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FASHION おしゃれプロ

2023.06.24

おしゃれが好きそうなのに、どこか残念なひと【今日からは、自分のために服を着たいvol.48】

着こなしは素敵なのに、なぜかパッとしないというか、ぼんやりして見えるというか……。そんなひとを見かけたり、もしくは自分がそうなってしまうこと、ありませんか? 理由はなんなのか、考えてみました。

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editor_kao
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筆者のイメージイラスト

こんにちは、editor_kaoです。

先日、近所のベーカリーを訪れたときに、気になる女性を見つけました。たぶん40代。イートインスペースでランチをされていたのですが、とても素敵な着こなしで。リネンのモノトーンチェックのブラウスに、黒のロングスカート。足元は白のスニーカーで、傍らには「エルベシャプリエ」のナイロンバッグ(これもモノトーン)が。見るからに「おしゃれに気をつかっている」印象です。
大人っぽさも清潔感あって、すごいタイプ! モノトーンチェックのブラウスはもっていないけど、似たようなコーディネートは、私もよくしているような気が。だからこそ目を引いたのかもしれません。

着こなし全体は、とてもきれいにまとまっている。まとまっている……んですけど。

なんでしょう、どこか残念なんですよね……。何かが足りないというか。むー。

着こなしはまとまっているけど、なぜか小地味な印象で

言い換えれば「小地味」ということなのでしょうか。服の組み合わせ自体は間違っていないのですが、ややぼんやり感があって、もうひと華やぎあってもいいんじゃないかなー、と思えて。私の暮らしているところは、青山とか代官山とか中目黒みたいな、おしゃれタウンではないんです。だからあの人も、わざわざ出かけてきたとは思えず、それでも身なりをきちんとしようと思うくらい、おしゃれが好きなのだろうと。だから、かえってもったいないんですよね。ちなみにヘアは黒髪のショートカット、メークはナチュラルでしたがきちんとされていて、じゃあこのひとに、いったい何が足りないのでしょう? 答えがすぐにはわからず、ベーカリーを出てからも、しばらく頭の中から離れませんでした。

足りない着こなしを華やかに見せるには?

あのコーディネートは、何が足りないのか、そしてどうしたら華やかにすることができるのか。自分の中でいろいろシミュレーションしてみて、理由と解決法がわかりました。ひとつには、着る人の顔立ちに原因としてあるかと。もしその人がはっきりした顔立ちの場合は、それだけで華やかなので、何を着たところで問題はありません。確かに、私が出会った女性も、はっきりしたタイプではありませんでしたが、これは生まれもったものなので解決にならず。却下!

それでは、ヘアやメークを工夫したらいいのか。これはちょっと正解かも。たとえばショートヘアでも空気を含ませるアレンジにするとか、メークもモノトーンスタイルに負けないように、眉に存在感をもたせるとか、赤いリップを差してみるとか。しかしながら、そもそもそんな技量があれば、最初から実践しているのではないかとも思えます。特に私なんか、前回の記事にも書いたとおり、コンプレックスありありの髪質をしているので、「イケてるアレンジが自分でできるなら、とっくにやってるわ!」と、言いたくなる。ヘアメークで解決するには、それなりのテクニックが必要となります。

着こなしに必要なのは、存在感のあるアクセサリー使い

で、最終的に私がたどり着いた答えはこちら! 「アクセサリーをきちんとする」です。これなら顔立ちやヘアメークの技術は関係なく、誰でも実践できる方法! 思い返せば、その人はアクセサリーをひとつもしていなくて、それが「小地味」に見える決定的な理由ではないかと気づきました。

以来、改めて自分でも、アクセサリーにこだわっていて。「きちんとする」というのが重要で、これは存在感をもたせるという意味。ひとつだけなら大ぶりなもの、もしくはいくつかを重ねて「私、ちゃんと考えてアクセサリーつけてるんで!」という、主張をもたせるんです。ちなみに今の私は、仕事の内容にもよりますが、耳元に小さめのフープピアス、右手にシルバーのリング2個、左手にめちゃめちゃ大きなレジンのリング1個、というのが最大値(絶賛ブーム真っ只中なので)。アクセサリーは、別に私ほどたくさんする必要もありませんし、ハイブランドでなくてもいい。ただトータルで見たときに「ディテールまで気をつかっている感」があると、着こなしがグッと引き締まるんです。そのいちばんの近道が、アクセサリーではないでしょうか。シンプルでこざっぱりした着こなしは私も大好きですし、きっとDomani読者のみなさんも同じかと思いますが、大人がそれをそのまま着ると、ただの地味になりがち(余談ですが、最近観た映画『ター』のケイト・ブランシェットは、ノーアクセサリーでもめちゃカッコよかったけれど、それは彼女くらい存在感がある場合。ちなみに衣装がどれも素敵すぎたので、こちらも要チェックです〜)。過剰に目立つ必要もないけれど、ぼんやりしちゃうのは本当に残念なので、ぜひ一度、トライしてみてください。

【今日のひと手間】

アクセサリー用のケースとマスクケース

そういうわけで、バッグにアクセサリー用のケース(本来は小銭入れ)を入れておくようになりました。仕事で撮影サンプルを手にするときは、自分のアクセサリーはこれにしまって、素手で触るようにしています。余談ですが、マスクの着脱がひんぱんになってきたこともあり、同系色のマスクケース(本来はお札入れ)も使うように。お気に入りの組み合わせです!

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エディター

editor_kao

大人の実用ファッションを中心に、人物インタビューや日本の伝統文化など、ジャンルレスで雑誌やブランドサイト、ウエブマガジンで活動中。また、インスタグラム@editor_kaoでは、私服コーディネートを紹介するかたわら、さまざまなブランドや百貨店とのコラボレーションも手がけている。ライフスタイルWEBメディアkufura(クフラ)でも「4ケタアイテムで叶えるオシャレ」を連載中。

イラスト/柿崎こうこ

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