冠婚葬祭ってどんな意味?
冠婚葬祭は、人が生まれてから亡くなった後にまで行われる一連の催しを指す言葉です。これらの行事は、人生において非常に重要なものであり、日本文化の中でも特に重要視されています。
わかりやすいものでは、「婚」や「葬」は結婚やお葬式だとイメージしやすいですね。一方で「冠」「祭」についてはよく知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか? それぞれについて詳しく見ていきましょう。
「冠」とは、今でいう成人式
「冠」は、現在の成人式を意味しています。昔「元服」と呼ばれていた成人式。昔の元服では、男子が成人した証として冠や特定の衣服を身につけ、名を改める儀式を行っていたとか。このことから、冠の字をもって元服と記すようになったとされています。
現在では、成人式のほかにも、「初節句」や「七五三」、「長寿祝い」など人生における節目のお祝い事も含まれています。
「婚」とは、婚礼・結婚式
「婚」は、文字通り婚礼を意味しています。婚約から挙式までを含むのが、一般的です。結婚をして夫婦となるための行事である、婚礼。人生における一大イベントであるというのは、イメージしやすいですよね。結婚式以外で含まれている行事は、「お見合い」や「結納」など。「婚」は、「婚礼にまつわる様々な行事」と捉えておくと良いですね。
「葬」とは、葬儀
「葬」は、葬儀を意味しています。ご存知の通り、葬儀は人の死に関わる行事です。「葬」は弔い事全般を総称したものですので、お通夜や法事なども含むとされています。
葬儀の形は、地域ごとの習慣や宗教により様々。わかりやすいものだと、「通夜振る舞い」が挙げられます。関東では、お通夜の後に参列者全員に食事を振る舞いますが、関西では、お通夜が終わればそのまま帰ることが一般的です。
「祭」とは、祖先の祭礼
「祭」は、神仏や祖先を祀り、祈りや感謝を捧げる行事を意味します。法事・要法やお正月、お盆などのお墓参りが最たる例です。ただ、最近では「非日常のイベント」の意味合いで使われることも多いとか。お盆やお正月をきっかけに親族が交流する行事という方が、馴染み深いかもしれませんね。
冠婚葬祭に含まれる行事
冠婚葬祭のそれぞれの文字が意味する行事はこれまで解説してきた通りですが、実は他にも含まれる行事があります。ここでは、入学式や敬老の日などが、冠婚葬祭のいずれに該当するのかを解説します。
・入学式・卒業式
学生ならではの行事である入学式や卒業式は、「冠」に含まれます。成人式からもわかるように、「冠」には「成長過程を祝う行事や節目」といった意味があるので、入学式や卒業式も該当するわけですね。
・父の日・母の日・敬老の日
父の日や母の日、敬老の日などは「祭」に該当。父の日は6月の第3日曜日、母の日は5月の第2日曜日、また敬老の日は9月の第3月曜日というように、毎年の日程が決められています。家族や高齢者に感謝の気持ちを伝える年中行事なので、「祭」に含まれるのです。
冠婚葬祭でのマナー(結婚式と葬儀)
冠婚葬祭の行事は、年を重ねていくごとに回数も増えてくるでしょう。友人や知人、ご自身のお子さんの結婚式など華々しい行事もあれば、親族や知り合いの葬儀などもあります。機会が多くなるからこそ、冠婚葬祭でのマナーについてはしっかりと押さえておきたいものです。ここでは、代表的な結婚式や葬儀でのマナーについて解説します。
・親族の結婚式での服装
結婚式に親族として参加する場合、きちんとした印象を与える服装が基本です。そのため、フォーマルな装いがベター。色味は黒やネイビー、ダーク系の落ち着いた色合いのものを。絵柄は無地のもので、肌の露出が少ない服装が無難。男性ならブラックスーツやダークスーツ、女性ならアフタヌーンドレスや訪問着がおすすめです。
結婚式において、親族は主催者側の立場です。ですから、新郎新婦のゲストをお迎えするにあたり、失礼のない上品な服装や振る舞いを心がけたいですね。
・親族以外の結婚式に参列する場合の服装
親族以外の結婚式に招待され参加をするときも、服装には気を使いたいもの。和装にするにせよ、洋装にするにせよ、主役は新婦なので目立たない控えめな装いが基本です。一般的な披露宴であれば、準礼装で出席するといいですね。
ちなみに洋装は、昼と夜(17時以降)で装いが異なります。昼の式なら、セミアフタヌーンドレスや品のあるワンピース、ツーピースなどがおすすめです。アクセサリーは、パールが向いています。一方。夜の式なら、イブニングドレスより丈が短いセミイブニングドレスが一般的。アクセサリーもゴージャスにしてOKです。ただし、新婦より目立たないようにしてくださいね。
・葬儀での服装
葬儀に参列する際、喪服(準礼装)を着用することが一般的です。服装は、男性ならブラックスーツ、女性ならブラックフォーマルを着用するようにしましょう。
一方、お通夜では略礼装が一般的な装い。濃紺やグレーのスーツに黒のブラウスなどを合わせるのが無難です。また、最近では仕事の関係でお通夜に参列する人が増えています。そのため、お通夜でも喪服を着ている人が増えているとか。ただ、お通夜の場合、急遽職場や出先から駆けつけることもあるかもしれません。その場合は黒や紺、グレーといった平服であれば問題ありませんので、臨機応変に対応しましょう。
・お別れの作法
通夜で遺族の方に挨拶される場合は、簡潔に弔意を伝えるのがマナーです。「この度はご愁傷様でございます」などといったように、控えめに挨拶するようにしましょう。また、声をかけなくても、目礼をきちんとすれば問題ありません。何より、遺族の方を気遣う心を忘れずに行動したいですね。
最後に
「冠婚葬祭」の意味をあらためて紐解くと、伝統文化や季節にまつわる行事であり、人生における大切なイベントであることが実感されたのではないでしょうか? 意味や背景を理解し、行事やイベントに参加すると、冠婚葬祭に対する新たな見方が自分の中に育まれるかもしれませんね。
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