気にしすぎ
「人のことを気にしすぎる」(40代・愛知県・子ども2人)
コミュニケーションの中で、思っていたこととは違う反応があったときに人間関係の難しさを感じる方が多いようです。また、「意見がうまく伝えられない」というように、自身のコミュニケーション能力に不安を感じている方もいました。
人間関係がうまくいかない人の特徴
人間関係がうまくいかない人に共通項はあるのでしょうか? キャリアコーチの菊池啓子さんに3つの特徴をお聞きしました。
考え方が自己中心的
他人の意見や気持ちに配慮せず、自分の考えや思いを優先する人は、周囲から距離を置かれがちです。たとえば、会議中に他の人の発言を遮って自分の意見を押し通す人や、友人との会話で自分の話ばかりする人は、トラブルの原因になることもあります。
発言がネガティブ
物事を悲観的に捉えるのは本人の自由ですが、否定的な発言をしたり、重箱の隅をつつくような発言ばかりしていると、周囲に不安やストレスを与えてしまいます。たとえば、会話の中で「どうせうまくいかない」といった否定的なコメントばかりするようでは、相手も積極的に関わりたいとは思えないですよね。
自己開示の不足
自分の感情や考えを表に出さない人は、他人との距離が縮まりにくい傾向があります。なぜなら、相手には心の壁を作っているように感じられるからです。たとえば、自分の悩みや考えを打ち明けた相手が、プライベートなことを何も言わない人だとしたら、信頼をされていないと感じて、親しい関係を築くのは難しいでしょう。
人間関係がうまくいかない原因
人間関係がうまくいかない原因についても、キャリアコーチの菊池啓子さんに3つの特徴をお聞きしました。
コミュニケーションの不足
十分なコミュニケーションが取れていないと、誤解や摩擦が生じやすくなります。たとえば、仕事での進捗を共有せずに進めてしまうと、同僚やチームなどとの連携が取れずにトラブルに繋がることもあるでしょう。定期的なミーティングやフィードバックの場を設けることで、問題を未然に防ぐことができます。
相手への勝手な期待
他者に対する期待が現実と乖離していると、失望や不満を感じやすくなります。たとえば、誕生日に「友人が、お祝いしてくれるはず!」などと思っていたのに、忘れられていたら落ち込みますよね…。そのことが発端となり、友人との関係がぎくしゃくするなんてことも考えられます。期待を持つのは自然なことですが、「他者は決して自分の思い通りにはならない」と認識しておくことが大切です。
過去のトラウマや経験
過去の嫌な経験やトラウマが原因で、新しい人間関係を築くのが難しいということもあるでしょう。たとえば、親しかった人に裏切られた経験があると、新しい人間関係を築くタイミングでも、他者と距離を置いてしまうことがあります。過去の経験に引きずられているなと感じたときは、専門家のサポートを受けたり、自己理解を深めることで、過去のトラウマやネガティブな経験を乗り越える手助けとなります。
【体験談】人間関係の悩みを解消する方法とは?
