「焦眉の急」の意味と由来

まずはじめに「焦眉の急」の意味を、例文とともにわかりやすく説明します。由来となった説話のイメージもあわせて覚えれば、意味を思い出しやすくなるはずです。
「焦眉の急」の意味と使い方
「焦眉の急(しょうびのきゅう)」は、なかなか聞いたことがない表現かもしれませんね。これは「危険がごく間近まで迫っている、極めて緊急な状況」を指す言葉です。
例文のとおり、事態がかなり切迫していて危機的なシチュエーションで使われます。
しょうび‐の‐きゅう〔セウビ‐キフ〕【焦眉の急】
危険がひどく迫っていること。状況が切迫していること。「焦眉の急を告げる事態」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
「焦眉の急」の由来
「焦眉の急」の由来は、『五灯会元』に載っている話です。この書物は中国で成立した、禅宗に関する語録や逸話をまとめた文献です。
元になった説話では、ある僧が法泉禅師に「急切とはどのような状態か」と尋ねたところ、禅師は「火が眉を焼くときのような状態だ」と答えたといいます。
眉が焦げるほど危険が迫った状態というたとえは、ただちに対応すべき切迫性を端的に示しているのです。
「焦眉の急」の言い換え表現とは?

「焦眉の急」の言い換え表現として「切迫」「火急」などを紹介します。単語ごとに緊急度を整理し、使う回数の多い緊急・至急・早急の使い分けポイントも確認します。
緊急・至急・早急
ビジネスシーンにおいて、緊急・至急・早急は「焦眉の急」よりも一般的な表現です。この3種類の言葉は使われる場面やニュアンスに違いがあり、高い順に並べると緊急、至急、早急の順となります。例えば、以下のような使い方ができるでしょう。
緊急度の違いと、それが生み出す相手へのプレッシャーを理解すれば、適切な言葉選びができます。日常的な事務連絡では「早急」を使い、深刻なトラブル対応のときには「緊急」がふさわしい表現です。
きん‐きゅう〔‐キフ〕【緊急】
[名・形動]重大で即座に対応しなければならないこと。また、そのさま。「事は緊急を要する」「緊急な(の)用事がある」し‐きゅう〔‐キフ〕【至急】
1 非常に急ぐこと。大急ぎ。「至急の用件」「至急お帰りください」「至急便」さっ‐きゅう〔‐キフ〕【早急】
[名・形動]非常に急ぐこと。また、そのさま。至急。そうきゅう。「早急な処置が望まれる」「早急に対策を講じる」
上記すべて、小学館『デジタル大辞泉』より引用
切迫
「切迫」は漢字からわかるように「逃げ場のない追いつめられた緊張状態」を指します。また「期日が迫る」という意味もあります。
ビジネスシーンでは、納期が迫っているときや、急ぎの対応が必要なときなどによく使われます。
せっ‐ぱく【切迫】
[名](スル)
1 期日などが間近に迫ること。「返済期限が切迫する」
2 緊張した状態になること。逃げ場のない追いつめられた状態になること。「経済情勢が切迫する」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
火急
火という漢字から、「火急」もかなり緊急度合いが高い言葉だとわかります。「事態が極めてさし迫っていること」をいい、一分一秒も惜しいくらいの緊急事態です。
「火急」も至急や早急より緊迫感が高い言葉なので、目上の人に安易に使うのは避けたほうがよい言葉です。
か‐きゅう〔クワキフ〕【火急】
2 事態がきわめてさし迫っていること。また、そのさま。焦眉(しょうび)の急。緊急。
小学館『デジタル大辞泉』より一部引用
風前の灯
風の吹く場所に置いたろうそくがどうなるか想像すれば、この言葉の意味がわかるはずです。「風前の灯(ふうぜんのともしび)」は、避けられない困難を前にして、今にも消えそうな火のようにはかない様子のことを指します。
「風前の灯火」や「風の前の灯火」、「風中の灯(ふうちゅうのともしび)」とも表現されますが、いずれも意味は同じです。
ふうぜん【風前】 の 灯火(ともしび)
風の吹きあたるところに置かれた灯火。物事のはかなくもろいこと、危険に直面し、生命の今にも絶えようとすることのたとえにいう。風の前の灯火。
小学館『デジタル大辞泉』より引用
「焦眉の急」の反対表現とは?

一方、「焦眉の急」の反対表現には「不急」「余裕」などがあります。それぞれの意味や使い方を例文と一緒に紹介します。
不急
「不急(ふきゅう)」とは「急ぐ必要がなく、今すぐ対応しなくてもよいことやその様子」という意味です。
コロナ禍の際によく使われるようになった「不要不急」は、「さして重要でも急ぎでもないこと」を意味します。ただし「不要不急」は基準が状況や立場によって異なるため、表現として曖昧さを含む点に注意が必要です。
ふ‐きゅう〔‐キフ〕【不急】
[名・形動]急を要しないこと。今すぐでなくてもよいこと。また、そのさま。
小学館『デジタル大辞泉』より引用
余裕
「余裕」とは、「必要な量以上に余分があること」または「ゆったりと落ち着いた態度」を意味する「焦眉の急」の反対表現です。
似た言葉に「ゆとり」がありますが、ゆとりは余分があるというよりも、のびのびできる状態のことです。どちらも時間やお金、気持ちなどさまざまな対象について使えます。
よ‐ゆう【余裕】
1 必要分以上に余りがあること。また、限度いっぱいまでには余りがあること。「金に余裕がある」「時間の余裕がない」「まだ席に余裕がある」
2 ゆったりと落ち着いていること。心にゆとりがあること。「余裕の話し振り」「周りを見る余裕もない」
小学館『デジタル大辞泉』より引用
まとめ
-
「焦眉の急」とは、眉に火が付くような緊急事態であることを指す
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「焦眉の急」の類語は、緊急度合いを整理して覚えるとよい
- 類語の緊急度合いを想像する際は、漢字や情景イメージがヒントとなる
「焦眉の急」「火急」「緊急」は、今すぐの対応が必要なほど危険がそばに迫っている様子です。次に「至急」「早急」と、急ぐ度合いが下がっていきます。ニュアンスの違いを学んで、ぜひ日常に役立ててみてください。
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Domani編集部
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