相手を迎える場合は「ご来訪いただく」
迎える立場の人が来てくれる相手に対して「来訪してもらう」ことを伝えるときは、「ご来訪いただく」と言いましょう。丁寧な表現なので、ビジネスの相手に適した言葉です。ただ、「来訪」だと少し固い印象を与えることがあります。柔らかい言い回しを使いたいときは、「いらっしゃる」のほうがおすすめです。
【例文】
・〇〇日に弊社へご来訪いただけるとのこと、承知いたしました。
・それでは明日、〇〇様がいらっしゃるのを楽しみにお待ちしております。
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「来訪」の類義語や言い換え表現
「来訪」の類義語には「来場」「来社」、言い換え表現には「お越しいただき」「ご足労いただき」が挙げられます。シーンに合わせて使い分けを意識しましょう。

類義語は「来社」「来場」
類義語は、「来社」「来場」の2つです。両方とも「先方に来てもらう」という意味ですが、その場所に違いがあります。「来社」は会社、「来場」は会場に来てもらうという意味です。一方、「来訪」は場所を気にせず使用できます。場所によって使い分けが必要な類語があることを覚えておきましょう。
「来社」
「来社」とは、相手がこちらの会社を訪れることを意味する言葉です。主にビジネスシーンで使われる丁寧な表現で、お客様や取引先など、社外の人が自社を訪問する際に使います。この言葉を使うことで、相手へ敬意を示すとともに感謝の気持ちも伝えられます。
【例文】
・明日のご来社を心よりお待ちしております。
「来場」
「来場」は、イベントや講演会・展示会などの「会場」へ、相手が足を運んでくれることを意味する言葉です。ビジネスシーンでは、お客様や参加者に対して敬意を払う際に使われます。
【例文】
・ご多忙の折とは存じますが、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
言い換え表現は「お越しいただき」「ご足労いただき」
言い換え表現には、「お越しいただき」「ご足労いただき」などがあります。来訪の感謝を伝えたい時に「ありがとうございます」をつけてよく使われます。
「お越しいただき」
「お越しいただき」は、相手が自分のいる場所へ来てくれたことを敬意を込めて表現する言葉です。この言葉は、相手に時間や労力をかけてもらったことへの感謝を示す際に使われます。ビジネスシーンではお客様や目上の人が来訪した際、歓迎と感謝の気持ちを伝えるために用いられるのが一般的です。
【例文】
・本日は弊社にお越しいただきまして、誠にありがとうございました。
「ご足労いただき」
「ご足労いただき」は、相手にわざわざ手間をかけて来てもらったことに対して、感謝とねぎらいの気持ちを伝える言葉です。遠方から来てくれたり、忙しい中時間を割いてくれた際などに、より丁寧で深い感謝の気持ちを伝えることができます。
【例文】
・本日は遠方よりご足労いただき、誠にありがとうございます。
「来訪」の反対語
「来訪」の反対語には「訪問」「往訪」「出向」「伺う」があります。それぞれ意味合いが少し異なるので、正しい意味を理解して状況に合わせて使い分けましょう。
反対語には「往訪」「出向」「伺う」がある
「往訪」
「往訪(おうほう)」は、相手の元へこちらから出向いて訪ねることを意味する言葉です。「訪問」とほぼ同じ意味ですが、「往訪」にはやや古風な響きがあります。ビジネスシーンでは、メールや公的な文書で用いられることがありますが、日常的な会話ではあまり使われません。
【例文】
・明日は取引先様を往訪する予定です。
「出向」
「出向(しゅっこう)」は、自分が相手の元へ出向いていくことを意味する言葉。「訪問」よりも、物理的に移動して行くというニュアンスが強いです。ただしビジネスにおいては、籍をもとの会社においたまま、他の会社や官公庁に勤めることを指す場合が多いでしょう。
【例文】
・担当者がただ今、お客様の元へ出向しております。
「伺う」
「伺う」は、相手の元へ行くことをへりくだって言う謙譲語です。
【例文】
・明日御社に伺いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「来訪」の英語表現とは
「来訪」の英語表現には、「訪れる」という意味がある「visit」があります。「visit」は、相手に対しても自分に対しても使うことができる単語です。
【例文】
・Thank you for visiting our office today.
(本日は弊社にご来訪いただきありがとうございました)
・We served tea and cakes to the visitors.
(来訪者へお茶やお菓子を出しました)

「来訪」に関するよくある質問
ここでは「来訪」という表現に関して、ビジネスシーンでよくある質問とその回答を紹介します。
Q. 自分が行く場合に「来訪」は使えますか?
「来訪」は相手が自分のいる場所へ来てくれたことに対する表現であり、自分が相手の元へ行く場合には使えません。自分が行く場合は「訪問」「伺う」「参上」「往訪」などの表現が適切です。
Q. ビジネスで使える「来てもらう」の言い換え表現は?
ビジネスシーンで「来てもらう」を丁寧に表現する場合、「お越しいただく」「ご足労いただく」「ご来訪いただく」といったフレーズが用いられます。
Q. 「来所」とはどういう意味ですか?
「来所」とは、相手が自分のいるところに訪れることを意味する言葉です。特に、会社や事務所、施設といった特定の「場所」を指して使う場合が多いです。ビジネスシーンでは、お客様や取引先が自社オフィスを訪れる際、「来社」と同様のニュアンスで使われることがあります。
Q. 「来所」の反対語は?
「来所」の反対語は、「訪問」または「往訪」などです。「来所」は相手が自分のいる場所に来ることを指す言葉ですが、「訪問」「往訪」は自分が相手の元に行くことを意味します。
「来訪」の意味を理解して正しく使おう!
- 「来訪」は相手が来てくれたこと示し、訪れる場所に関わらず広く使える表現
- より柔らかく言い換えると「お越しいただき」「ご足労いただき」など
- 「来訪」の反対語としては、「往訪」「訪問」「伺う」などが挙げられる
「来訪」は、「相手に来てもらう」という意味です。打ち合わせや会議、商談など、ビジネスのあらゆる場面で頻繁に使われます。相手が訪れる場所に関わらず広く使える表現であり、使いようによって、足を運んでくれた相手への感謝の気持ちを伝えられる言葉です。
より柔らかく言い換えたい場合、「お越しいただき」「ご足労いただき」などの表現を使いましょう。また、相手ではなく自分が行く場合には「往訪」「訪問」「伺う」といった表現を用います。正しい意味や使い方をマスターして、状況に合わせて使い分けましょう。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。https://domani.shogakukan.co.jp/
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