「舌足らず」とは?2つの意味について
「舌足らず」とは、舌が滑らかに動かず発音がはっきりしないという意味です。聞き取りづらく、幼い印象を受ける場合もあるでしょう。さらに、言葉は聞き取れるものの、十分な説明ができないという意味もあります。
2番目の意味は、「言葉足らず」と表現することもできるでしょう。ここでは、「舌足らず」と言う言葉の持つ2つの意味について紹介します。
発音がはっきりしない
舌足らずには、舌がうまく回らずに発音がはっきりしないという意味があります。滑舌が悪く、「サ行」や「タ行」「ラ行」といった舌の筋力が必要な行の発音がしにくいのが特徴です。
まだ話し方が上手ではない小さな子どもによくあることですが、大人になっても舌足らずな話し方の場合、幼く見られてしまうこともあります。
表現がうまくない
舌足らずという言葉は、言葉数が足りずにうまく説明できない場合でも使われます。舌の動きには問題がなく、発音もしっかりしていますが、話の中で重要な内容を省いてしまい、相手に意味がよく伝わらない場合です。
伝える必要がある言葉を使っていないため「言葉足らず」とも表現されますが、意味を的確に表現するには舌足らずよりもこちらの方が妥当でしょう。
「舌足らず」の類語
「舌足らず」には、いくつかの類語表現があります。ここでは、発音がはっきりしない意味の舌足らずについて、類語と例文を紹介しましょう。
口下手
話し方がうまくないという意味で、必ずしも滑舌が悪いわけではありません。思っていることをうまく表現できない場合に使われます。
(例文)
・あの人は口下手でいつも人に誤解されやすい
・私は口下手なので、いつも友人が代弁してくれる
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訥弁(とつべん)
言葉がつかえてしまい、うまく話せないことです。発音が上手でない「舌足らず」とは、話し方の状態に違いがあります。
(例文)
・彼は訥弁ながらも、一生懸命話している
・彼女は訥弁ですが、伝えたいことは十分に伝わっている
「舌足らず」の原因2つ
滑舌が良くないという意味の「舌足らず」には、原因が2つあります。舌の筋力が弱く滑らかでないこと、舌の裏側にある舌小帯という部分が短いことです。
例えば口を閉じているとき舌が上アゴにつかず下がっている状態の場合、舌の筋力が不足している可能性があります。ここでは、舌足らずの2つの原因について見ていきましょう。
舌の筋力が弱い
舌足らずは舌の筋力が弱いことが原因のひとつです。舌にも筋肉があり、発音に重要な役割を果たしています。筋肉が正常に機能することで舌が自在に動き、滑らかに話ができているのです。舌足らずの場合は舌の筋肉が弱いため、話すときに舌がうまく回りません。
緊張したときにうまく話せなくなることがありますが、これは舌の筋肉が緊張によりこわばるからで、舌足らずと同じく舌がうまく回らない状態といえるでしょう。
舌の裏側にある舌小帯が短い
舌の裏側には舌小帯というヒダのような部分があり、この舌小帯が生まれつき短い場合、舌足らずになる可能性があります。舌小帯が短いと舌全体の動きが悪くなり、発音や喋り方に影響が出てしまうのです。
口を大きく広げて舌先を上アゴにつけてみてください。簡単につかない場合は、舌小帯が短い可能性があります。
舌小帯が短い状態は「舌小帯短縮症」という名前もついていますが、舌足らずになるだけでなく歯並びが悪くなる、口呼吸気味になるなどの支障が出ることも。気になる方は、歯科医などに相談してみるとよいでしょう。
「舌足らず」を治す2つの方法
「舌足らず」の主な原因が舌の筋力不足の場合、トレーニングにより改善できる可能性はあります。舌の筋肉を鍛えるトレーニングやボイストレーニングなど、日常生活で簡単にできる方法を試すのもひとつの方法です。
舌足らずな話し方はひとつの個性として好まれる場合もありますが、話が聞き取りづらいなどマイナスな面も多いでしょう。社会に出てからは、話し方も重要なビジネススキルになります。ここでは、舌足らずを治す2つの方法を紹介しましょう。