収穫のお祝いを意味する栗ごはん
昔から重陽の節句には、栗ごはんで収穫を祝う習わしがありました。重陽の節句が「栗の節句」ともよばれるのはこのためです。
そもそも重陽の節句にあたる旧暦の9月初旬は、庶民にとっては収穫の時期にあたります。農村などではちょうど収穫祭が行われていました。
そのため、重陽の節句でも秋の味覚の代表である栗を食べて収穫のお祝いをする風習が定着したのです。重陽の節句の食事は、ぜひおいしい栗ごはんを用意してはいかがでしょうか。
茄子を使った料理
栗と並んで食されるのが「秋茄子」です。重陽の節句では、煮びたしや焼き茄子が定番のメニューとされていました。
古来より「9がつく日になすを食べると中風(ちゅうふう/ちゅうぶ)にならない」などといわれます。中風とは、現在では脳卒中の後遺症を指す言葉ですが、ここではなんとなく感じる体の不調を意味します。
夏が終わって季節が変わると、なにかと体調を崩す人が増えてきます。ぜひこの風習にならい、メニューに茄子を取り入れてみては。
【目次】
ティータイム、食卓で季節を味わう
家族で重陽の節句を楽しむ方法としては、「ティータイムのメニューにこだわる」「テーブルコーディネートを変えてみる」などの方法もあります。準備するときは子どもにもお手伝いしてもらい、重陽の節句のあれこれについて詳しく聞かせてあげましょう。
目と舌で楽しめる、重陽の節句おすすめの過ごし方を紹介します。
栗や菊モチーフの和菓子を用意して
重陽の節句のおやつやデザートは、節句を象徴する栗や菊をかたどった和菓子がおすすめです。見た目がかわいらしいのでテーブルに置いても見栄えがするうえ、子どもの興味をひきつけやすくなります。
重陽の節句のころになるとさまざまなお店から限定品が発売されます。事前にホームページやお店のチラシなどチェックして、目星をつけておきましょう。
テーブルコーディネートにこだわって
重陽の節句は、テーブルコーディネートにも「秋」を意識してみては。
テーブルの上をブラウンやベージュなどで統一したり菊の花をセッティングしたりするだけで、いつもと違う重陽の節句らしい食卓になります。こうした「特別感」は子どものワクワク感を引き出すうえでとても重要です。親にとっては少し手間がかかるかもしれませんが、ちょっとだけでも意識してセッティングしてみてはいかがでしょうか。
菊に見立てた器を並べると、より一層雰囲気が盛り上がります。菊が描かれた湯飲みや茶碗、菊の花びらをかたどったお皿などバリエーションは豊富です。おいしい料理がさらに見栄えよくなるものを選びましょう。
テーブルや器が変わるだけでも、重陽の節句らしい「家族団らんのひととき」となるはずです。
写真/Shutterstock.com
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