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2023.06.05

「できかねる」の正しい意味は?使い方やほかの表現をご紹介

 

「できかねる」は何かを依頼されたときに「できない」ことを伝える言葉です。「できない」の意をやんわりと伝えるのにぴったりな言葉ですが、言われたほうは「できるの?できないの?」と不安が残る言葉でもあります。本記事では「できかねる」の意味や使い方を詳しく解説します。

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「できかねる」の意味や使い方

「できかねる」は「できません」という意味ですが、「できません」と断定すると問題になりそうな場面で使える便利な言葉です。ここでは「できかねる」の意味や使い方をご紹介します。しっかりと押さえておきましょう。

手のひらを前に出して「No!」と断る2人の女性のイラスト

(C)Shutterstock.com

「できません」という意味

「できかねる」は「できません」という意味です。目上の人や上司、顧客に「できません」と断定すると失礼になったり問題になったりするような場面で使うことが多いです。「あなたの気持ちに応えたいのですが、どうしてもできないのです」といったニュアンスを含むため、トラブルになりそうな場面でもよく使われるのです。

「できかねる」の「かねる」は、ほかの動詞といっしょに使う場合、不可能や困難を意味します。たとえば「いたしかねる」や「言いかねる」「見かねる」といった言葉も動詞と「かねる」が一緒になった言葉です。

漢字では「出来かねる」

「できかねる」の漢字は「出来かねる」です。しかし、「できる」は名詞として使う場合は「出来」と漢字に、動詞で使う場合は「できる」とひらがなで表記するのが一般的。たとえば名詞なら「出来高」や「出来事」「上出来」などのように漢字になります。一方動詞では、「勉強ができる」や「英語ができる」「できる限り」と言った具合にひらがな表記に。動詞として使う際に「勉強が出来る」と漢字表記しても間違いではありませんが、ひらがな表記が分かりやすいでしょう。公文書でも、このルールを用いる場合がほとんどのようです。

丁寧語は「できかねます」

「できかねる」の丁寧語は「できかねます」です。先ほども説明しましたが、「できかねる」は目上の人や顧客に言う機会が多いため、必然的に丁寧語である「できかねます」のほうがよく使われます。

「できかねません」は間違い

「できない」という意味で「できかねません」を使うのは間違いです。「できない」という意味の「できかねる」をさらに否定形にすると、「できるかもしれない」という反対の意味になってしまいます。注意しましょう。

「できかねる」のメール例文

それでは、「できかねる」のメール例文をいくつかご紹介しましょう。

例文

・これ以上はお答えできかねますので、ご了承くださいませ。
・楽しみにしていた食事会ですが、突然の急用のため出席できかねます
・そちらの件につきましては大変申し訳ございませんが、こちらでは対応できかねます

 

▼あわせて読みたい

「いたしかねます」との違いとは

「いたしかねます」は「できかねます」と同様の意味ですが、へりくだった意味合いのある謙譲表現です。伝える相手によってよりふさわしい言葉を使えるように、どちらの言葉も理解しておきましょう。

仕事を断る女性

(C)Shutterstock.com

「いたしかねます」は謙譲表現

「いたしかねます」は謙譲表現にあたり、できかねますと同様「〜することが難しいです」という意味です。「する」の謙譲語「いたす」に「かねる」と「ます」がついた言葉で、へりくだった意味合いが強くなります。そのため、滅多に会わないような上司に対してや、クレーム対応のような難しい場面で使うと良いでしょう。

「いたしかねます」は目上の人に

「いたしかねます」は目上の人に使う言葉です。部下や目下の人に何か頼まれて、「いたしかねます」と返答するのは不自然といえるでしょう。「できかねます」も目上の人や上司に使えますが、より丁寧に伝えたい場合は「いたしかねます」を使います。直属の上司のように、普段からやりとりのある人であれば「できかねます」でも構いません。 次に、例文をいくつかご紹介しましょう。

例文

・先日ご依頼された件ですが、やはり対応いたしかねます
・お申し出は大変ありがたいのですが、お受けいたしかねます
・これ以上のお話はここではいたしかねます

 

「できかねる」をやんわり伝えるには

「できかねる」をやんわり伝える方法が2つあります。クッション言葉をいっしょに使う方法と、代替案を示す方法です。ビジネスシーンでは、どうしても「できない」と言わざるを得ないこともあります。そのような場合に相手にできるだけ失礼がないように、また不愉快な思いをさせないように「できない」を伝えられるようになりましょう。

GoodマークとBadマーク

(C)Shutterstock.com

クッション言葉をいっしょに使う

「できかねる」を使う場合は、次のようなクッション言葉をいっしょに使いましょう。

・誠に恐れ入りますが
・大変申し訳ございませんが
・誠に残念ではございますが
・不本意ではございますが
・せっかくのお申し出ではございますが
・大変ありがたいお話なのですが

クッション言葉を使う場合は、「できかねます」より「いたしかねます」のほうがより丁寧でいいでしょう。次の2つの文章を比べてみてください。

・誠に恐れ入りますが、お受けできかねます。
・誠に恐れ入りますが、お受けいたしかねます。

後者のほうが、より丁寧に相手に「できない」ことを伝えています。

例文

・大変申し訳ございませんが、当社では対応いたしかねます
・せっかくのお申し出ではございますが、予算上、お引き受けいたしかねます

 

「〜ならできます」と代替案を示す

「できかねる」をやんわり伝える方法として、「〜ならできます」と代替案を示すのも良いでしょう。ビジネスシーンでは、できるだけ「できない」と返答するのは避けるべきです。その代わりに「できる」ことを伝えるのです。たとえば取引先から無理な納期で商品を発注された場合、「できかねます」と言うよりも「1週間あれば2倍の量で商品を準備できます」と代替案を示すほうが気持ちよく聞こえ、相手にやる気を見せることにもつながるでしょう。「それであれば、お願いします」と納得してくれる可能性が高くなります。「できない」ことに気持ちを向けるのではなく、「できることを探す」のはビジネスの基本といえるでしょう。

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