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「結構です」の相反する意味とは
「結構です」は「それで良い」と「必要ありません」の相反する意味を持つ言葉です。そのため、言われた人は「結局YESなの?NOなの?」と迷ってしまうことも多いでしょう。
ここでは、「結構です」の相反する意味について説明します。誤解が生じないように、まずは意味からきちんと押さえておきましょう。
■「それで良い」と“肯定”を意味する
「結構です」は、「それで良い」と肯定を意味します。たとえば、「これでいいですか?」「問題はありませんか?」と問われて、「それでOKです」と返答する場合です。
ほかに、「難をいうべき点が見当たらない様子」や「申し分のないこと」という意味もあります。たとえば「お元気そうで結構です(お元気そうで何よりです)」や「お食事は結構でした(お食事は素晴らしかった)」というような場合です。
■「必要ありません」と“否定”を意味する
「結構です」は「必要ありません」と否定する意味もあります。たとえば「ビニール袋はご入用ですか?」と聞かれて、「いいえ要りません」と伝えたいとき、否定の意味の「結構です」を使います。「もう満足です、これ以上は必要ありません」という意味です。
「結構です」の肯定と否定の例文
「結構です」の肯定と否定の意味の例文をいくつか挙げましょう。どのような場合に肯定と否定になるのか、例文で確認してみてください。例文を見てみると、YESなのかNOなのか分かりづらいというのが理解できます。
〈肯定〉の例文
肯定の意味の例文は、次の通りです。
・「お電話でご連絡してもよろしいですか?」
「はい、(電話での連絡で)結構です」
・「この商品でよろしいでしょうか?」
「はい、(その商品で)結構です」
・「今日の話し合いはいかがでしたか?」
「結構でした」
〈否定〉の例文
次に、否定の例文をいくつか挙げましょう。
・「寒くありませんか?エアコンの温度を上げましょうか?」
「いいえ、結構です」
・「後ほどサービスのお品をお送りいたしますので、お名前とご住所をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
「いいえ、結構ですので失礼します」
・「今ならキャンペーン期間でお安くお求めいただけます」
「いいえ、結構です」
例文を見てみると、「結構です」の返事だけでは、きちんと自分の意思が伝わらない可能性があると理解できるでしょう。
「結構です」を使うときは、何が結構なのか具体的に表現すること、また「はい」「いいえ」をいっしょに使うことによって自分の意思がストレートに伝わります。
「結構です」を使うときの4つのポイント
ここでは、「結構です」を使うときの4つのポイントを説明します。「結構です」は丁寧に伝えたとしても、場合によっては素っ気なく聞こえることもあるため注意が必要です。
誤解を招かないように伝えるにはどうすればいいのか、詳しく説明します。
1. 上司や目上の人に使う場合は注意する
「結構です」は上司や目上の人に使う場合は注意が必要です。なぜなら、単に「結構です」と答えると、上から目線の返答のように聞こえ、「偉そう」「生意気」という印象が残ります。上司や目上の人に使う場合は、ほかの言葉に言い換えたほうがいいでしょう。
ただし、文中で使うときは問題ありません。たとえば「最初の部分だけで結構ですので、ご覧いただけますか」というような使い方です。
2. 自分の行動に対して使う
「結構です」は自分の行動に対して使います。ビジネスシーンで「こちらで結構でしょうか?」という表現が使われますが、これは間違い。「結構です」は、あくまでも自分の意思がYESなのかNOなのかを答えるための表現です。
相手に何かを問いたい場合は、「こちらでよろしいでしょうか?」という敬語表現を使いましょう。
3. 素っ気ない印象を与えるので注意する
「結構です」は、素っ気ない印象を人に与えるので注意しましょう。同僚や目下の人に「結構です」は問題なく使えますが、やはり素っ気なく聞こえるのは否めません。
たとえば、部下に「コーヒーのおかわりはいかがですか?」と聞かれて「結構です」だけでは、素っ気ないどころか冷たくさえ聞こえます。
このような場合は、「結構です。ありがとう」や「結構です。お疲れ様」と一言感謝やねぎらいの言葉を付け加えるだけで印象ががらっと変わるでしょう。