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あなたは親孝行できてますか?
自分が親になって初めて親のありがたみに気付けた、という人は多いのではないでしょうか。とはいえ、家事や仕事に忙しくしていると、なかなか「親孝行」をするのは難しいもの。実際のところ世間の人々はどんなタイミングや頻度で親孝行をしているのでしょうか。親孝行の実態について見ていきましょう。
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できている人は少数派
株式会社「フェリシモ」が運営する「フェリシモ モノコトづくりラボ」が行った「親孝行&母の日について」のWeb調査(2017年)によると、「親孝行できている」と答えた人は全体の2割程度に留まることが分かりました。家庭を持っていれば、自身の家族や仕事が優先されてしまうものです。「申し訳ない」と思いつつも、離れて暮らしていると後回しになってしまうのかもしれません。
出典:“親孝行&母の日について”のアンケート | 株式会社フェリシモ『フェリシモ モノコトづくりラボ』調べ
ほとんどの人がしたいと思っている
さらにこの調査では「親孝行したいか」という質問に対し約8割強の人が「したい」と答えており、1割未満の人が「あまり思わない・まったく思わない」という回答になっています。「親孝行をしたいとは感じているけれど、できていない」という人が多いようです。親孝行できない理由は人それぞれですが、「したくてもできない」という点では共通しています。子どもを持つワーママとしては、共感できる部分が多いのではないでしょうか。
なかなか親孝行ができない理由
紹介したように、「親孝行したいけれどできない」と考えている人は少なくありません。親孝行したいのにできない、その理由とはどのようなものなのでしょうか。
時間がない・都合が合わない
自由になる時間が少ない場合、親のところへ行ったりゆっくり連絡を取り合うのも難しくなるもの。「食事しよう」と思っても、スケジュールの空きがなければ簡単な食事会さえ開けません。
バリバリ働いている人は、仕事と家庭に全ての時間を奪われがちです。子どもがいれば子どもにかける時間も必要となり、離れて暮らす親に尽くす時間がなかなか取れません。心では「親はどうしているだろう」と思いつつも、親孝行が後回しになってしまうのです。また、子ども世代だけではなく、親世代も忙しいのが現状です。近年は、定年退職後に仕事をする人もいます。「子どもや自分の都合がよくても親の都合が悪い」というケースもあり、お互いの都合が合わないという人も多そうです。
遠くに住んでいるから
実家が遠方にある場合、会いに行くだけでも時間・コストがかかります。特に飛行機や新幹線を使わなければならないような距離の場合、移動だけで多くの時間を取られるのは間違いありません。帰省には余裕を持ったスケジュールが必要となるため、家族の予定を合わせるだけでも一苦労です。また、せっかく遠方に帰省するのですから、「少しでも長く滞在しよう」と考える人が多いのではないでしょうか。
しかし、長期休暇の時期は1年の中でも限られます。人の移動が集中するため、子連れでの移動は大変な労力を使います。親に子どもを会わせたいと思う反面、移動の大変さから二の足を踏んでしまう人も少なくないようです。
何をすればいいか分からない
「具体的に何をすればいいのかが分からない」という人も多いのではないでしょうか。一緒に暮らす子どもの好みは理解できていても、離れて暮らしているうえに、現在の親の好みを把握するのは難しいものです。好みがわからないなら聞けばよいのですが、「これをちょうだい」「あれをして」と子どもにねだる親は少ないのではないでしょうか。「何でもいいよ」「気を遣わなくていいよ」ですまされてしまえば、ますます何をすればよいか分からなくなります。
親孝行ができていない人でも、父の日・母の日はお祝いをしているようです。にもかかわらず「親孝行できていない」と感じるのは、物を贈っているだけで「親を喜ばせている」という自信が持てないためかもしれません。
すぐにできる親孝行とは?
