「牽」を含む四字熟語の例は、以下のとおりです。
・「牽衣頓足(けんいとんそく)」別れがつらく、惜しむことを意味する言葉。
・「牽羊悔亡(けんようかいぼう)」正しい方向に導いていけば、後悔するようなことにはならないことを意味する言葉。
・「牽攣乖隔(けんれんかいかく)」お互いに惹かれあっている状態でも、遠くに離れた場所にいることを意味する言葉。
「牽強附会」の3つの類語
「牽強附会」には複数の類語があります。類語の例をあげると、「屁理屈」「でたらめ」「言いがかり」「詭弁」「論点のすり替え」「身勝手な言い分」「ごまかし」などです。これらはすべて、筋が通っていない主張や論理を指して使われる言葉です。
ここでは、以下の3つの類語について詳しくチェックしていきましょう。
1.我田引水
2.漱石枕流
3.こじつけ
我田引水(がでんいんすい)
「我田引水」とは、自分の田んぼにだけ水を引いてくるという意味の言葉です。そこから派生し、こじつける、自分に都合の良いように解釈したり発言したりする、という意味で使われるようになりました。
「我田引水」はどちらかというと利己的に行動することや自分本位な性格を指して使うケースが多いでしょう。「牽強附会」は無理矢理、強引というネガティブな意味合いが強い点が、「我田引水」との違いです。
漱石枕流(そうせきちんりゅう)
「漱石枕流」はこじつけや負けず嫌いという意味がある言葉です。
この語源となったものは中国の詩人の話だといわれています。「石に枕し、流れに口漱ぐ」と言うはずであったものを逆に言ってしまい、そのまま強引にこじつけようとしたという故事に由来する言葉です。
「牽強附会」と同じくこじつけという意味もありますが、その意味よりも負け惜しみが強いことを表現する言葉としてよく使われます。
こじつけ
「こじつけ」は、関係がない物事について無理に理由づけをして関係があるようにすることや、無理に理屈づけること、またその言葉を意味します。「牽強附会」自体の意味を説明する言葉としても、「こじつけ」が使われています。
自分の意見の根拠が乏しいことをわかっていながら、無理やり正当化しようとする場面で使われる言葉です。また、こじつけ以外にも「言葉のレトリック」や「ごまかし」なども「牽強附会」の言い換え表現として使えます。
「牽強附会」の意味を理解して正しく使おう
「牽強附会」とは道理に合わないことを都合よく無理にこじつけることを意味する言葉です。「牽強」と「附会」は両方とも無理やりこじつけることを意味する熟語であり、「牽強附会」は同じ意味の言葉をあわせて作られています。ポジティブな意味合いで使われるケースはなく、こじつけをしている相手を批判したいときに使用される言葉です。
実際に使う場合は、事実を捻じ曲げる、過ちを認めずに言い逃れしようとする人に対して、「それは牽強附会の説である」などと表現します。「牽強附会」の意味や類語表現などを理解して、正しく使えるようになりましょう。
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