエステル樹脂の毛を採用しています。やわらかい植毛ですが、しっかりと歯垢を取り除くことができるのが魅力です。
しまじろうが応援してくれるので頑張って磨ける子どもが多くいます。2〜4歳、4〜6歳、6〜12歳用があり、成長に応じたサイズ展開です。
商品名:サンスター「Doクリア こども歯ブラシ 幼児用」
6〜12歳におすすめの子ども歯ブラシ
小学生になったら、鉛筆持ちで歯ブラシを持ち、自分できれいに磨くことを意識づけるとよいでしょう。
乳歯と永久歯が混在し、歯列が凸凹になる時期は、特に歯の隙間に磨き残しが発生しやすく、丁寧に磨く必要があります。
あるほっぷ「奇跡の歯ブラシ」
「かるくなぞる」だけで汚れが落ちるという驚きの歯ブラシです。歯と歯の間・歯と歯ぐきの間を磨くことに重点を置いた設計で、ピラミッド型の頂点がしっかりと隙間に入り込みます。
また、長さの異なる毛を植毛しており、長短の2段の毛には高さ3mmの高低差があります。長い毛で隙間を磨き、短い毛で歯の表面全体をブラッシングするという役割分担ができるのです。
毛の根元は太く、毛先に向け円錐状に細くなっているので、コシがあるけれど歯を痛めにくい設計になっています。値は張るものの、磨き残しが多かったり、適当に磨くだけだったりする子どもにおすすめです。
商品名:あるほっぷ「奇跡の歯ブラシ」
ライオン「クリニカKid’s ハブラシ6~12才用」
小学生は乳歯が抜けて永久歯が生えてくる時期です。形状の違う大小の歯があると、隙間を磨けずに虫歯になりやすい傾向があります。
クリニカKid’s6〜12歳用の歯ブラシは、薄さ2.6mmの極薄ヘッドを採用。特に虫歯になりやすい永久歯の奥歯が磨きやすいように設計された歯ブラシです。
歯列が凸凹で口が小さい子どもには、ヘッドの小さい歯ブラシが適しています。鉛筆持ちできる子どもにおすすめです。
商品名:ライオン「クリニカKid’s ハブラシ6~12才用」
サンスター「GUM デンタルブラシ こども #87」
永久歯の前歯が生え初めた6歳頃からの歯ブラシです。歯にも歯ぐきにもやさしい耐久性のある植毛を採用しています。
握って持つ「パームグリップ」でも、鉛筆持ちの「ペングリップ」でも持ちやすいストレートハンドルなので、正しい磨き方を身に付けたい6歳からの時期におすすめ。
GUMデンタルブラシは、日本歯科医師会推薦商品です。透明感のあるパステルカラーと、ミッフィーのワンポイントのデザインが目をひきます。オレンジ・ピンク・ブルー・グリーンの4色展開です。
商品名:サンスター「GUM デンタルブラシ こども #87」
歯磨きを習慣化するコツ
歯磨きを嫌がる子に悩んでいるパパ・ママも多いでしょう。上手に習慣化することが、将来の口腔衛生につながります。
なぜ嫌がるのか、どうしたら嫌がらずに磨けるのかを検証した上で、一人ひとりに応じた対応が必要です。歯磨きが好きになるようなアイディアを紹介します。
嫌がる子に強制はNG
歯磨きを嫌がる原因は、主に以下の3つが挙げられます。
1.感覚が過敏な口の中をブラッシングされる受け入れ準備ができていない
2.痛かったり怖かったり嫌な経験をした
3.歯磨きの必要性を知らないので面倒くさい
原因別に必要な対策をとらず、押さえ付けて無理やり磨こうとすれば、「歯磨き=怖い」といった記憶だけが残り、ますます歯磨きを嫌がるようになります。
上記の原因別の対策は次の通りです。
1.口の中を触ったりシリコンブラシで刺激したりして徐々に慣らす
2.歯磨きを楽しいゲームのようにする
3.絵本などを活用し、歯磨きの必要性を伝える
子どもが眠くなり、ぐずる時間帯に歯磨きするのは避けましょう。夕食後すぐに、まだ眠くなる前に磨くようにするのもポイントです。
歯磨きタイムを楽しく演出
まだ上手に磨けない子どもには、仕上げ磨きが重要になります。歯磨きの歌を歌いながら、それに合わせて磨くのも一つの方法。仕上げ磨きができたら頑張ったことをほめることも大切です。
歯磨きのDVDやYouTubeを見せながら磨くと、気が紛れて長時間口を開けていられるかもしれません。6歳以上の子どもには、磨き方の解説動画を見せると、「自分磨き」も「仕上げ磨き」もきれいに磨く意識付けができます。ぬいぐるみに歯磨き遊びをしてから、「次は〇〇ちゃんの番ね」と言って磨くと、すんなり磨けることも。
うがいもママのまねをして覚えるので、親が楽しそうにうがいをする姿を見せると効果的です。
味付き歯磨き粉も効果的
歯磨きに飽きてしまったり、面倒に感じてしまったりする子どもには、味付き歯磨き粉などを利用して変化をつけるとやる気が出ることがあります。
ただし、歯磨き粉の泡が立ち、かえってきれいに磨けない場合も。子ども用の歯磨き粉は、しっかり汚れを落とす目的ではなく、フッ素を取り込む目的での利用が推奨されています。
多量のフッ素を摂取することは有害なので、フッ素濃度が明記された商品を選ぶ方が安心。子ども用に開発された味付き歯磨き粉ならば、食べてしまうことを想定して作られているので、神経質にならずに済むでしょう。
親子で楽しく歯磨き習慣を
子どもに「歯磨き習慣」をつけることが、将来の健康につながります。磨けない日があってもいいので、完璧に磨くことよりも楽しく習慣づけることを目指しましょう。
親が楽しそうに磨いていると、子どもも楽しく磨けるもの。頑張りすぎず、長い目で見守り、親子で楽しく歯磨き習慣をつけていきましょう。
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監修/久保美紀子