3. 初めてで不安なため、動けないでいる人
「これは、誰もがなり得ますね。新しい環境に緊張しやすい人や、出来上がっている集団に後から1人で参加する場合などに、生じることがあります」(吉田さん)
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頭でっかちな人と上手に関わるには?アンケートの回答と臨床心理士のアドバイス
アンケートで頭でっかちだと感じる人がいる場合どのように対処したらいいと思うか質問したところ、
・あまり関わらない。 (40代・秋田県・子ども2人)
・ある程度の距離感をもって接する。 (30代・愛知県・子ども1人)
・話は半分で聞く。 (30代・徳島県・子ども3人)
・こういう考えの人もいるんだと最初から割り切る。 (30代・長崎県・子ども2人)
などのなるべく関わらないようにしたり、割り切って接する派と、
・あまり周りにはいませんが、その人の意見を先に聞いてから自分の意見を含んだ答えを実行すると上手くいく気がします。 (30代・兵庫県・子ども2人)
・まず、話をきく。そのうえで、こういう考え方もあるよね?といくつか挙げることで、解決していく。 (40代・静岡県・子ども1人)
・その人の考え方を受け入れつつ、他の選択肢もあることを少しでも理解してもらう。 (30代・栃木県・子ども1人)
・その人の個性のため、受け入れる (30代・東京都・子ども1人)
などのその人の話を聞いたり、1つの考え・個性と思って受け入れる派の人が目立ちました。吉田さんによると、「つい『頭でっかちに考えてばかりいないで、まずはやってみて』と言いたくなりますが、無理強いは逆効果なので、何が不安か聞いてみる、できる対応をすることで不安を和らげるのがおすすめ」とのこと。先ほど紹介したそれぞれのタイプごとに、頭でっかちな人と接するときに心がけたいことについて教えていただきました。
1. 論理的整合性が整わないことを行うことに不快感が伴う人
→引っかかりを感じていることについて話を聞く
「引っかかりを感じているのは何か、話を聞いて、改善・調整できるところがないか検討してみては。最初は『頭でっかちだ』と思っていたけど、変えてみたらみんなが仕事しやすくなってよかった、という結果になることもあります。『とりあえずやってみて』や『今までこうだったから』は伝わりにくいでしょう」(吉田さん)
2. 先を見通す力が高くて先々の困難が予測できるため動けなくなってしまう人
→懸念していることについて話を聞く
「何か心配していることがないか、聞いてみましょう。具体的に言葉にできる人でしたら、その懸念事項を検討・対応することで、未然防止策を講じられるメリットも。うまく言葉にできない場合は、不安に寄り添ってあげながら、できることを一緒にする方向で」(吉田さん)
3. 初めてで不安なため、動けないでいる人
→不安を取り除くように声をかけ、対応する
「新しい環境にいることなどが原因のようなら、『誰もがなり得るけど、大丈夫』を共有できるといいですね。後から1人で入ってきて緊張している様子でしたら、相談窓口を決めてあげるとスムーズに動き出せるのではないでしょうか」(吉田さん)
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どうして柔軟に行動できないのかな?と感じる相手でも、もしかしたら多くの人がスルーしてしまうことに気づける人であったり、組織の問題点を見つけてくれる人かも。話を聞いてみると、その人がうまく動けない意外な理由が見えてくるかもしれません。
臨床心理士
吉田美智子
東京・青山のカウンセリングルーム「はこにわサロン東京」主宰。自分らく生きる、働く、子育てするを応援中。オンラインや電話でのご相談も受け付けております。
HP
Twitter: @hakoniwasalon
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