■贈り物をするとき
贈り物をするときにも、「幸いに存じます」という言葉は便利です。「(贈り物をすることで)相手が喜んでくれたら嬉しく思います」という意味合いで、使うことができます。特に、目上の方へ贈り物をする場合、「使ってもらえたら嬉しい」と控えめに気持ちを伝えることができるのでおすすめです。
贈り物を喜んでいただきたいけれど、押しつけがましくはならないようにしたいもの。贈り物を贈る場合は、手紙で一言添えると、気持ちが伝わりやすいでしょう。
贈り物をするときの例文
・「心ばかりの品ですが、お気に召されましたら幸いに存じます」
・「つまらないものですが、お使いいただけますと幸いに存じます」
・「心ばかりですが、お祝いの品をお送りしました。気に入ってくださると幸いに存じます」
「幸いに存じます」を使うときのポイント
「幸いに存じます」という言葉を使うときに、2点注意したいポイントがあります。
■急ぎの用件には不向き
まずは、急ぎの用件には適さないということです。「幸いに存じます」は丁寧な表現なので、「必ずいつまでに~してほしい」という強いニュアンスはなく、強制力もありません。
守ってほしい期限がある場合は、「~までに」と期限を伝えることも忘れないようにしましょう。 「幸いに存じます」という言葉は「できればで構いません」というニュアンスで使われるので、相手が期待通りに対応してくれるとは限りません。「必ず実行してください」という意味で使いたいならば、避けた方が無難です。
■相手やビジネスシーンによって使い分ける
敬語は、相手やビジネスシーンによって使い分けることが望ましいでしょう。「幸いに存じます」にはいくつもの類語があるので、それらを使い分けることで、より相手への敬意も伝わりやすくなります。
例えば、相手がかなり上の立場の人ならば、「幸甚です」を使う方がふさわしいこともあるでしょう。反対に、相手が親しい人ならば「幸いに存じます」を使うと、かえってよそよそしい雰囲気になってしまうかもしれません。
その場合は、「助かります」や「ありがたいです」を使います。相手や場の雰囲気を見極めて、適切な言葉を使えるビジネスパーソンは、あらゆるシーンで一目置かれることでしょう。
「幸いに存じます」を英語で言うと?
英語を使う職場ならば、「幸いに存じます」という言葉を英語でも表現できるようにしておきたいもの。「幸いに存じます」を英語で言うと、「I would~」と表現することが多く、「would」は「want」の丁寧語なので、依頼や願望を表わすことができます。
ビジネスシーンで、「幸いに存じます」を英語で言う場合は、以下のような表現がおすすめです。
・I would be happy if~
・I would be pleased if~
・I would appreciate it very much if~
どれも意味は同じですが、I would be happyはややくだけた表現なので、主に同僚や部下などに対して使うと良いでしょう。一方、目上の人や上司にお願いをするとき・感謝の気持ちを伝えるときなどは、感謝するという意味の「appreciate」が入った丁寧な表現がおすすめです。
また、疑問形で、「幸いに存じます」を表現する方法もあります。
・Would you be able to tell me outline? 概要を教えていただけたら幸い存じます
・Could you check it? 確認していただけると幸いに存じます
「Would you~」「Could you~」のどちらも、お願いするときに使える表現ですが、「Could you~」より「Would you~」の方が、より丁寧な表現になります。
英語には、日本語のように尊敬語・謙譲語などお互いの立場を表わす敬語はありませんが、丁寧な表現があるのでビジネスシーンで活用してみましょう。通常の文も疑問形もどちらも覚えておくと便利ですよ。
敬語を上手に使い感謝を丁寧に伝えよう
ビジネスシーンでの円滑なコミュニケーションに、敬語は欠かせません。「幸いに存じます」という敬語を使えるようになると、相手を立てて、感謝の気持ちを上手に伝えることができます。相手に不快な思いをさせることなく、自分の気持ちを伝える表現の一つとして、「幸いに存じます」を類語と併せて使ってみましょう。
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