自分が先にその場を去るときは「お先に失礼します」と伝え、「お先に失礼します」と声をかけられたときは「お疲れ様でした」と返しましょう。
退職する目上の人へ「お疲れ様でした」を使った例文
「お疲れ様でした」というねぎらいの言葉は、退職する目上の人への挨拶にも使用できます。退職する背景は人それぞれのため、挨拶の内容も退職理由に合わせて変化させることが大切です。
ここでは、退職する先輩と定年退職する上司への挨拶例文をご紹介します。相手のこれまでの労をねぎらい、新しい環境での活躍を願う気持ちを伝えましょう。

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退職する先輩への手紙
退職は、新しい環境へスタートするための第一歩です。退職する先輩へ手紙を送るなら、ネガティブな表現は避け、明るい内容を心がけましょう。普段は気心の知れた仲であっても、敬語を使った丁寧な表現を心がけることが大切です。
【例文】
〇〇先輩
今までお疲れ様でした。今まで公私とも大変お世話になり、本当にありがとうございました。〇〇先輩の新しい職場でのご活躍を心から願っております。
定年退職する上司への挨拶
定年退職する上司への挨拶には、退職祝いを意識した内容を取り入れましょう。一緒に働く中で教えられたことや助けられたことなど、具体的なエピソードを入れるのもおすすめです。
【例文】
ご退職、誠におめでとうございます。
長年のお勤め、大変お疲れ様でした。私が悩んでいるとき、さりげなく声をかけて下さる優しさにいつも救われていました。
今後もお体に気を付けて、ますますご活躍されることを願っております。
「お疲れ様でした」と使い分け「お先に失礼します」
前述したように、退社時の挨拶には「お疲れ様でした」より「お先に失礼します」のほうが適している場合があります。退社時に上司や同僚が残っているときには「お先に失礼します」を使うよう心がけましょう。

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相手にまだ仕事が残った状態で「お疲れ様でした」と労をねぎらう表現を用いると、不自然な印象を与える可能性があります。
ちなみに「お疲れ様でした」は、仕事中に「お先に失礼します」と声をかけられた際でも用いることができます。一緒に働く仲間に不快感を与えないためにも、上手な使い分け方を覚えておきましょう。

「お疲れ様でした」の英語表現
「お疲れ様でした」は、相手の労をねぎらう、日本語特有の温かい表現。英語には完全に一致するフレーズはありませんが、状況に応じてさまざまな表現が使えます。主なものをいくつかご紹介します。
【例文】
Good job.([ややカジュアルな意味で]よくやったね)
Well done.(よくできました)
Nice work.(いい仕事だったね)
Thank you for your hard work today.(今日もお仕事お疲れ様でした)
That was a lot of work.(大変な仕事でしたね)
You must be tired.(お疲れでしょう)
よくある質問
ここからは「お疲れ様でした」という表現に対してよく挙がる質問と、その回答を紹介します。
Q1. 「お疲れ様でした」と「お疲れ様です」の違いは?
A.「お疲れ様でした」と「お疲れ様です」は、どちらも相手の労をねぎらう気持ちを表す言葉ですが、その使い分けは主に話すタイミングと相手との関係性によって決まります。
「お疲れ様でした」は過去形で、相手が業務や役割を終えたタイミングで用いられます。目上・目下に関わらず広く使えますが、親しい間柄や同僚に対してより自然な印象を与え、相手を見送る際や一日の業務が終わった際などに適した言葉です。
一方、「お疲れ様です」は現在形。相手が業務中や役割を担う最中に使われることが多く、目上の人に対してより丁寧で適切な表現とされています。朝の挨拶代わりや、業務中に声をかける際などにも使えますよ。
Q2. 目上の人に使える「お疲れ様です」の言い換え表現を教えてください。
A.「お疲れ様です」は、目上の方に対してややカジュアルに聞こえる場合があります。丁寧な言い換え表現を以下にいくつか紹介します。
【口頭での言い換え表現】
・お疲れ様でございます。
・〇〇様、いつもありがとうございます。
・〇〇様、本日もありがとうございます。
・〇〇様、引き続きよろしくお願いいたします。
【メールでの言い換え表現】
〇〇様
いつも大変お世話になっております。 (日頃の感謝を伝える丁寧な書き出し)
〇〇様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。 (相手の健康や繁栄を祈る時候の挨拶)
さて、 (本題に入るクッション言葉)
(本文)
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。(結びの挨拶)
署名
Q3. 「大変お疲れ様でした」はおかしいですか?
A.「大変お疲れ様でした」という表現自体は、文法的に間違いではありません。相手の労力を強調する気持ちはきっと十分に伝わるはずです。しかし、状況によっては少し冗長に聞こえたり、慇懃無礼な印象を与えたりする可能性があります。特に、日常的な挨拶としては少し重いかもしれませんので、より自然で適切な言い換え表現も覚えておくと良いでしょう。
【より自然で適切な言い換え表現】
・お疲れ様でした。
・本当にお疲れ様でした。
・お疲れ様でございました。
・ゆっくりお休みください。
・今日は本当に、よく頑張られましたね。
・〇〇さん、本当にお疲れ様でした。この度はお力添えいただき、誠にありがとうございました。
まとめ
- 「お疲れ様でした」は相手の労をねぎらう言葉で目上の人にも使えるが、社外の人に使うと失礼にあたる
- 類語には「ご苦労様でした」「お帰りなさいませ」「お先に失礼します」「お世話になっております」などがある
- 「お疲れ様でした」と「お疲れ様です」の使い分けは、主に話すタイミングと相手との関係性によって決まる
「お疲れ様でした」は、目上の人にも使用できる丁寧な挨拶言葉です。ビジネスシーンによっては「お帰りなさいませ」「お先に失礼します」といった言い換え表現も用いられます。「ご苦労様でした」もよく聞く表現ですが、こちらは目上の人には使用できません。「お疲れ様でした」の使い方を正しく理解し、相手にねぎらいの気持ちを伝えていきましょう。
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Domani編集部
Domaniは1997年に小学館から創刊された30代・40代キャリア女性に向けたファッション雑誌。タイトルはイタリア語で「明日」を意味し、同じくイタリア語で「今日」を表す姉妹誌『Oggi』とともに働く女性を応援するコンテンツを発信している。現在 Domaniはデジタルメディアに特化し、「働くママ」に向けた「明日」も楽しむライフスタイルをWEBサイトとSNSで展開。働く自分、家族と過ごす自分、その境目がないほどに忙しい毎日を送るワーキングマザーたちが、効率良くおしゃれも美容も仕事も楽しみ、子供との時間をハッピーに過ごすための多様な情報を、発信力のある個性豊かな人気ママモデルや読者モデル、ファッションのみならずライフスタイルやビジネス・デジタルスキルにも関心が高いエディターたちを通して発信中。 WEB Domani
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