避けては通れない人間関係の悩み。困ったときにはどのように解消するのか、みなさんの体験談からご紹介します。
相談できる人に話を聞いてもらう
「意見の合う人に気持ちだけでも聞いてもらう」(40代・兵庫県・子ども1人)
「周りに相談する」(30代・千葉県・子ども2人)
「家族に話してスッキリする」(40代・秋田県・子ども2人)
気にしすぎない
「深く考えない」(30代・石川県・子ども2人)
「出来るだけ忘れる」(40代・神奈川県・子ども1人)
「考え過ぎないようにする。誰かに話を聞いてもらうようにする」(40代・群馬県・子ども1人)
コミュニケーションをとる
「苦手な人でも、あえて関わりを持つ」(40代・兵庫県・子ども1人)
「とにかく相手と話すことしかないと思う。話し合いの不足が人間関係の不和を生む一番の原因だと思うから」(30代・神奈川県・子ども2人)
「苦手な人でも避けずに話しかけてみる」(40代・秋田県・子ども2人)
あまり関わらない
「合わない人とは距離を置く」(40代・香川県・子ども2人)
「うまくいかない人との付き合いをやめる」(30代・茨城県・子ども2人)
「酷いことを言う人や、否定ばかりしてくる人と関係をよくしようと思っても無駄なので縁を切る」(30代・群馬県・子ども2人)
その場を乗り切る
「関係を改善しようと思わず、とにかくその場を乗り切るようにする」(30代・東京都・子ども1人)
「逃げて問題がない場合はその場を離れる。そうでない場合は存在感をできるだけ消すようにする」(30代・神奈川県・子ども2人)
「時が過ぎるのを待つ」(40代・愛知県・子ども2人)
「人間関係はうまくいかなくて当たり前だと思っているので、余計なことは言わない」(40代・三重県・子ども1人)
リフレッシュ
「別の場所でストレス発散」(40代・鳥取県・子ども2人)
「よく寝る」(40代・兵庫県・子ども1人)
「うまくいかないことに拘らず、自分の好きなことをして考えないようにする」(30代・京都府・子ども1人)
「環境を変える」(40代・東京都・子ども2人)
相手を理解する
「相手の立場や気持ちを考える」(40代・大阪府・子ども2人)
「相手に興味を持つ、理解する」(30代・京都府・子ども1人)
「よいところを見つける」(40代・愛知県・子ども2人)
「話を聞いてみる」(30代・和歌山県・子ども1人)
割り切る
「その人とは縁がないのだと割り切る」(40代・岡山県・子ども2人)
「色んな考えの人がいるから仕方ないと割り切る」(40代・宮城県・子ども2人)
「人は人と割り切る」(30代・大阪府・子ども1人)
分析する
「うまくいかないときは自分の悪いところや相手に改善してほしいところも含めて見つめ直す」(30代・群馬県・子ども2人)
「改善策を練って行動する」(30代・広島県・子ども1人)
「自分と相手を冷静に分析してみる」(40代・山梨県・子ども1人)
前向き
「“今が底辺だからこれ以上ひどくならない”と思うようにします」(40代・群馬県・子ども3人)
「自分の心の持ちようを変える」(40代・埼玉県・子ども2人)
「笑顔を心がける」(30代・愛知県・子ども1人)
自分の意見を伝える
「もう少し自分の意見が言えればいいなとは思う」(40代・千葉県・子ども2人)
「言いたいことをちゃんと言う」(30代・東京都・子ども1人)
社交性を持つ
「社交的になる」(30代・神奈川県・子ども2人)
「誰とでも分け隔てなく接する」(30代・東京都・子ども1人)
「人によって本音と建て前を使い分ける」(30代・東京都・子ども1人)
人間関係に悩んだときの解消方法は「相談できる人に話を聞いてもらう」という意見が最も多く寄せられました。家族や友人など気心知れた人とのコミュニケーションは、ただ話を聞いてもらうだけで安心感を得られるものです。
他には、「その場を乗り切る」や「気にしすぎない」、「割り切る」など、こちらの気持ちを切り替える方法や、上手くいかない相手とは距離をおくという意見もありました。人間関係の悩みは誰にでもあるもの。環境が変わればその都度起きやすいことでもあります。仕方のないことだと思って、気にしすぎないように意識されているようです。
一方で「コミュニケーションをとる」や「相手を理解する」、「社交性を持つ」など積極的な交流を解決策に挙げる人も。相手のことを知ると、よりよい関わり方が見えてくるかもしれません。
最後に
「アドラー心理学」を提唱したアルフレッド・アドラーは「すべての悩みは、対人関係による悩みである」といっています。生きていくなかで人と関わることは避けられないもの。人間関係の悩みは、これからの人生でも生じるでしょう。そんなとき、少しでもこの記事を読んで気が楽になりますよう、願っています。
TOP画像/(c) Adobe Stock
監修:キャリアコーチ菊池啓子
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