児童手当とは?
「子育てする上で、お金が心配」そんな不安を感じることはありませんか? 大学までかかる学費の情報を目にすると、今の収入で大丈夫なのか、心配になる人もいるかもしれません。
何かとお金がかかる子育てですが、国は子育て世帯を経済的に支援する目的でさまざまな対策を実施しています。その中の一つが「児童手当」です。
児童手当を受け取る対象の人は?
以前の名称は「子ども手当」だったので、そちらの方が知られているかもしれません。現在は「児童手当」に名称が変更されています。
児童手当は、中学校卒業までの子供を養育している方(養育者)を対象としています。子供が15歳の誕生日を迎えた後、最初の3月末まで児童手当を受け取ることができます。
児童手当を受け取るには、児童を養育している人の所得が、所得制限限度額未満であることが条件です。
児童手当の支給額とは?
児童手当の支給額は、子供の年齢と何番目の子供かで変わります。
0歳から3歳未満:1か月一律15,000円
3歳以上・小学校修了前:1か月10,000円(第3子以降は1か月15,000円)
中学生:1か月一律10,000円
なお、第3子というのは、「高校卒業まで(18歳の誕生日後、最初の3月末まで)の養育している子供のうち、3番目以降の子供」を指しますが、児童手当の支給対象になるのは「中学校卒業までの子供」です。この点は間違えないようにしてください。
児童手当はいつ支給されるの?
児童手当は、毎年6月・10月・2月の年3回支給されます。それぞれの前月分までをまとめて支給するため、6月は2~5月分、10月は6~9月分、2月は10~1月分が受け取れます。
なお、児童手当は、申請月の翌月からが支給対象になります。児童手当の申請が遅れたとしても、遡っての支給はされません。子供が産まれたら、速やかに手続きすることをおすすめします。
児童手当、最初の申請ですることとは?
ここからは、児童手当の申請方法を見ていきましょう。最初の申請はさまざまな書類の準備が必要ですので、抜かりなく事前準備を行ってください。
また、初回申請で定められている「15日特例」についても、知っておきましょう。
児童手当で必要になる書類
児童手当の初回申請は「認定請求」と呼ばれ、公務員以外の人は現住所がある市区町村で手続きをします。その際、次の書類が必要になりますので、忘れずに持参してください。
・認定請求書(市区町村のホームページからダウンロードもしくは窓口でもらう)
・申請者本人名義の金融機関の口座情報(通帳やキャッシュカードなど)
・申請者の健康保険証
・申請者とその配偶者のマイナンバーカード、もしくは個人番号が確認できるもの
申請する年の1月1日時点で、その市区町村に住民登録がなかった人は、所得証明書や前住所地で交付された児童手当用所得証明書が必要になることもあります。転居の場合は転入届を提出するときに、児童手当申請についても確認しておきましょう。
また、必要となる書類は地域によって異なります。必ず現住所の自治体に確認をしてください。
児童手当、初回申請の流れ
児童手当の初回申請の流れについても、確認しておきましょう。以下のように手続きは行われます。
1:必要になる書類を準備
2:子供が産まれたら、出産日の翌日から数えて15日以内に市区町村窓口に書類を提出
なお、転出する場合は、転出予定日の翌日から数えて15日以内の手続きが必要です。また、児童手当は、子供の出生届を提出してからの申請になりますので、里帰り出産や転出予定がある場合は、注意が必要です。
里帰り出産の場合は、可能な限り、現住所の市区町村で出生届を出しましょう。実家がある市区町村で出生届を提出してしまうと、現住所の担当者が確認するまで時間がかかってしまうからです。また、後日に児乳幼児医療費助成制度などの手続きをする必要があります。
知っておきたい、児童手当の15日特例とは?
児童手当の申請には「15日特例」があります。次のことに該当した人は、申請した月から児童手当の支給対象に。
・出生日が月末に近い
・転入した日が月末に近い
これらの場合、申請日が翌月になっても、出生日や転入日の翌日から15日以内に申請されたのであれば、申請月分から児童手当が支給されます。
児童手当、公務員の場合の手続きは?
公務員の児童手当申請は、勤務先に届出をすることになります。ただし、次のことに該当する場合は、それが生じた翌日から15日以内に、現住所の市区町村と勤務先に申し出ましょう。
・公務員になった場合
・退職などにより、公務員ではなくなった場合
・勤務先の官署に変更が生じた場合
いずれの場合も、申請が遅れた分だけ児童手当が支給されなくなってしまいますので、注意してください。
児童手当を継続するための申請とは?
児童手当を続けて受け取りたい場合の手続きもチェックしていきましょう。
現況届を提出しなければならない人とは?
2022年5月までは、児童手当の受給要件を満たしているかを確認するために、現況届を提出しなければなりませんでした。しかし、2022年6月以降は、原則提出不要になっています。
ただし、次のようなことに該当した場合、現況届の提出が必要になります。
<現況届の提出が必要なケース>
・住民基本台帳上で住所を把握できない、法人である未成年後見人
・離婚協議中で配偶者と別居している人
・配偶者からの暴力等により、住民票の住所地と異なる市区町村で受給している人
・支給要件児童の戸籍がない人
・施設等受給者
・その他、市区町村から提出の案内があった人
なお、現況届は、毎年6月1日の状況を確認するために提出します。現況届を提出しないと、児童手当の支給はされませんので、注意しましょう。
児童手当を上手に活用する方法
児童手当の総支給額は、トータルで200万超になるといわれます。せっかくの手当ですから、上手に活用したいもの。ここからは、児童手当を上手に活用する方法を見ていきましょう。
子供の教育費に充てる
児童手当を子供の進学費用として貯金していくのはいかがでしょうか。学資保険などの金融商品を活用して貯めるのもいいですし、専用口座を開設してそこに貯金していくという方法もあります。
子育てでもっともお金が必要になるのが、大学進学です。大学進学を選ばないとしても、成人前後は何かとお金がかかるもの。子供が安心して希望の進路を選べるよう、児童手当を上手く活用しましょう。
子供の将来のための準備金にする
子供が成長すると、さまざまなことでお金が必要になります。たとえば、制服や学用品、教科書代などですが、部活や習い事で急に支払いが発生することも。そのような時に貯金があると、安心です。
「将来のための準備金」として、児童手当をそれに充てるのも一つです。子供が小さいうちから貯めておき、必要なときはそこから使いましょう。
最後に
国が子育て世帯を支えるために支給される児童手当は、中学校卒業までの子供を育てる養育者が受け取れます。子供が産まれたら15日以内に、現住所がある市区町村で必ず手続きをしましょう。児童手当の総支給額は、およそ200万円超だといわれています。教育費や将来のために貯金しておき、上手に活用していきましょう。
益田瑛己子
ライター・キャリアコンサルタント・ファイナンシャルプランナー。金融機関の営業職として長年勤務し、現在はライター(ブック・Web)と就職支援をメインに活動中。3人の子供が自立し、仕事と趣味を謳歌している。
ライター所属:京都メディアライン
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