「親孝行」というとやや大げさな響きですが、実は、「何かすごいことをしなければならない」というわけではありません。普段のちょっとした行動でも親をうれしい気持ちにさせることはできるはずです。「親孝行したい」と感じているなら、今すぐできる気軽な親孝行から取り組んでみましょう。
感謝の気持ちを言葉にする
親子という関係は近すぎて、感謝の気持ちを言葉にするのが照れくさく感じるものです。普段何かしてもらっても、軽い「ありがとう」ですませている人は多いのではないでしょうか。そんな人は、ぜひ感謝の気持ちをきちんと親に伝えましょう。「いつも助けてくれて感謝している」「親がいるからとても助かっている」など、はっきりと「ありがとう」の気持ちを言葉にするのです。どんな人でも真剣に「ありがとう」と言われればうれしい気分になります。ましてやそれが子どもからの言葉なら、なおさらです。親としてはどんな言葉にも代えがたく、心に響く言葉となるに違いありません。
食事に誘う
おいしい食事に親を誘うのも、立派な親孝行です。忙しくてなかなかタイミングを合わせられない場合は、親の結婚記念日や誕生日といった「特別な記念日」に予定を立てるのはいかがでしょうか。前もって「この日」と決めておけば、みんなのタイミングも合わせやすいはずです。「子どもが記念日を祝ってくれる」という期待から、親も待ち遠しく感じてくれるに違いありません。事前に親の希望や好きなお店などをチェックして、早めに予約しておきましょう。家族水入らずでゆっくり話すなら、個室のあるお店がおすすめです。
思い出を写真に撮る
親と一緒に写真を撮ることは、思い出作りにもなります。「近頃親と一緒に写真を撮っていないな」と感じる人は、親と写真撮影をするのもおすすめです。家庭を持つと子どもやパートナーとの写真が増える一方で、親との写真はなかなか増えません。言葉には出さなくても、それを寂しく思っている親たちも多いのではないでしょうか。
近年はスマホなどで簡単に写真撮影できます。実家に帰った時や食事をしたときなど、会えた時のタイミングでシャッターを切りましょう。データをスマホに送ってあげれば、いつでもどこでも楽しい家族写真が見られます。また、より特別感を出すなら、写真をきれいなアルバムにして送るのもよいですね。
こんな行動も親孝行に
「親孝行できない」と感じている人は、「何か普段とは違う特別な行動をするのが親孝行」と思っているのかもしれません。しかし、親孝行は特に時間やお金をかけなくても十分にできます。「どんなことをしたら親は喜んでくれるか」を考えながら行動してみましょう。ささいなことだけれど、親が喜んでくれそうな「親孝行」の仕方を紹介します。
会う回数を増やす
実家から離れて暮らしている場合、元気な顔を見せてあげるのが何よりの親孝行になります。「忙しくて年に1回か2回しか帰省していない…」という人は、もう少し頻度を上げて親に顔を見せに行きましょう。親は、子どもと一緒に過ごせる時間が何よりもうれしいはずです。特別な手土産などなくても、孫を連れて帰るだけでも素敵な親孝行の一つです。
定期的に連絡をする
もしも遠距離に住んでいて帰省の頻度を上げるのが難しい場合は、電話やメールでのやりとりを増やすのもおすすめです。いくつになっても、親は子どものことを気にかけています。定期的に連絡が来るだけでも安心し、うれしく感じます。話す内容は、仕事や子どものことなど、ごく日常的なことで構いません。あなたが親を気にかけ、つながりを保とうとしていることが伝わればよいのです。近年はテレビ電話も簡単にできますから、お互いに元気な様子を確認し合うのは難しくありません。スマホに無料通話アプリなどをダウンロードしておけば、通話料を気にせずすむので是非試してみては。
幸せでいることが1番の親孝行?
あなたが幸せで「地に足の付いた生活をしていること」、それ自体が親孝行です。子どもは親に対し「何かするのが親孝行」と思ってしまいがちです。しかし、親たちの多くは「子どもが元気で幸せに暮らしてくれればよい」と考えています。特別なプレゼントや気遣いはうれしいけれど、それはオマケのようなものに過ぎません。親にとって一番大切なのは、子どもが健康で充実した生活を送っていると実感できることなのです。本当に「親孝行したい」と考えるなら、まずは親に恥じるところのない自分でいましょう。そしてたまには食事をしたり旅行に行ったりして、円満な関係を途切れさせないように努めてくださいね。
親孝行におすすめのタイミング
親孝行をしたいとき、どのようなタイミングを選ぶとスムーズなのでしょうか。「どうやって親孝行をしよう?」と考えている人は「いつ親孝行をするのがいいのか」についても考慮してみることをおすすめします。親孝行におすすめのタイミングを紹介します。
誕生日などのイベント
最も親孝行しやすいタイミングといえるのが、親の誕生日や父の日・母の日です。まず誕生日はとてもパーソナルなイベントです。父、母それぞれへの「おめでとう」をダイレクトに伝えられるため、本人も喜んでくれるに違いありません。食事会を開く、家に招待するなど、お祝い方法はさまざまあります。プレゼントやケーキなどを用意してお祝いしましょう。
一方、父の日・母の日は世間に広く認知されたイベントです。この時期はそこかしこに「父の日・母の日コーナー」が設置され、日本中にお祝いムードが漂います。親孝行したい人にとってこのムードはチャンスです。プレゼントをあげる、食事会を開くなど、どんなことでもきっと喜んでくれます。
したいと思ったときに行動を
最も望ましいタイミングは「親孝行したいと思ったとき」です。親孝行をしたいと感じているなら、今すぐ実行しましょう。「孝行したいときに親はなし」「石に布団は着せられず」ということわざを耳にしたことはありませんか?これは、後で親孝行しようと思っていても、その頃には親がいないかもしれないということを示しています。親孝行に「やりすぎ」はありません。「あのとき親孝行をしておけばよかった」と後悔せずにすむよう、思ったときに行動しましょう。
プレゼントを贈りたい時の相場って?
