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LIFESTYLE 夫婦

2024.07.29

「別居したいとき」事前に準備すべきこととは? 別居中の生活費はどうする?【専門家監修】

別居するデメリット1:関係の修復がしずらくなる

別居すると、お互いの心の距離も離れることから、関係の修復が難しくなるというデメリットがあります。「冷却期間を設けて、最終的に関係を修復したい」と考えている場合は、ただ別居をするだけでなく、時々面会して話す、今後の関係について話し合うなどの工夫が必要になるかもしれません。

離婚する家族

(c)AdobeStock

別居するデメリット2:子どもへの負担が大きくなる

もし別居をして、離れた場所に住む場合には子どもが転校しなければなりません。両親の別居したことによる精神的なショックの他にも、学校や友人関係の変化にも対応しなければならないため、大変な思いをすることもあるでしょう。

DVなど子どもに被害が及ぶ可能性がない場合には、同じ学区内の住まいを探すなど別居後の住居についてもあらかじめ考えておく必要がありますね。

別居するデメリット3:慰謝料を請求させる可能性も?

パートナーが別居に反対しているにもかかわらず、一方的に別居した場合、慰謝料を請求される可能性があります。もし裁判所に、別居が悪質だと判断された場合には有責配偶者となり、こちらが慰謝料を支払わなければならなくなるのです。

ただし、パートナーによる暴力や生活費を支払わないなどの事情がある場合には、慰謝料を支払わなくてもいいと判断されるケースもあります。別居が理由でパートナーとの関係性が拗れてしまわないよう、別居をする際はお互いによく話し合って決めてくださいね。

別居に向けてやるべきことは?

スムーズに別居するためには、どのようなことをしなければいけないのでしょうか? 大切なポイントを3つ紹介します。

住む場所と持ち物の準備

はじめに住む場所を確保する必要があります。まずは実家に帰るという方法や、難しい場合は賃貸で住む場所を探さなければなりません。アパートやマンションを借りるには、ある程度まとまったお金が掛かるため、資金の準備も必要です。

持ち物については、衣類などの他にも身分証明書・資産・貴重品など。このとき、気をつけたいのは相手の承諾なく資産を持ち出すこと。共同生活で得た物に関しては、共有資産と考えられるため、トラブルの原因になるでしょう。

相手の財産を把握する

離婚に至った場合は「財産分与」がありますので、相手の財産を把握しておくことが大切です。別居後は確認が難しくなるため、あらかじめ調べておくようにしましょう。具体的には、給与明細・源泉徴収・預貯金・住宅ローン・生命保険などです。

婚姻中に得た財産に関しては、専業主婦であったとしても財産分与の対象とされます。家事をして貢献したことが認められ、一般的に50%が妻に渡ります。

子どもの教育環境を整える

子どもを連れて家を出る場合は、転園や転校の手続きが必要です。通常、役所に転居届を提出するときに、転校の手続きに必要な書類を渡されることが多いようです。スムーズに転園や転校を済ませるために、できれば時間的に余裕がある春休みや夏休みなどに合わせて手続きをするのがよいでしょう。

自分のことだけでも大変な時期ですが、子どもの環境も別居に加えて転園や転校と生活が大きく変化します。仲の良かった友人たちと離ればなれになるだけでも辛いものです。なるべく負担が掛からないように、精神面でのケアを怠らないようにいたいですね。

別居後にすべきこと

別居後にするべきこととしては、「転居届や住民票の異動などの手続き」「パートナーとの面会交流」「パートナーとの今後について考える」ことが挙げられます。それぞれ詳しくみていきましょう。

離婚調停

(c)AdobeStock

住民票を異動する

もし離婚を前提とした長期の別居の場合は、住民票を異動するなどの手続きをする必要が出てきますよね。

人によってはDVを受ける可能性があることから、パートナーに新しい住所を知られたくないというケースもあるでしょう。そのような場合には、引越し先の役所で住民票の閲覧を制限する手続きをすることができます。新しい暮らしの安全性を確保する制度を利用してみてください。

