「ちょっと怖い?」「ムダ遣いしそう?」「でも、使わないと損!?」
プリペイドカードとポイントカードがアプリになったようなもの
キャッシュレスという言葉もすっかりなじみ、10月1日からの増税にともなうポイント還元の恩恵も、多くの情報が出そろいました。※詳しくはこちらで。
ところが、倹約派の人ほど「Payものはちょっと怖い」「ムダ使いしてしまいそう」と二の足を踏むことが意外と多いのだそう。そんな事実を教えてくれたのは、ITジャーナリストの高橋暁子さん。
「10月1日から消費税がアップしますから、増税ぶんを取られっぱなしにならないよう、今こそキャッシュレスを始めておきたいですね。ポイント還元のメリットを得ないのは、もったいないですよ」(高橋さん)
本題に入る前に、Payサービス(「コード決済」「QRコード決済」とも呼ばれる)が何をさすが、改めて確認しておきましょう。主なPayサービスは、<PayPay><メルペイ><LINE Pay><楽天ペイ><Origami Pay>など。スマホにダウンロードしたアプリのバーコードやQRコードをレジで出して、会計のときに店員さんがピっと読み取るもの。自分のクレジットカードや銀行口座からアプリにお金をチャージしておき、そこから使っていくので、プリペイドカードがアプリになったと考えるとシンプルかも。過去のプリペイドカードと違うのは、オートチャージにできたり、買い物ごとに0.5%~のポイント還元(アプリによって異なる)があること、でしょうか。このポイント還元を理解しておくこと、上手に貯めることは、キャッシュレス時代を生きていく上で、欠かせないことといえそうです。
2019年10月からの9か月はポイントをひたすら貯める!
では、どんなPayサービスがあって、どんな違いがあるのか、ざっと見てみましょう。
※1)中小・小規模店舗での買い物が対象。フランチャイズ参加かそれ以外の店舗によって%は変わる。
※各コード決済ごとに1回あたりの使用限度額があります。
(監修/消費生活アドバイザー・丸山晴美さん)
2019年10月からのキャッシュレスポイント還元についても、サービスごとに開きがあることがわかります。そして、こうしてみると、素朴な疑問として「どうしてこんなにサービスしてくれるの?」が浮かんできます。ポイント還元キャンペーンは、政府が推進していることですが、そのほかに、どんなからくりがあるのでしょうか。
「利用者の消費行動はすべて入手されていますから、それがビジネスに使われるのは、避けられないこと。それが先々の商品開発や便利なサービス開発にもつながっています。すでに私たちもその恩恵に無意識のうちにあずかっているのです」(ITジャーナリスト・高橋暁子さん)
「どんな年齢層で、性別で、そして何を買ったかという情報は、匿名化はされますが、ビッグデータとして流通しているといわれています。でも、それがあるから、ポイント還元の恩恵も得られるといえるわけですが」(消費生活アドバイザー・丸山晴美さん)
安全対策などは別の機会にしっかり考えるとして、そうしたことを頭の隅に置きつつ、では、ビギナーなら何から始めたらいいのでしょうか。
「まずは、お得なキャンペーンに乗かってみて、お得を実感しながら慣れてみるといいでしょう。その後、自分に合ったものだけ残していく。見極める基準としては、家や職場の周辺など自分がいちばん買い物をする場所で便利に使えるもの、でしょうか。それから、自分が好きなブランドを選んで、そこに利用を集中させていくのも、一案。LINEをいつも使っていてなじみがあるし好きだから、という理由でLINE Payを使うのでもいいと思います」(高橋さん)
次回からは、使い手のタイプ別にどんなコード決済が合っているのか、どんな使い方がいいのか、考えていきます。
●キャッシュレス決済のススメ(過去の記事より)
https://domani.shogakukan.co.jp/217603
●ポイント還元制度について(政府広報室)
https://www.gov-online.go.jp/cam/shouhizei/cashless/
南 ゆかり
フリーエディター・ライター。半年にわたって取材・執筆した書籍『真夏も雪の日もかき氷おかわり!』発売中! ほかに書籍『今の私は』(後藤真希・著)、Oggi誌面インタビュー連載「この人に今、これが聞きたい!」「お金に困らない女になる!」などなど。