「まとめる」の類語や言い換え表現
日常生活で何気なく口にする「まとめる」は、以下のような意味をもつ言葉です。

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まと・める【×纏める】 の解説
[動マ下一][文]まと・む[マ下二]
1 ばらばらのものを集めてひとかたまりのものにする。「作文を—・めて本にする」「一年分—・めて払い込む」
2 物事の筋道を立てて整える。「アイデアを—・める」
3 決まりをつける。互いの意志を一致させる。「紛争を—・める」「商談を—・める」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
物事をひとつにするだけでなく、道筋を整えたり、決まりをつけたりといった意味をもちます。
また、類語や言い換え表現には、以下のような語句が挙げられます。シーンに応じた使い分けができるよう、例文とともに、それぞれの正しい意味を確認していきましょう。
「集約する」
「集約」とは、物事を整理したうえでまとめることです。「まとめる」にも「物事の道筋を立てて整える」という意味がありますが、「集約する」の場合はその範囲がより広くなります。
以下のように、「機能が集約される」「手続きが集約される」のように活用でき、ビジネスでの使用頻度も高い言葉です。
- 来月発売される新機種は、これまでの機能を集約し、よりレベルアップした仕上がりになっている。
- 今月から各部署で行っていた手続きがひとつに集約され、業務がより効率化された。
- 急遽アンケート結果を集約してほしいと頼まれ、今日は残業になってしまった。
「統合する」
「統合」は、2つ以上のものをあわせ、ひとつにすることです。
「まとめる」は「ばらばらになったもの」をひとつにすることですが、「統合する」の場合は、ある程度形が整ったものや、まとまりのあるものに対して使う傾向にあります。
- A社は海外進出を視野に入れ、B社と統合することを正式発表した。
- 複数のデータを統合する作業に1日を費やした。
「整理する」
「整理」とは、乱れたものを整え、きちんとすることです。見た目や内容が乱れているものに対して使う点が「まとめる」との違いといえます。
また、「整理する」には「感情を整理する」や「交通整理」のように、混とんとしたものをきちんとした状態に整える、という意味もあります。
さらに「人員を整理する」のように、無駄なものや余分なものを除く意味もあるなど、幅広いシーンで活用できる語句といえるでしょう。
- 今日は朝から晩まで資料を整理する作業に明け暮れていた。
- 彼女が仕事を辞めることに対し、いまだに感情が整理できない。
- 業務縮小に伴い、人員を整理することになった。
「要約する」
「要約」とは、文章などの要点をとりまとめることです。まとめる点が「物事の中心」であることが「まとめる」との大きな違いといえます。
会議の議事録や資料などを上手に要約すれば、内容を端的にわかりやすく伝えられます。実際に話を要約する際は、誰がいつ何をしたのかという「5W1H」を意識するとよいでしょう。
- 文章を要約するには、内容を大まかに理解しておくことが大切だ。
- 読書をする時間が惜しいからと、話題のビジネス書の内容を要約し、教えてほしいと頼まれた。
「簡略化する」
「簡略」とは、手短で簡単なことです。「簡略化」とすることで、物事をまとめて簡単にすることを表せます。
似た言葉に「簡素化」がありますが、こちらは無駄を省いて簡単にすることです。「まとめる」や「簡略化」とは若干ニュアンスが異なるため、混同しないように気をつけましょう。
- オペレーションが簡略化されたことにより、より早くお客様に商品を提供できるようになった。
- 窓口の業務負担を軽減するため、従来の手続きを簡略化してはどうかという声が上がっている。
「終結する」
「終結」とは、物事が終わりを迎えることや、何かに決着がつくことです。「まとめる」の、「決まりをつける」と似た意味をもつ言葉といえます。
また、「終結」は「結論」と同じ意味で扱われることもあります。「結論」とは、考えた末の最終的な判断をまとめることです。
会話のなかでは複数の意味があることを理解し、以下のように活用していきましょう。
- 長きにわたり続いた紛争は、ようやく終結を迎えた。
- システムトラブルで大きな混乱が生じたが、各部署の対応により事態がようやく終結した。
「まとめる」の言い換え表現をビジネスで活用しよう
「まとめる」は、ばらばらなものをひとつにしたり、物事の道筋を立て整えたりと、複数の意味をもつ言葉です。また、物事に決まりをつけることも表します。
類語や言い換え表現も、「集約する」や「整理する」「終結する」などさまざまです。それぞれに異なる意味があり、「まとめる」とは違ったニュアンスをもちます。
いずれもビジネスシーンでの使用機会も多く、正しい意味を知っておけば、その場の状況や考えをより的確に伝えられます。「まとめる」も含め、シーンに応じた使い方を理解しておきましょう。
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