正念場の冬を乗り切るために~教えて!温活ドクター!
新しい生活様式が始まってから初めての冬。コロナウイルスはもとより、インフルエンザなど、活発になるウイルスから身を守るための対策として「免疫力の強化」が注目されています。年末からの感染者数増加を見てもわかるように、なぜ冬場になると免疫力が下がり、感染症が流行しやすくなるのでしょうか?その理由と対策を、温活ドクター・イシハラクリニック副院長の石原新菜先生に伺いました。
呼吸すら危なかった…!?冬に免疫力が低下する原因とは?
『冬に免疫力が低下してしまう原因は、ズバリ”寒さと乾燥”です。気温の低下で冷たくなった空気が肺に入ると、肺の免疫力が低下してしまいます。また、目、鼻、口、気管支、肺などの粘液には、「IgA抗体」という免疫物質が含まれており、様々な感染症から私たちを守ってくれていますが、空気が乾燥して粘液が減ると免疫物質も減少し、更には粘液というワンクッションがなくなるため、ウイルスがダイレクトに細胞に入ってしまうのです。』
寒さに負けない免疫力アップのカギは「温活」
『免疫力アップのために大切なのは「温活」で体温を上げることです!体温が1℃上がると、免疫力が30%アップすると言われています。風邪などで熱が出るのは、体温を上げて免疫細胞(白血球)の働きをよくするため。体温が上がると血液の流れがよくなり、この免疫細胞の働きが活性化されて免疫力が高まるのです。具体的な対策としては、「頭寒足熱ファッション」と「一日一汗(いちにちひとあせ)」がおススメです。』
対策1:「頭寒足熱ファッション」
『「頭寒足熱ファッション」は、下半身をとにかくしっかり温めること。腹巻、スパッツ、レッグウォーマー、あたたかい靴下などを着用し、上半身は暖房や上着で調整できるようにして下さい。
女性にとって大切な臓器、子宮や卵巣は下半身にあるので、下半身を温めて体のめぐりと臓器の働きを促しましょう。そのなかでも腸は最大の免疫器官と言われており、全身の免疫細胞の7割が腸に存在しているので、温めて働きを良くすることが大切です。腸内の善玉菌が増えると、免疫細胞が刺激され、免疫力アップに繋がります。腸内環境を整えることも意識しましょう。
また、3首といわれる「首、手首、足首」の部分もしっかり温めることが大事。ここは脂肪が少なく熱が逃げやすいためです。東洋医学では、首から「風邪(ふうじゃ)」という冷たいものが入ってきて風邪を引くといわれています。温かい靴下やレッグウォーマーを常備し、外に出るときには必ずマフラーや手袋などの着用も忘れずに。』
対策2:「一日一汗(いちにちひとあせ)」
『運動や入浴で汗をかくと一時的に体温が上がった状態になり、免疫細胞の活動が5~6倍になるといわれています。この状態は1~2時間しか続きませんが、この間に免疫細胞が一気にウイルスやバイ菌などと戦ってくれます。
また、入浴はお風呂で湯気を吸って”粘膜を潤わせる“時間でもあります。気道、気管支、気管、鼻腔などに、異物の排出機能を持つ繊毛細胞がありますが、粘膜が潤うとその働きが良くなり、吸ってしまったホコリやウイルスが細胞に入る前に外に押し出してくれるのです。運動でも入浴でも、1日1度は汗をかいて、ウイルスに負けない体を作りましょう。』
番外編 食事でも出来る「温活」
また、日々の食事でも温活を心がけているという石原先生。
『私は風邪気味の時には、味噌汁に生姜やネギを沢山入れていただきます。発熱してしまう前に、体を温めて免疫力を上げるためです。また、冬の鍋料理はとても理にかなっており、温活におススメです。例えば、にんじんには「IgA抗体」を作るビタミンAに変化するβカロテンが含まれ、ネギはアリシンという辛味成分が免疫細胞を刺激して血行を促進、きのこ類には免疫力を高めるビタミンDが豊富、白菜、キャベツもビタミンC、食物繊維が豊富で腸内環境もよくなる…と、それぞれの食材が免疫アップ食材で、さらに食物繊維が善玉菌を増やしてくれます。そこに、にんにくや生姜を加えると、もっと効果アップが期待できますよ』
ネットで買える”足をあたためる”あったかアイテム
石原先生もおススメの『頭寒足熱ファッション』。レッグウェア専業メーカーの岡本では、公式オンラインショップにて、あったかアイテム特集を展開中。大人気のフットカバー「脱げないココピタ」レディースあったか素材(超深履き)、”足もとから、ちょっといいこと”がコンセプト「靴下サプリ」シリーズの「まるでこたつ足首ウォーマー」「す~っとおやすみ ぬくもりソックス」、大人の女性にこそ試してほしいインナースパッツ「くろぱん 素肌ごこち」など、温活に最適なアイテムが揃います。
▲「脱げないココピタ」レディースあったか素材(超深履き) 3足組 1,100円(税込)
▲「靴下サプリ」すーっとおやすみ ぬくもりソックス 2,860円(税込)
『今はコロナやインフルエンザにかかってしまうのが怖いと思っている方が多いと思いますが、もしかかってしまってもひどくならないための免疫力、体力をつけることが大切です』と語ってくれた石原先生。温活は生活習慣病や、この先の病気の対策にもつながる”健康の基本“になるとも仰っていました。もしかすると、私たちの身体は思いもよらず冷えているのかもしれません。衣類の改善・運動・食事…ひとつからでも大丈夫です。自分や大事な人の未来のためにも、今日から温活、始めてみませんか。
おしえてくれた人
石原新菜 先生
イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ講師
医学生の頃から自然医学の泰斗で医学博士の父、石原結實と共にメキシコや英国の病院などを視察し、自然医学の基礎を養う。現在は父の経営するクリニックで漢方薬処方を中心とする診療を行うかたわら、テレビ・ラジオへの出演や、執筆、講演活動なども積極的に行い、「腹巻」や「生姜」などによる美容と健康増進の効果を広めることに尽力している。二児の母、また女性としての視点からアドバイスにも定評がある。著書に13万部を超えるベストセラーとなった「病気にならない蒸しショウガ健康法」(アスコム)、「一週間で体が変わる『温め美人』生活」等、約40冊がある。テレビ東京「主治医が見つかる診療所」レギュラー出演。 https://kenkosommelier.jp/
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