【目次】
・赤ちゃんと枕の関係について
・枕の役割とは
・商品選びのポイントとは
赤ちゃんと枕の関係について
新生児に枕は必要なのでしょうか。さまざまな不安がつきまとう新生児の育児を考えるにあたり、赤ちゃんと枕の関係についても理解を深めておきましょう。
新生児には枕はいらない?
一般的に、新生児に枕は不要だと言われています。新生児の背骨の形が大人とは異なる形であることが、理由の一つとして挙げられます。新生児の背骨の形は、ママのお腹の中にいるときと同じC字型です。それに対して、大人の背骨は、歩くときの衝撃を和らげるために、S字型になっています。
S字型の背骨をもつ大人の睡眠姿勢を整えることが、枕のもつ役割の一つです。したがって、背骨がC字型である新生児にとって、枕は不要と考えられているのです。また、枕を使うことで、新生児の窒息や乳幼児突然死症候群のリスクが高まることも指摘されています。新生児期の枕の使用は、むしろ避けましょう。
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枕を使うのは首が座る頃から
新生児は、一般的に生後3カ月頃から首が座り始め、同時に背骨がC字型の状態から徐々に反っていきます。枕を使うのであれば、この頃から始めましょう。ただし、大人と同じような体型になるまでには、まだまだ時間がかかります。枕を使う場合でも、周りの大人が様子を見ながら、使うタイミングを見計らってあげましょう。
なお、子どもの背骨が大人と同じような形状になるのは、10歳前後だといわれています。それまでは、枕の高さを低くするなどして、子どもの負担を軽くすることも重要です。
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枕の役割とは
現在販売されている新生児用の枕は、いくつかの目的をもって作られています。主な役割を確認しておきましょう。
”絶壁”や向き癖が気になるときに
新生児は常に寝ている状態です。頭の一部分に圧力がかかり、形が変形することを心配し、新生児に枕の使用を考える場合もでてきます。基本的に、赤ちゃんの頭の形が変形する理由は、生まれる前や出産時の影響による先天的なものと、寝るときの向きや頭の位置などによる後天的なものに分かれるといわれます。これらの場合は、首が座るようになると、ほとんどの場合は自然に改善していくため、あまり心配する必要はありません。
寝ている赤ちゃんの向きを変えて、変形を防ぐ方法もありますが、実際の育児の現場ではなかなか難しく、毎回変えてあげるのが簡単ではありません。どうしても気になる場合は、真ん中に穴やくぼみが開いている、ドーナツ型の新生児用枕を使う手もあります。
吐き戻しを防ぐ
首が座る頃まで、新生児はよく吐き戻しをします。胃が逆流しやすい形になっていることや、常に寝た状態であることなどが主な原因です。成長するにつれて、徐々に吐き戻しの回数は減っていきますが、嘔吐物が喉に詰まるリスクもないわけではありません。ゲップをしないまま寝てしまったときなども、吐き戻しを起こしやすい状態です。
新生児用の枕には、吐き戻しを防ぐために、傾斜がついているものがあります。少し上体を起こすことにより、逆流を抑える働きが期待できます。生まれた直後から使用できるものもあるため、気になる場合は購入を検討してみましょう。
寝ハゲを防止する
いわゆる“絶壁あたま”や向き癖による変形と同様、寝ハゲもママが心配することの一つです。特に、首を動かすようになると、多くの新生児に寝ハゲができます。このまま髪が生えてこないのではないかと不安になるママも多いようですが、ほとんどの場合、しばらくすると自然に目立たなくなります。発育に悪影響を及ぼすこともありません。
しかし、寝ハゲ自体が嫌だというママもいます。ドーナツ型の枕なら、頭への圧力を分散してくれるため、寝ハゲができにくくなる効果も期待できます。寝ハゲは新生児期だけでなく、生後半年ごろまで見られやすい現象です。月齢が進めば、使える枕も増えてくるため、赤ちゃんの様子に合わせて商品を探してみましょう。
商品選びのポイントとは
新生児用の枕を選ぶ際に気を付けるべき点を解説します。購入するときの参考にしましょう。
ふかふか枕は危険
寝返りを始めたばかりの赤ちゃんは、寝返りをうったあと、自分で体勢を戻せません。寝返りしたときに、枕に顔が埋もれてしまうと、事故につながる可能性があります。特に、ふかふかした枕は、顔が埋もれやすく危険です。赤ちゃんにできるだけ気持ちよく寝てもらいたいとの思いで、やわらかい枕を選ぶのは避けましょう。
0歳児の死亡原因の大半が窒息死という調査データもあります。しかも、顔が埋もれてから数分で死に至るケースもあるようです。販売されている新生児用枕の多くは、事故が起こりにくいように素材も考慮されていますが、購入する際はあらためてチェックするようにしましょう。
(参考:子供の事故防止関連「人口動態調査」 調査票分析 1.子供の死亡事故の現状|消費者庁)
丸洗いできるものがおすすめ
赤ちゃんの身の回りで使うものは、寝汗や皮脂、吐き戻しなどで、頻繁に汚れます。常に清潔な状態が保てるよう、お手入れしやすい商品を選びましょう。簡単に外せるタイプの枕カバーなら、楽に洗濯できます。可能ならば、中身まで一緒に丸洗いできるものがおすすめです。毎日洗濯ができるよう、洗った後にすぐ乾く商品を選ぶこともポイントです。
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写真/(C)Shutterstock.com
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