「彼はイケメンだ」
男性の容姿の褒め言葉として、思いつく言葉の1位ではないでしょうか。「イケメン」と言われたり、噂されたりすることで、怒る男性はいないと思います。「イケメン」という言葉が出てくる前に「眉目秀麗」な男性を褒める言葉としては、「ハンサム」が使われていましたよね。
「容貌魁偉の人がいる」
少し難しい言葉なので今まで聞いたことがない方もおられると思いますが、これも男性に対する褒め言葉。「眉目秀麗」がどことなくはかなげな美少年をイメージさせる言葉だとすれば、「容貌魁偉」はガタイの良い男前という感じでしょうか。これも、なかなか話し言葉では使わないですね。試しに使ってみると、は? という顔をされるかも知れません。
「彼は、周囲の女性を虜にするほどの美男だ」
「美男」は「びなん」と読み、顔かたちの美しい男性のことを指します。美男子という言い方もされますね。うっとりするほど美しい容姿を持つ男性に使われます。
英語表現とは?
「眉目秀麗」を英語で表現するとどうなるでしょうか。英語には対応する言葉があるのかも気になりますね。3つ紹介しましょう。
「He is a handsome youth.」(彼はハンサムな若者だ)
この「handsome」という言葉は、もはや日本人が日常的に使用している言葉ですね。「男性の顔立ちや風采がよい様」として日本語の辞書にも出てくるほどです。
「He is a good-looking guy.」(彼は男前だ)
この英単語は日本人にとっては馴染みがなかなかないと思いますが、英語を話す人はよく使用します。有名な姉妹が恋人のことを「good-looking guys」と呼んでいるのを、耳にされた方もおられるのでは… ?
「You are nice person.」(あなたは素晴らしい人だ)
見た目を褒めるのとは少し違うのですが、「nice」と言われて悪い気はしない言葉です。ほかにも人を褒める言葉としては、「good」「amazing」「brilliant」「adorable」「sweet」などがあります。
「眉目秀麗」に似た四字熟語
「容姿端麗」や「容貌魁偉」のほかに、「眉目秀麗」に似た四字熟語はあるのでしょうか? ここでは容姿や人物像を表す四字熟語を6つご紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
才色兼備
「才色兼備」は「さいしょくけんび」と読みます。すぐれた才能や知恵と、美しい容姿をあわせもっていることを意味します。「眉目秀麗」は容姿が優れていることを表す四字熟語ですから、すぐれた才能にたいしても言及しているという点で違いがあります。また、「眉目秀麗」は男性に使われることが多い言葉ですが、「才色兼備」は多くの場合女性を指します。
さいしょく‐けんび【才色兼備】
女性がすぐれた才知と美しい顔かたちをもっていること。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
羞花閉月
「羞花閉月」は「しゅうかへいげつ」と読みます。「花も恥じらい、月も隠れる」という意味から転じて、それほどすぐれて美しい容姿を持つ女性をたとえる言葉です。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
沈魚落雁
「沈魚落雁」は「ちんぎょらくがん」と読みます。「荘子」斉物論の「毛嬙麗姫、人の美とする所也、魚之を見て深く入り、鳥之を見て高く飛ぶ」が由来の四字熟語で、人の目には美しく見えるものも、魚や鳥はこれを見て驚いて逃げるという意味から転じて、魚や雁も圧倒されるほどの美人を表します。すぐれてあでやかな美人の形容に用いる言葉です。
ちんぎょ‐らくがん【沈魚落×雁】
《「荘子」斉物論の「毛嬙麗姫、人の美とする所也、魚之を見て深く入り、鳥之を見て高く飛ぶ」すなわち、人の目には美しく見えるものも、魚や鳥はこれを見て驚いて逃げる意から》魚や雁も圧倒されるほどの美人。すぐれてあでやかな美人の形容に用いる語。閉月羞花しゅうか。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
明眸皓歯
「明眸皓歯」は「めいぼうこうし」と読みます。「明眸」は、明るい瞳。「皓歯」は、白い歯を表し、美しく澄んだひとみと白く整った歯という意味から転じて、美人のたとえとして使われる四字熟語です。中国の詩人、杜甫が「哀江頭」で、楊貴妃の美貌を形容した言葉として有名です。
めいぼう‐こうし〔‐カウシ〕【明×眸×皓歯】
《杜甫「哀江頭」から》美しく澄んだひとみと白く整った歯。美人のたとえにいう。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
朱唇皓歯
「朱唇皓歯」は「しゅしんこうし」と読みます。中国古代の文学作品集『楚辞』の中の「大招」が由来の四字熟語で、「朱唇」は、赤い唇。「皓歯」は、白く輝く歯を表します。赤い唇と白い歯という意味から転じて、美人を形容する言葉として使われています。
しゅしん‐こうし〔‐カウシ〕【朱唇×皓歯】
赤いくちびると白い歯。美人を形容する語。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
鶴髪童顔
「鶴髪童顔」は「かくはつどうがん」と読みます。「鶴髪」はつるの羽毛のように真っ白な髪で、白髪の雅称です。「童顔」は子供のような顔つきを表します。つまり、「鶴髪童顔」は頭の髪は白いが、顔はつやつやとして若々しいことや、そのような人を表す言葉です。「眉目秀麗」と同じく、男性にも使われます。
かくはつ‐どうがん【鶴髪童顔】
頭の髪は白いが、顔はつやつやとして若々しいこと。また、そういう人。
『デジタル大辞泉』(小学館)より引用
「眉目秀麗」の意味と使い方は理解できましたか?
「眉目秀麗」という言葉について、見てきました。字面だけで見ると、女性に対しても十分に使用できそうな表現ですよね。それだけに、「男性に対しての褒め言葉」ということを知らない方もおられたかも知れません。これからは、「眉目秀麗」と「容姿端麗」をうまく使い分けできそうでしょうか。いずれにしても、褒められて嫌な気分になる人はあまりいません。シーンに合わせて、的確に「眉目秀麗」を使いこなしてみてくださいね。
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