粉骨砕身
「粉骨砕身」(ふんこつさいしん)は、力の限り、懸命に働くこと。四字熟語として、骨や身も砕けんばかりに頑張る様子が漢字で表されていますね。目的に向かって努力を惜しまない姿は「東奔西走」する姿と同じようなイメージが湧きます。また表記で「粉骨砕心」と書くのは誤りなので注意してください。
対義語表現にはどのようなものがある?
それでは次に、「東奔西走」の対義語には、どのようなものがあるのか、見ていきましょう。
飽食終日
「飽食」(ほうしょく)は、飽きるまで食べることを表しています。「終日」(しゅうじつ)は一日中という意味。 すなわち「飽食終日」は、食べること以外に何もせず、一日を無駄に過ごしてしまうことを表す言葉。「東奔西走」が、目標を実現するためにあちこち走り回っている様子だとすれば、「飽食終日」は目的もなく何もしない様子を現しているので、対義語といえます。
無為徒食
何もしないでぶらぶらしていることをいう「無為」(むい)という言葉と、働かないで遊び暮らすこと「徒食」(としょく)が合わさっているのは「無為徒食」。「徒」は、「ただ~のみ」という意味で用いられています。「無為徒食」(むいとしょく)は、やるべきことを何もしないでただ遊び暮らすことという意味なので、こちらも「東奔西走」の対義語といえます。
英語表現とは?
「東奔西走」の英語表現を紹介します。「東に西に」という反対の方角を使う表現で、日本語と同じように表現する言葉が英語にはないので、「あちこち」「奔走する」という、言葉の意味でいい表してみます。「あちこち」の英語表現は、「here and there」「all over the place」「everywhere」があります。
「constantly on the move」(絶えず動き回っている)や「run here, there and everywhere」(あちらこちら至るところを走り回る)も、近い意味です。しかし、「東奔西走」の意味に含まれる、「目的を持つ」という意味合いは含まれないので、「in order to ~」や「so that ~」のような表現とともに用いるのがおすすめです。
1:She is constantly on the move.(彼女は始終東奔西走している)
2:He is constantly on the move doing something for the company.(彼は常に会社のために東奔西走している)
3:In order to open a cafe, he ran all over the place and raised funds.(彼はカフェを開業するために、あちこち奔走して資金を調達した)
最後に
東奔西走、右往左往、南船北馬、粉骨砕身など、反対の意味を持つ漢字を合わせた言葉には、まるで映像を見るように人が「動き回る様子」が、それぞれ漢字とその意味から伝わってくるものがたくさんありますね。一方で、全くその逆の「何もしない様子」を表す対義語、飽食終日、無為徒食などの言葉も、文字の成り立ちをみているだけで、その意味が自然と伝わります。日々の暮らしの中で、思いをギュッと込めたいときに、ぜひ使ってみてくださいね。
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