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2024.05.16

「斡旋」とは?労働争議や不動産など斡旋の〝複数の使い方〟を簡単に解説

 

「斡旋」とは、複数の意味を持つ言葉です。今回は、どのような意味で使われているのか、類語・言い換え表現などを簡単にご紹介します。あわせて、労働争議や人材斡旋、不動産の分野での使い方も解説するため、ぜひ参考にしてください。

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「斡旋」とは?簡単に基礎知識を解説

「斡旋」の読み方は「あっせん」で、「職を斡旋する」などと用います。また、労使間に発生する労働争議に際しては、「斡旋員が双方の間に立って自主的解決を促進する」と用いることがあります。

握手する手

(c) Adobe Stock

それでは、「斡旋」とはどのような意味がある言葉なのかを確認しておきましょう。あわせて、類語・言い換え表現も解説します。

意味は双方をうまく取り持つことなど

【あっ‐せん斡旋】
名(スル)《「斡」は、まわす意》
1.間に入って双方をうまく取り持つこと。周旋。「職を―する」
2.労働関係調整法による労働争議の解決方法の一。労働委員会が指名した斡旋員が労使間を取りなして、争議の解決を図ること。
3.行政法上、公益事業用地の取得をめぐる当事者間の紛争を解決するために行われる手続き。→仲裁→調停

(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)

斡旋とは、「双方の間に入ってうまく取り持つこと」などの複数の意味がある言葉です。「労働関係調整法による労働争議の解決方法のひとつ」として用いられる場合や、「公益事業用地の取得をめぐる当事者間の紛争解決のための手続き」を指す場合もあります。

双方の間に入ってうまく取り持つことという意味で用いられる場合の使い方は、人材斡旋会社の例がわかりやすいでしょう。人材斡旋会社は、求職者と求人を募集する企業の間に入り、求人内容に適した人材を斡旋しています。

斡旋の類語・言い換え表現

斡旋の類語・言い換え表現の例は、以下のとおりです。

・仲介
……当事者双方の間に立って便宜を図り、物事をまとめること。

・取り持つ
……両者の間に立って、物事がうまくいくように世話をすること。

・橋渡し
……両者の間に入って、とりもつこと。また、その人。

・仲立ち
……双方の間に立って物事をとりもつこと。また、その人。

・媒介
……両方の間に立って、なかだちをすること。

・取り次ぐ
……間に立って、一方から他方へ用件などを伝えること。

 

これらのほかに、「世話」「取り持ち」「口利き」「口入れ」「口添え」なども言い換え可能な表現です。

さまざまなシーンでの斡旋の使い方

斡旋という言葉の意味や使い方は、用いられるシーンによって異なります。ここからは、どのようなシーンで斡旋が用いられることがあるのか、シーンに応じた使い方を解説します。

それぞれのシーンにおける意味や使い方を確認していきましょう。

仲介

労働争議(ろうどうそうぎ)における斡旋とは

労働争議における斡旋とは、「労働関係調整法による労働争議の解決方法のひとつ」のことです。会社と労働者との間でトラブルが生じた場合に、斡旋の制度を用いることによって、話し合いによる解決につなげられる可能性があります。

斡旋制度を用いた場合には、公平で中立な立場の第三者機関が会社と労働者との間に入り、話し合いの促進によってトラブルを解決に導けるように、援助をしてもらえます。

間に入る斡旋員は、弁護士や大学教授、社労士などの学識経験を有する第三者です。当事者同士での話し合いよりも、適切な解決策に導いてもらいやすくなると考えられるでしょう。

対象になるケース・ならないケース

会社と労働者との間でトラブルが生じた場合であっても、労働争議における斡旋の対象になるケースとそうならないケースがあります。斡旋の対象になるケースと斡旋の対象にならないケースは、以下のとおりです。

〈斡旋の対象になるケースの例〉

・労働条件に関する紛争(解雇や雇い止めなど)

・職場環境に関する紛争(嫌がらせ、いじめなど)

・損害賠償をめぐる紛争(会社所有物の破損など)

・労働契約に関する紛争(同業他社での競業禁止など)

 

〈斡旋の対象にならないケースの例〉

・労働組合と会社との間の紛争

・労働者と労働者との間の紛争

・他の紛争解決制度で取り扱われている紛争

・労働者の募集、採用に関する紛争

 

斡旋のメリット・デメリット

斡旋のメリット・デメリットは、それぞれ以下のとおりです。

〈斡旋のメリット〉

・労働問題を裁判で争うよりも迅速な解決が期待できる

・プライバシーが守られる

・手続きを無料で利用可能

・合意が成立した場合には法的拘束力が生じる

 

〈斡旋のデメリット〉

・申請の手間がかかる

・会社側が斡旋の手続きに参加しない可能性がある

・お互いの妥協点を見つけられず、合意ができない場合がある

・斡旋が不成立になった場合のサポートはない

 

人材斡旋とは

人材斡旋とは、企業と求職者の間をうまく取り持ち、マッチングを図ることを指します。

「引き合わせる」ことを意味する人材紹介との違いは、引き合わせるだけではなく「両者の間をうまく取り持つ」という意味があることです。とはいえ、基本的にはほぼ同様の意味として使われます。

混同しやすい言葉に、「人材派遣」もあります。人材派遣と人材斡旋は、契約形態や業務内容、料金面が大きく異なるものです。

人材斡旋は紹介先企業に直接雇用され、入社時に紹介料を支払います。それに対し、人材派遣は派遣会社に雇用される形で、紹介先企業は派遣料金を毎月支払うのです。

不動産における斡旋とは

不動産に関連する斡旋にも、複数の意味があります。

たとえば、建物状況調査の斡旋とは、「建物状況調査の実施に向けて、売主または購入希望者と建物状況調査を実施する者との間で具体的なやりとりが行われるように手配すること」です。

また、不動産に関連する斡旋は、「道路などの公益事業用地の取得をめぐり、当事者間の紛争を解決するために実施される手続き」を指す場合もあります。

斡旋という言葉を理解しよう

斡旋の意味は、「双方をうまく取り持つこと」などです。たとえば、「職を斡旋する」「求人内容に適した人材を斡旋する」などと用います。

パズルをつなげるイメージ

(c) Adobe Stock

斡旋の意味や使い方は、その言葉が用いられるシーンによって大きく異なるため、意味を理解しようとする際は注意が必要です。代表的なシーンには、労働争議における斡旋や人材斡旋、不動産における斡旋などが挙げられます。

人材斡旋に似た言葉には、人材紹介や人材派遣があります。人材紹介はほぼ同じように使えるものの、人材派遣とは意味が異なることも理解しておきましょう。

斡旋の意味や使い方を正しく理解し、ぜひ日常やビジネスシーンで活用してください。

メイン・アイキャッチ画像:(c)Adobe Stock

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