誕生日や父の日・母の日などは、プレゼントで親孝行の気持ちを表すと喜ばれそうです。しかしこのとき気になるのが、「プレゼントの金額はいくらくらいにすればよいのか」ではないでしょうか。親に贈るプレゼント金額の相場や、金額の考え方について紹介します。
年間で1~2万円程度
親へのプレゼント金額の相場は、1~2万円程度といわれます。ただし、金額は贈り主の年齢や生活環境によって異なり、あくまでも目安です。一般的には、安定した収入がない学生や社会人になりたての人はプレゼントの相場が低いイメージです。年齢が上がると、社会的な地位も上がる場合が多く収入も増えるため、「親にはより実用的で価値の高いものを贈って上げたい」と思うのは当然かもしれません。
金額よりも気持ちが大切
相場のお話をしましたが、親へのプレゼントで金額についてそこまで気にする必要はありません。親は子どもが贈ってくれるものなら、どんなものでもうれしいと感じるものです。金額にこだわらず、親が好きそうなものや思い出のある品物など、心を込めて選んだものが一番のプレゼントです。
結婚して家庭を持っている場合、高価なプレゼントは逆に親を不安にさせてしまうかもしれません。親に「こんなにお金を使って大丈夫?」「子どものために使った方がよかったのでは?」などと逆に気を遣わせてしまっては本末転倒です。プレゼントに奮発をするのなら何か特別なイベントの時ぐらいに留めて、それ以外はお金や物の質よりも気持ちを込めた贈り物を選ぶと親も喜んでくれるはずです。
プレゼントで親孝行をするなら
親孝行の一つとしてプレゼントを贈るなら、喜んでもらえたり印象に残ったりするものを選びたいですよね。これから親孝行のプレゼントを選ぶ予定の人に、おすすめのプレゼントやアイデアを紹介します。親の好みや趣味などを思い浮かべながらチェックしてみましょう。
定番のフラワーギフト
華やかなお花は、プレゼントの定番です。ただし、一口にお花といっても、花束、鉢植え、加工すみのプリザーブドフラワーなど、さまざまな種類があります。贈り物としての華やかさを重視するなら、明るく大ぶりな花束がおすすめです。一方、園芸が趣味の親なら、珍しい鉢植えなども喜ばれるかもしれません。また、普段忙しくしている親なら手入れが大変なお花は避けた方が良さそう。お手入れ不要のプリザーブドフラワーを贈って長く楽しんでもらいましょう。お花はお祝いムードを一気に高めてくれます。「贈りたいものがわからない」と焦ったときなどにおすすめです。
グルメやスイーツ
グルメな親なら、おいしいものを取り寄せて贈っても喜ばれそうですね。誕生日や記念日が近いなら親の好みに合わせて、いつもより「ちょっとよいもの」を贈ってあげてはいかがでしょうか。特に見栄えのする贈り物としては、ブランド牛やカニなどがおすすめです。ただし、量が多すぎても負担となるので、適量をよく考えて贈りましょう。また、甘い物に目がない親ならスイーツも華やかな贈り物です。人気店や有名店のサイトなどをチェックすると、ギフトにぴったりな詰め合わせが見つかるかもしれません。
親の好きなもの・趣味のグッズ
親の好みに合うものや趣味に使えるグッズは、実用性が高く出番が多そうです。使い勝手のよいプレゼントを贈れば、「自分のことをよく分かってくれている」と、親もうれしく思うに違いありません。ただし、親を喜ばせるには、親の好きなものや趣味をきちんと把握しておくことが必要です。「実家にいたときはこれが好きだったはず」というのを根拠にプレゼントを選ぶのは、情報が古すぎるかもしれません。きちんと親の「今」をリサーチして、外さないものを贈りましょう。
心のこもった手紙
プレゼントには、心のこもった手紙を付けるのもおすすめです。今の時代はLINEやメールですんでしまうご時世ですが、自筆の手紙は書き手の思いが伝わりやすいもの。我が子からの手紙をうれしく思わない親はいないので、より一層、印象的なプレゼントにしてくれるはずです。つづる文章は「いつもありがとう」「体を大切に」など、短い文章で構いません。親孝行の気持ちを込めて、丁寧に文字を記しましょう。また、思いついたときにはがきを送るのもいいですね。今は季節に合った切手も多く販売されているので、気に入ったデザインのはがきに近況をさらっとしたためて送るのも特別感があっておすすめです。
一緒に家族旅行へ
親に非日常を味わってもらうなら、旅行のプレゼントもおすすめです。前もって伝えておけば、子どもや孫との旅行の日を指折り数えて待っていてくれるのではないでしょうか。アクティブで旅慣れた親なら海外旅行もよいですが、そうでない場合はのんびりできる国内の温泉地などがおすすめです。親子水入らずでお湯に浸かり、おいしい料理を食べる…、これだけで立派な親孝行になるでしょう。
メイン・アイキャッチ画像:(C)Adobe Stock
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