ご承諾ください
「承諾」の意味は「聞き入れること、引き受けること」で、依頼を意味する丁寧語「ください」が添えられていることから、自分の要求を受け入れてもらいたい場合に使われる言葉です。
「承諾」とかしこまった言葉を用いていますが、これも目上の人にはおすすめできません。もしも使う場合には、「ご承諾くださいますようお願い申し上げます」や「ご承諾いただけましたら幸いです」などと尊敬語を交えながら使いましょう。
【例文】契約内容変更に伴う手続きにご承諾くださいますようお願い申し上げます。
ご理解ください
「ご理解ください」は相手の理解を求めるときに使う言葉のため、「ご了承ください」とほとんど同じ意味だといえるでしょう。
ただし、両者は微妙にニュアンスが異なります。「ご了承ください」はこれまでにもご説明してきたように、「こちらの事情を理解・納得して受け入れてほしい」といった意味合いが含まれているのに対して、「ご理解ください」はただ単に「わかってほしい」という場合に使われることが多いでしょう。
【例文】お役に立てずに大変申し訳ございませんが、あしからずご理解ください。
【ご了承ください】の使い方
目上の人には使えない「ご了承ください」ですが、ビジネスシーンではよく耳にしますよね。ここでは、「ご了承ください」の使い方を例文でご紹介します。
あらかじめご了承ください
「あらかじめ」の意味は、「事前に」です。「事前に理解しておいてくださいね」という意味で、「あらかじめご了承ください」を使用します。
・こちらのアトラクションは年齢制限があります。あらかじめご了承ください。
・当病院の駐車場は3時間までは無料ですが、それ以降は有料とさせていただきます。あらかじめご了承ください。
宜しくご了承ください
「ご了承ください」の最初に、「宜しく」をつけることも少なくありません。「宜しく」には「適宜、良いように」などの意味が含まれているため、「こちらの事情に合わせて理解してください」といった場合に使用します。
・当店は毎週火曜日と水曜日は休日をいただいておりますので、宜しくご了承ください。
・来週は有給休暇を取得させていただきますので、どうぞ宜しくご了承ください。
ご了承くださいませ
語尾に「ませ」をプラスした「ご了承くださいませ」は、ただ「ご了承ください」と述べるよりも丁寧な印象を受けます。そのため、お客様を相手にする場合に使われることが多いでしょう。
・大変申し訳ございませんが、本日はあと1時間で閉店となります。ご了承くださいませ。
・合否については書面にて通知させていただきますこと、ご了承くださいませ。
【ご了承ください】を意味する英語表現
微妙なニュアンスによって言葉選びが難しい日本語ですが、「ご了承ください」を英語で表現するにはどうすればよいでしょうか。
「ご了承ください」を英語で表すときは、「understanding(理解)」を使います。たとえば、次のような例文で使われるため覚えておきましょう。
・I appreciate your understanding.
(ご理解のほど宜しくお願いいたします。)
・Thank you for your cooperation and understanding.
(何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。)
また、目上の人に対して「ご了承ください」と伝えたいときには「Please be noted.(ご了承ください)」がおすすめです。これは、一般的な英文として知られている敬語に該当する英文のため、ビジネスシーンでは取引先の人や上司に対して活用しましょう。
目上の人には【ご了承ください】は使わない>/h2>
日常的によく目にする「ご了承ください」は、「事前に理解しておいてください」という意味で使われる言葉です。「知っておいてください」といったニュアンスになるため、目上の人に対して使うのはNGです。
またお客様に対して使えないわけではありませんが、一方的な印象になってしまうことを覚えておきましょう。より丁寧に伝えたい場合には、「ご了承くださいますようお願い申し上げます」などの敬語表現を活用してみてくださいね。
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