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2025.03.10

退職前に有給消化できない!? 拒否されたときの対処法と円満解決のコツ【社労士監修】

退職前に有給消化を拒否されたという話はよく耳にします。「できれば円満に解決したい…」という方も多いのではないでしょうか? そこで、この記事では、有給消化を拒否されたときの対処法や、円満解決のためにおさえておきたいポイントなどを解説します。

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「有給消化」について悩んだことはありませんか? 退職する前に、余っている有給休暇があるので、「有給消化をしたい」と言ったところ、嫌な顔をされたという経験がある方もいらっしゃるかもしれませんね。

また、「うちの会社は、退職前の有給消化は認めていません」ときっぱり拒否されるケースもあるようです。ですが、有給休暇は労働者の正当な権利ですので、退職が決まっていたとしても、本来は使うことができるものということをご存じでしょうか?

この記事では、退職時の有給消化に関する法律や、スムーズに有給消化をするためのコツ、企業の拒否に対する対処法などを解説します。

退職前に知っておきたい「有給消化」のルールの基本

有給休暇は法律上定められている労働者の権利です。ですが、「退職予定が決まっている人は、有給休暇の権利が消滅する」と説明をされたというような話を耳にすることも…。

ですが、たとえ退職予定が決まったとしても、その時点ですぐに有給休暇の権利が消えてしまうというようなことはありません。また、法律上定められているものですので、「うちの会社は小さい会社だから、有給休暇が取れない」という説明は正しくないというのも、おさえておきたいポイントです。

有休消化

(c) Adobe Stock

有給消化はどこまで認められる? 法律と確実に取得する方法を理解しよう

有給消化はどこまで認められるのでしょうか? 結論から言うと、有給休暇は退職日までに消化することが可能です。

もちろん、必ず全ての有給休暇を消化してから退職しなければならないというものではなく、使うかどうかは基本的に本人次第。そのため、自分から有休消化をするという希望をしっかり伝えた上で、会社のルールに沿って申請をするようにしましょう。申請忘れは意外と多いからです。

ちなみに、有給休暇には、会社側が有給休暇のタイミングを変更できる権利があり、これを「時季変更権」と言いますよ。ただし、これは無制限に使える権利ではなく、「事業の正常な運営を妨げる」という場合に使える権利ということもおさえておきたいポイント。また、労働者の退職期日以降に有給休暇を時季変更するということはできません。

ただ、急な申し出は「引継ぎはどうするの!」など、何かとトラブルになりがちです。有給休暇の申請は、なるべく期間にゆとりをもってした方がいいでしょう。

参考:沖縄労働局「労働相談事例 退職予定者には年休を与えなくてもよいか」

有給消化は労働者の権利! 取得を拒否されるケースはある?

有給消化を会社から拒否されてしまったという話は時折耳にします。ですが、前述の通り、年次有給休暇の取得は労働者の権利ですので、会社が一方的に拒否できるものではありません。ただ、残念ながら、有給消化は拒否されたり、嫌な顔をされたという話が後を絶たないのも現実です。

また、有給消化は働く側から申請することが基本ですので、何も申請しないまま退職日を迎えてしまったという人もいらっしゃるようですね。そこで、ここからは、有給消化の進め方についても見ていきましょう。

集まるメンバー

(c) Adobe Stock

「退職時の有給消化は何日できる?」日数の決め方と申請方法

まず、有給休暇についての基本知識を整理していきましょう。有給休暇の権利が発生する条件は、次のどちらも満たしている場合です。

・雇い入れの日から6か月間、継続して勤務していること
・全労働日の8割以上出勤していること

「私は何日分有給休暇があるの?」と気になるという方も多いのではないでしょうか? 通常の労働者(いわゆるフルタイム勤務)の場合、原則年10日以上の有給休暇の権利が発生しますよ。また、使いきれなかった有給休暇は翌年に繰り越されます。

職場によっては、出退勤システムや給与システムなどに有給休暇の日数が表示されることもありますので、一度チェックしてみてくださいね。

また、申請方法は会社によって違いますが、一般的には出退勤システムで申請するか、会社の定めた書類で申請するということが多いですよ。ただ、事前に相談せずに申請すると、「聞いていません!」となることも…。できれば直属の上司へ退職の申し出や相談をする際に、有給消化についても希望を伝えておくとスムーズでしょう。

参考:厚生労働省 労働基準情報よくある質問「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」

「有給消化できない」と言われたら? 企業の拒否への対処法

「有給消化はできません」と拒否されてしまった時は、どのように対処したら良いのでしょうか? ここからは、交渉のポイントをみていきましょう。

有給消化を確実に取得するための交渉術

まずは有給残日数がどのくらいあるのかを確認し、法律上の要件などの資料を確認しておくことがおすすめです。ここで誤解があると、その後の交渉がしどろもどろになってしまうこともありますので、しっかりチェックしておきたいですね。

また、意外と交渉の時にネックになるのが、感情のコントロールです。一度感情のぶつかり合いになってしまうと、交渉はうまくいきにくいでしょう。

なお、「有給消化を拒否する気はないけれど、引継ぎが間に合うかどうかが不安…」という会社もあります。もし転職先がまだ決まっていない場合などは、有給消化期間を考慮して、退職日をずらすという妥協点が見つかったというケースもありますよ。

ただ、退職日の変更は、社会保険料などにも関係してくることや、そのまま引き留めにあってしまう可能性もあるので、慎重に考えてみてくださいね。ご自身の状況に合わせて、こうした提案をしてみるのも手です。

困っている人たち

(c) Adobe Stock

会社が有給消化を拒否するのは違法? 対処法と相談窓口

会社が単に有給消化を拒否して、休ませないようにするというのは違法ですが、こんなときはどうしたらいいのでしょうか? 真っ先に、労働基準監督署が思い浮かぶという方は多いかもしれません。ですが、まずは会社内での相談先がないか検討してみるのがおすすめですよ。というのも、有給消化については労務的な知識がある人と、そうでない人で反応が違うことがあるからです。

実際に、会社としては有給消化を拒否していないのに、同僚や直属の上司が「有給消化なんておかしい!」と反発してくるというケースも。退職後に残される上司や同僚たちからすると、納得がいかないということもあるのかもしれませんね。

ですが、直属の上司や同僚たちが難色を示した場合でも、その上の上司や、人事担当者、経営者等に相談したところ、スムーズに進んだというケースも意外とありますよ。

とはいえ、こういう手段を試しても解決しないことも、残念ながらあり得ます。「会社内の相談ではもう解決できそうにない…」という場合はどうしたらよいのでしょうか? このようなときは、労働基準監督署への相談という手もあるでしょう。また、総合労働相談コーナーで解決のための情報やアドバイスをもらえることもありますので、困ったときは参考にしてみてくださいね。

参考:厚生労働省(総合労働相談コーナーのご案内)

最後に

この記事では、退職前に有給消化を拒否されてしまったときの対処法や、円満に解決するためにおさえておきたいポイントなどを解説しました。働く上で重要なキーワードですので、悩んでいるという方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

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執筆

塚原社会保険労務士事務所代表 塚原美彩(つかはら・みさ)

行政機関にて健康保険や厚生年金、労働基準法に関する業務を経験。2016年社会保険労務士資格を取得後、企業の人事労務コンサル、ポジティブ心理学をベースとした研修講師として活動中。趣味は日本酒酒蔵巡り。
事務所ホームページ:塚原社会保険労務士事務所

ライター所属:京都メディアライン

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