過去形で使うなら「嬉しく存じました」
過去形として使う場合は、「嬉しく存じました」が正しい形です。
「存じます」が使い慣れていないため、「存じました」を「間違っているのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、「嬉しく存じました」は正しい日本語です。ある過去の時点で「嬉しかった」ことを表す言葉です。
【例文】
・昨日は、雨だったにもかかわらず、多くの方に来ていただき嬉しく存じました。
・お忙しいなか、相談にのっていただき嬉しく存じました。
「嬉しく存じます」の言い換え表現4選
「嬉しく存じます」の言い換え表現はいくつかあります。ここでは「ありがたく存じます」「光栄に存じます」「感謝いたします」「幸甚に存じます」の4つを取り上げて説明します。
どれもビジネスシーンで使える表現です。例文とあわせて参考にしてください。
ありがたく存じます
「ありがたく存じます」は、「嬉しく存じます」の代わりに使える表現です。「ありがたく存じます」は言葉の通り、「ありがたい」と感謝の気持ちを表します。
もう少しカジュアルに使いたい場合は、「ありがたいです」や「ありがたく思います」でも構いません。相手との関係性によって使い分けると良いでしょう。
ただし、自分よりかなり役職が上の人や取引先などに対しては、「ありがたく存じます」が丁寧でふさわしいでしょう。
【例文】
・お気にかけていただき、誠にありがたく存じます。
・本日は結構な品をいただき、ありがたく存じます。
光栄に存じます
「光栄に存じます」も「嬉しい」気持ちを表す言葉です。「光栄」とは、「名誉に思うこと」という意味。上司や会社から高く評価されたときにふわわしいでしょう。「嬉しく存じます」より「光栄に存じます」のほうが、ビジネスシーンではより適しています。
「光栄に存じます」とほぼ同じように使えるのが「もったいないお言葉です」という表現方法。こちらは「自分のような者に」というニュアンスが強い謙遜した言い方です。
【例文】
・このような待遇を光栄に存じます。
・お休みの日にわざわざお越しいただいて、光栄に存じます。
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感謝いたします
「感謝いたします」も「嬉しく存じます」の代わりに使えるフレーズです。「感謝いたします」は「嬉しい」という気持ちと「感謝」の気持ちの両方を伝えることができます。
「感謝いたします」は、相手が特別な助力や配慮をしてくれた際に、お礼を述べるのにふさわしいでしょう。
【例文】
・昨日は遅くまでお手伝いいただき感謝いたします。
・C社にお声がけいただいて感謝いたします。
幸甚(こうじん)に存じます
「幸甚(こうじん)に存じます」も「嬉しい」という気持ちを表す言葉で、「嬉しく存じます」よりもかしこまった言い方です。
口語で使うというより挨拶状や礼状などの文書で使われます。 「幸甚」の「甚」は「非常に」という意味のため、「幸甚」は「非常に幸せ」という意味です。
【例文】
・このような素晴らしい会にお招きいただき、幸甚に存じます。
・遠いところからご足労いただき、幸甚に存じます。
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「嬉しく存じます」の英語表現とは
「嬉しく存じます」を英語で表現するには、「glad」を使います。「glad」は「嬉しい」という形容詞です。
嬉しいには「happy」もありますが、「happy」はどちらかというとカジュアルで、ビジネスシーンで使うより日常で使うことのほうが多いでしょう。
敬語は日本語特有の表現方法のため、英語で「存じます」を表現することはできません。ただし、次に挙げるような例文が失礼にあたるかというとそうではなく、上司や取引先に使っても何ら問題はありません。
【例文】
・I’m very glad to hear that.
私はとても嬉しいです。
・I am so glad to see her.
私は彼女に会えてとても嬉しいです。
・He was very glad about me passing.
彼は私の合格をとても喜びました。
「嬉しく存じます」で嬉しい気持ちを素直に伝えよう
「嬉しく存じます」は「自分のことや自分の属する組織」や「他人のことや他人が属する組織」について、何か嬉しいことが起こったときに使う言葉です。「嬉しく存じます」と言われた側も「嬉しく」感じるため、周りの人との関係がよりスムーズになります。
「嬉しく存じます」と言われた上司や取引先は、「これからも引き立ててあげよう」と思うものです。普段から「嬉しい」や「ありがとうございます」という気持ちを言葉にして、素直に相手に伝えるようにしましょう。
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