Q.40代での転職を検討中。転職に「45歳の壁」はある?
今の職場は徹夜ありの体力勝負。この仕事は好きだし、若いころは苦にならなかったけど、一生このペースで働くのは無理…。緩やかに働ける環境へ転職を希望しているけれど、年齢がネックになる気がして踏み切れません。(45歳・出版・既婚子なし)
Q.今までのキャリアを生かすなら年齢は関係ない。ただ、まずは今いる環境を打開できないか考えてみて
編集部:第2回目のテーマは、アラフォー女性の転職について。つい数年前までは転職の限界は「35歳の壁」と言われてましたが、最近は40代で転職する人も増えました。
登坂さん:〝人生100年時代〟といわれるようになってから、これまでの年齢の感覚と変わってきていますよね。僕だって45歳で辞めちゃいましたし(笑)、転職についても年齢でひとくくりにはできないと思います。回答を先に言うと、「今までのキャリアが生かせるなら、転職に年齢は関係ない」ですね。まず、そもそもの話をすると、この方のいう「緩やかな働き方」は違う会社や職種に転職しないとできないのか、今いる会社で異動などすれば叶うのか気になりますね。
編集部:この方の場合、仕事の内容や職種がどうっていうより、働き方のペースを落としたいということですもんね。
登坂さん:今までとまったく違う仕事に挑戦するなら、ある程度年齢の問題やリスクはありますよ。僕はフリーランスになったので、リスクはつきものだと考えていましたし。「絶対この仕事がしたい!」という野望があるならチャレンジすればいいと思いますが、結局は、何を我慢して何をとるか、その選択になるのでは。働くペースを落とすと給料はどうなるのか。今とは違う仕事にシフトしていけるのか。
編集部:働き方改革などの影響で「働き方をセーブしたい」と考える人はこれからも増えそう。
登坂さん:ただ、今の人手不足と言われている中で歓迎してくれる職場ってまだまだ少ないですよ。キャリアダウンになったとしても、これまでのスキルを生かして希望の働き方が今の会社でできるのなら、そこから道を探ってみるというのが現実的な気もしますね。
ワーカホリックにとっては、年齢より「仕事をシフトチェンジできるか」こそが問題
登坂さん:相談者がお勤めの出版社に限らず、ハードワークをしている人に共通すると思うんですけど…メインストリームの仕事をやっていると、そりゃあメチャクチャに忙しいんですよ。僕はNHK入社7年目から東京で正午のニュースなど、いわゆる最前線を担当していました。最新情報や緊急時にいかに役立つ情報を届けるかなど、やっぱり、その世界は楽しくて刺激があるんですよね。もちろん、そこにい続ける人もいるし、僕自身も周囲には「おまえもそうなんだろう」と思われていたんですけど。でも、「この働き方が最高だ!」という価値観にだけ縛られているのも違うような気がして。その後、北海道に転勤して夕方の情報番組で報道以外のいろんなことを体験するうち、こういう働き方も豊かだな、働き方を変えるのもアリだなと改めて思ったんですよね。
この方も、仕事をバリバリやってこられたのであれば、メインストリームでハードワークをずっと続けるか、それを降りて仕事をシフトチェンジをする勇気があるかどうかも、大切になってくるのかもしれません。
撮影/黒石あみ 取材・文/佐々木 恵(スタッフ・オン)
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フリーアナウンサー
登坂淳一
1971年生まれ。NHK入局後、和歌山放送局を経て2003年に東京放送局へ異動。「おはよう日本」や正午のニュースなどを担当した。2018年にNHKを退局後は、フリーアナウンサーとしてTOKYO MX「TOKYO LOVE SPORTS」、BSフジ「BSフジニュース」などを担当するほか、バラエティ番組でも活躍中。