「ご快諾いただきありがとうございます」
「快諾」は快く受け入れることです。相手が気持ち良く了承を与えてくれた時に、良好さを強く感じる「快諾」で表すと、こちらからも喜ばしい気持ちを伝えることができますね。両者に利益がある時に使うことができます。
「弊社との共同企画について、ご快諾いただきありがとうございます」
「サンプルをご提供くださる件について、ご快諾いただきありがとうございます」
「ご容認いただきありがとうございます」
「容認」は、認め許すことを表します。本来は認められていない内容も、条件をつけたり理解し合ったりすることで、許可が下りる場合などに使われる言葉です。「容」から受け入れるニュアンスを感じますから、「了承いただく」よりも、受け入れてもらっている点がある場面に使います。
「時間外の使用をご容認いただきありがとうございます」
「本来の数値には足りませんが、ご容認いただきありがとうございます」
「ご承認いただきありがとうございます」
「承認」は、政府または国からの正式な許可を得る際などに使われる表現です。ややかしこまった場面で正式な取り決めが許可された時に使いますよ。
「所有権を承認いただきありがとうございます」
「町内会から、ご承認いただきありがとうございました」
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注意点は?
「ご了承いただきありがとうございます」を使うシーンにおいて、注意する点はどんなところでしょうか?確認してみましょう。
「承諾を得る」よりも前に「お伺いをたてる」
こちらの意向について承諾を得る前に、相手の意向を確かめる必要がある場合があります。自分の利益だけをグイグイ押し付けられても相手は困惑するだけですよね。
交渉のシーンを想定すると、「ご了承いただきありがとうございます」を使うのは最後の場面です。こちらの希望を伝えた後、「どうお考えですか?」と相手の意向を確かめ、必要な調整をした後、改めて「ご了承いただけますか?」とお伺いをたてます。これに対して相手が承諾してくれた時に初めて「承諾いただきありがとうございます」と、感謝を伝える言葉につながります。
相手にとって無理があるお願いではないか、段階を踏む必要はないか、思いやりと気遣いが必要ですね。
「ありがとう」よりも丁寧な表現もある
「了承いただきありがとうございます」は一般的な表現ですが、かしこまった表現が必要なら「感謝申し上げます」「お礼申し上げます」など、感謝を伝える表現は多くあります。「深謝いたします」など、状況や相手に合わせて使い方を工夫すると良いですね。
「多大なご尽力と共に、ご了承いただき心より感謝申し上げます」
お詫びを伴う場合は恐縮の言葉をつける
ビジネスの場では、相手に折れてもらう場面もしばしばあります。そういった時には「恐縮です」「恐れ入ります」というような、お詫びの気持ちを表すクッション言葉を付け加えると、いっそう気持ちが伝わる表現になります。
「こちらの説明不足にも関わらず、ご了承いただき恐れ入ります。」
「煩雑な作業を伴うので恐縮ですが、ご了承いただきありがとうございました」
「了承しました」は目上の方には使わない
「了承しました」は自分が相手の希望に対して、受け入れたことを示す言葉。「承諾」の意味があることから、「それで良いですよ」の意味としても受け取れます。「了承しました」は同僚や後輩に対して使うようにしてください。
目上の方や上司には、「承り(うけたまわり)ました」や「かしこまりました」を使いましょう。
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英語表現は?
「了承」を英語では「accept」「accceptance」「consent」で表します。「willing consent」とすると、「快諾」のニュアンスが強くなります。
「Thank you for your accsptance.」は「ご了承いただきありがとうございます」ですが、「ご快諾いただきありがとうございます」なら「we thank you very much for your consent 」になります。
最後に
ビジネスの場では、こちらの意向を飲み込んでもらう際には言葉の選び方ひとつで、交渉がスムーズに運んだり、そうでなかったりするものです。「ご了承いただきありがとうございます」。この一言が使われるシーンを思い浮かべると、日本語の奥深さと共に、ビジネスの場でも相手を思いやる姿勢や優しさを併せ持つことが、大切なことだと改めて感じられますね。
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