社内で広く使う際の注意点
「ご承認」を社内で使う場合にも注意が必要です。ご承認は上司に対して使う言葉であり、部下には使いません。「承認」の使い方も間違いやすいため、気をつけましょう。「承認」は上の立場の人間が下の立場の人間に対して行うものです。部下に「例の案件、承認しておいて」といった使い方はしません。正しくは「例の案件、確認しておいて」です。
「ご承認」の類義語はご了解・ご承諾・ご了承
「ご承認」の類義語はご了解・ご承諾・ご了承です。共通する部分の多い言葉ですが、少しずつ違いもあります。例文を交えながら解説します。
「ご了解」
【了解(りょうかい)】
[名](スル)
(1)物事の内容や事情を理解して承認すること。了承。「―が成り立つ」「来信の内容を―する」
(2)《(ドイツ)Verstehen》ディルタイ哲学で、文化的、歴史的なものを生の表現とみなし、その生を追体験によって把握すること。理解。
<「小学館 デジタル大辞泉」より>
「ご承認」が正当であることを認めるという意味であるのに対して、「ご了解」は申し出や事情を納得するという意味です。
・交通機関の遅延により、到着が遅れることをご了解いただけると、幸いです。
「ご承諾」
【承諾(しょうだく)】
[名](スル)《古くは「じょうだく」》相手の意見・希望・要求などを聞いて、受け入れること。「上司の―を得る」「依頼を―する」
<「小学館 デジタル大辞泉」より>
「ご承諾」は相手からの要望を積極的に受け入れるニュアンスが強くなります。
・かねてより準備してきたこの企画を進めることをご承諾いただけますでしょうか。
「ご了承」
【了承(りょうしょう)】
[名](スル)事情をくんで納得すること。承知すること。承諾。「―を得る」「申し入れを―する」「―済み」
<「小学館 デジタル大辞泉」より>
「ご了承」は判断することよりも認めることに比重を置いた言葉です。
・私の不手際によりご迷惑をおかけしておりますが、ご了承ください。
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「ご承認」の使い方を理解して正しく使おう
「ご承認」は使い方の難しい言葉です。尊敬語をしっかり使ったつもりでも、きつい表現になってしまうことがあります。承認という行為自体が、上の立場の人間が下の立場の人間に対して行われるものであることに起因している部分もあるでしょう。細やかな配慮が必要な言葉なのです。ビジネスの場面でよく使われる言葉であるだけに、前後の文脈も含めて理解した上で、正しい使い方をしましょう。
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