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2023.01.25

【合名会社】とは?合資会社や合同会社との違いを解説

 

合名会社とは、無限責任社員で構成される持分会社のことです。設立に必要なコストや運営に関する制約など、株式会社とは大きく異なります。この記事では、よく似た名前の合資会社・合同会社との違いとともに、合名会社について詳しく解説。日頃のビジネスにぜひ活用してください!

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合名会社は持分会社(もちぶんがいしゃ)のひとつ

合名会社は、持分会社(もちぶんがいしゃ)のひとつです。社員の「持分」を出資の単位とする会社のことを持分会社といいます。株式会社における「株主」を社員が担うようなイメージで、「持分」は「株式」にあたるといえるでしょう。

円陣を組む人々

持分会社は大きく分けて合名会社、合同会社、合資会社があげられます。それぞれ内部関係が比較的自由で、設立しやすいことが特徴です。まずは合名会社の特徴について、さらに掘り下げて確認していきましょう。

合名会社の社員は「無限責任社員」

合名会社の社員は「無限責任社員」のみで構成されています。無限責任社員とは、万が一会社が倒産した際の負債を、自ら返済する必要がある社員のこと。つまり、合名会社の社員は一人ひとりが個人事業主と同じような立場にあるといえます。

無限責任社員に対し、倒産した際の負債に限度がある社員を「有限責任社員」と呼びます。株式会社の社員は、すべて有限責任社員です。

合名会社の社員は万が一の責任が大きなだけに、全員が会社の業務を執行する代表者でもあります。

株式会社にはない「退社制度」がある

合名会社には、株式会社にはない「退社制度」があります。退社制度は「法定退社」と「任意退社」の大きく2つにわかれるのが特徴です。

法定退社は、社員の死亡や除名の決定、退社の希望に他の全社員が同意するといった、法律の定めた事由に当てはまる際に適用されます。

一方、任意退社は6ヶ月前に退社を申し出れば受理される制度です。無限責任社員である合名会社の社員は、退社後には出資金の払い戻し請求がおこなえます。

合名会社と合資会社、合同会社の違い

合名会社と合資会社、合同会社の間には「構成される社員の特性」や「責任の有無」といった違いがあります。

和気藹々と働くビジネスマンたち

前述の通り、合資会社と合同会社は、いずれも合名会社と同様に持分会社の一種です。出資者自らが経営をおこなう組織であることには変わりありません。

しかし、組織構成によって各社のメリットやデメリットは異なります。ここからは、それぞれの違いについて詳しく確認していきましょう。

合資会社は無限責任社員と有限責任社員で構成される

合資会社は、直接事業に関わる無限責任社員と、資本金を提供する有限責任社員とで構成されています。つまり、事業をおこなう経営者と出資するパートナーとで成り立っている会社です。それぞれ1名以上いれば、社員2名で設立することもできます。

合資会社は少ない資本で設立できる法人でしたが、2005年に最低資本制度が撤廃され、2006年に合同会社が作られて以降、需要はさほど多くはありません。

合同会社は有限責任で倒産時のリスクが少ない

合同会社は、2006年の新会社法により誕生した新しい会社形態です。合名会社と違い社員全員が有限責任社員です。ただし、株式会社のように損益配分の制限がないため、出資額に関係なく利益を分配できます。

有限責任社員で構成される合同会社は、合名会社に比べて倒産時のリスクが回避できるというメリットがあります。退社時に出資金が払い戻される退社制度があるのは、合名会社と同様です。

合名会社の3つのメリット

PCを小脇に抱えたビジネスマン

合名会社を設立することには、以下のような3つのメリットがあります。

1. 低コストで設立できる
2. 社員一人ひとりが経営に携わることができる
3. 株式会社のような決算公告が必要ない

株式会社に比べ、低コストで設立でき運営しやすいことは合名会社の大きなメリットです。社員全員が無限責任社員であるからこそのメリットとあわせ、ひとつずつチェックしていきましょう。

1. 低コストで設立できる

合名会社は、株式会社に比べて低コストで設立できます。株式会社を設立する場合、登録免許税や定款の認証などで20万円前後の費用が必要です。一方、合名会社は10万円前後の費用で設立できます。

また、個人事業主として働く場合は、個々で国民年金保険に加入しなくてはいけませんが、合名会社の経営者は厚生年金保険に加入できます。そのため、それぞれが集まって合名会社を設立することは節税対策にもつながるといえるでしょう。

2. 社員一人ひとりが経営に携わることができる

社員全員が無限責任社員である合名会社は、一人ひとりが従業員であると同時に出資者です。そのため、それぞれが経営に携われるというメリットがあります。

出資者と従業員で構成される株式会社の場合、経営方針の主な決定権は出資者にあります。合名会社は出資者と従業員の間の乖離がなく、個々の意見を経営に反映できるのが大きな特徴です。

3. 株式会社のような決算公告が必要ない

合名会社には、株式会社のような決算公告が必要ありません。決算公告とは、利害関係者に限らず広く会社の情報を公開することです。決算公告は法令によって義務付けられており、おこなわないと違法とみなされます。

また、株式会社は法律により、組織形態や役員の任期などが定められています。合名会社はこのような制約もなく、運営の自由度が高いことがメリットのひとつだといえるでしょう。

合名会社の3つのデメリット

電卓とペン、さまざまなグラフを記載した紙

合名会社には、以下のような3つのデメリットもあります。

1. 無限責任のためリスクが大きい
2. 株式会社に比べ認知度が低い
3. 新しい社員を迎えにくい

会社設立を考える際は、メリットと同時にデメリットも把握しておかなくてはいけません。特に、社員全員が無限責任社員で構成される合名会社は、万が一のときのリスクが考えられます。その他のデメリットについても、正しく理解しておきましょう。

1. 無限責任のためリスクが大きい

無限責任社員で構成される合名会社は、倒産時の負債を個々が負う必要があります。有限責任社員のように、抱えるリスクに上限がありません。これは、株式会社や合同会社との大きな違いであり、デメリットでもあります。

事業に失敗し、継続できなくなったときの負債を背負うのは個人事業主と同様です。法人として合名会社を設立しても、抱える責任は変わらないということを理解しておく必要があるでしょう。

2. 株式会社に比べ認知度が低い

合名会社の会社形態をとる企業は、全国に3,000社あまりだといわれています(参考:国税庁「令和2年度分会社標本調査結果」)。株式会社に比べると、認知度は決して高くありません。そのため、ブランド力がないことはデメリットのひとつだと考えられます。

会社としての認知度や信頼度を得るためには、株式会社設立のほうがメリットが大きな方法です。起業の際には、設立費用や運営方針を照らし合わせて検討する必要があるでしょう。

3. 新しい社員を迎えにくい

万が一のリスクが大きな合名会社は、社員同士の信頼関係によって成り立つともいえます。そのため、新しい社員を迎えにくいことがデメリットのひとつです。それぞれの人間関係がうまくいかない場合、運営自体が気まずくなる可能性もあります。

社員それぞれが出資者として経営に関わる以上、個々の意見を尊重し、経営に活かせるだけの関係が必要となってくるでしょう。

合名会社を正しく理解しビジネスに活かそう

合名会社は、社員全員が無限責任社員であることが大きな特徴です。一人ひとりが出資者として会社経営に深く携わります。設立にかかるコストが削減できる一方、倒産時のリスクが高いことも合名会社の特性です。

合名会社のメリット、デメリットについて正しく理解し、起業や取引先とのやり取りといった日々のビジネスに活かしていきましょう。

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