中途入社でも有給消化はできる? 企業ごとの対応差に注意
中途入社者の場合でも、年10日以上の有給休暇が発生するような働き方の場合、有休年5日ルールは適用になります。例えば、1日8時間週5日勤務の場合で、出勤率が8割を超えている場合で考えてみましょう。この場合、中途入社後6か月経過すれば、年10日分の有給休暇の権利が発生しますよ。
ただ、企業によっては、6か月より前に有給休暇を付与するケースもあります。こうした運用は会社ごとに異なるため、就業規則や雇用契約書で確認しておくとスムーズでしょう。
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有給消化義務に違反したらどうなる?
では、企業が有給消化義務を守らなかった場合、どのようなリスクがあるのでしょうか? 実は、「こんな罰則やリスクがあるとは知らなかった…」というケースもありますので、しっかりチェックしておきましょう。
違反した企業はどんなリスクを負うの?
有給休暇に関する違反があった企業(使用者)に対しては、罰則が科されることも。まず、年5日の年次有給休暇を取得させなかった場合は、30万円以下の罰金の対象になる可能性があるということも、気をつけたいポイントです。
そのほか、働く人(労働者)の請求する時季に所定の年次有給休暇を与えなかった場合には、30万円以下の罰金、場合によっては6か月以下の懲役もあり得ます。実は、このような罰則があることを全く知らなかったという話も時折耳にしますので、この点も合わせておさえておきましょう。
参考:厚生労働省資料「年5日の年次有給休暇の確実な取得わかりやすい解説」
また、転職サイトや、SNS等で情報を拡散されてしまうというリスクもあります。人材採用の際にも影響が出てしまうことや、会社のイメージダウンにつながってしまう可能性もあるでしょう。
最後に
有給休暇や有給消化についての理解は、働く上で大切なポイントです。基本をおさえておくと安心ですね。

執筆
塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩(つかはら・みさ)
行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。
事務所ホームページ:塚原社会保険労務士事務所
ライター所属:京都メディアライン