面会交流をする

「面会交流」とは、別居をして子どもに会えない親と子どもが定期的に会って話したり、電話で話をしたりするなどして交流をとることです。親によっては、パートナーとの関係はギクシャクしているけれど、子どもに対して愛情があり「別居後に、子どもに会えないのが辛い」と感じる人もいるでしょう。

また、子どもにとっても両親との交流を持つことが、心の安定につながることもあります。面会交流の内容やどのくらいの頻度で会うかなどは、パートナーとの話し合いによって決められます。もし、話し合いが難しい場合は、家庭裁判所での調停や審判を通じて具体的な内容や頻度を決めることができますよ。家庭裁判所に相談することで、公正かつスムーズに面会交流を進めることができます。

パートナーとの今後の関係について考える

パートナーと別居して距離を置いたことで、二人の関係を今後どうしたいのかを考えてみましょう。今まで同じ家に住み、一緒に食事をとり、毎日顔を合わせていた環境から、別の家に住み、生活を共にしなくなったことで、冷静に考える時間が得られるはずです。

顔を合わせたら喧嘩ばかりするけれど、いなくなったら寂しい」と感じるのか、それとも「一緒に生活する息苦しさから解放されて、せいせいした」と感じるのかによって、パートナーとの関係を修復するのか離婚を選ぶのか、選択肢が変わってくるでしょう。

また、最終的な決断をするのは自分自身ですが、渦中にある時は視野が狭くなりがち。パートナーとの今後の関係について考える時には、信頼できる人の意見を聞くことも有効です。離婚カウンセリングや法律相談も検討すると、より客観的なアドバイスを受けることができます。

別居中の生活費に悩んだら

生活していくには、現実問題としてお金が必要ですよね。生活費についても事前に把握しておきましょう。

婚姻費用を請求する

別居すると自分の収入のみで生活しなければならないと思いがちですが、パートナーに対して「婚姻費用」を請求することができますよ。具体的には、衣食住に関わる費用・医療費・教育費などが含まれます。請求額は、年収や子どもの人数・年齢などによって変わります。

ただし、相手がなかなか費用を支払わない場合には、調停を起こす必要があります。調停を起こす際には、戸籍・源泉徴収票・所得証明書など、必要書類を準備しておきましょう。調停が成立しない場合には、家庭裁判所が最終的に判断します。調停を起こしたときまで遡って請求することができるので、状況に応じて早めに調停を起こすと安心です。

不貞行為があった場合は、慰謝料請求も視野に

相手の不貞行為が別居の原因になった場合、慰謝料を請求できます。ただし、相手が不貞を認めるか、決定的証拠が必要です。慰謝料請求ができるかどうかは、別居期間や夫婦関係が続いているかどうかにも影響します。

具体的な証拠としては、メールや写真、証言などが有効です。ただし、長期間別居していたり、最低限のコミュニケーションしかとっていない場合、夫婦関係が破綻しているとみなされ、請求できない可能性も…。離婚調停中でも、証拠がそろっていることが重要です。

児童手当を受給できる

離婚調停中などで、別居をしている場合には、児童と同居をしている親に優先して「児童手当」が支払われます。これは中学校卒業までの児童を養育している人が対象で、子どもの年齢によって、月に支払われる金額が変わります。

別居後すぐに住民票の異動など必要な手続きを行いましょう。児童手当の受給手続きについては、住民票を異動する際に役所で詳細を確認し、必要書類を提出してください。

最後に

今まで共に生活をしていたパートナーと別居をするのは、大きな決断です。パートナーとの話し合いを十分しないまま、別居をしてしまうとのちのちトラブルになる可能性もあります。別居したいと思ったときには、メリットやデメリット、そして別居後の生活についてよく考えた上で、自分や家族が幸せになる道を選びたいですね。

TOP画像/(c) Adobe Stock

監修:キャリアコーチ菊池啓子

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