「悠々自適」の対義語は「多事多端」「俗用多端」など
一方で、「悠々自適」の対義語には「多事多端」や「俗用多端」などがあります。
「多事多端」
「多事多端(たじたたん)」は、仕事が忙しい様子や、事件などが続き世間が騒がしい様子のたとえです。「多事」は仕事や異常な出来事が起きて忙しく、「多端」は多方面について忙しいという意味です。
【多事多端】
1. 仕事が多くて、非常に忙しいこと。また、そのさま。
2. 事件がうち続き、世の中が騒がしくて穏やかでないこと。また、そのさま。
「俗用多端」
「俗用多端(ぞくようたたん)」は、雑事に追われて忙しいことを意味する言葉です。「俗用」とは日常における雑用や、面白くない仕事のことです。
「悠々自適」の英語表現
「悠々自適」は「comfort」や「free」を使って表現することができます。
comfortの意味
身体的に安楽な状態(解説的語義)
安楽,快適さ
《例文》
- live in comfort(悠々自適の生活をする)
live in comfortには直訳すると「快適に暮らす」という意味があり、悠々自適な生活を表す言葉です。
freeの意味
1〈人・物などが〉(拘束されずに)自由な(解説的語義)
〈人・動物が〉解放された,監禁されていない,身を振りほどいて,〈物が〉固定されていない;((歴史上))奴隷ではない
2〈動きなどが〉妨げのない(解説的語義)
のびのびした,くつろいだ;《物理学》動力なしで動く,重力以外の力を受けない;《海事》〈風が〉追い風の,順風の
3〈社会・制度などが〉自由を尊重する(解説的語義)
自由主義の[に基づく],(政治的に)独立した;(政治活動の名称に用いて)自由を目ざす([連語] free+名:〔社会〕society/country;〔制度〕trade/market/election/press/economy)
《例文》
- live free from worldly cares(悠々自適の生活をする)
live free from worldly caresは直訳すると「世俗的な心配から自由に生きる」という意味になります。悠々自適は世間に煩わされず好きなことをして自由に暮らすことですから、世俗的な心配から解放された状態を英語で表すことで、「悠々自適」を表現できます。
「悠々自適」な生活をするための豆知識
最近ではFIRE(早期リタイヤ)という言葉をよく聞くようになりました。若いうちから将来を見据えて投資などで資金を形成し、早期に退職して好きなことをやりながら過ごすという生き方です。夢のようなライフスタイルに思えますが、老後資金が本当に足りるのかという問題をきちんとクリアしなければ、早期に退職したことを後悔してしまうかもしれません。人生設計をしっかりすることが、「悠々自適」な生活には必須といえます。
今回は、定年後の「悠々自適」な暮らしにフォーカスをあて、憧れの生活を実現するための豆知識を解説します。もちろんFIREなど若いうちからの「悠々自適」な生活に当てはまることも多くあるので、参考にしてみてください。
「悠々自適」な生活のために準備しておくこと3つ
「悠々自適」な生活のために、事前の準備をおすすめするのは次の3点です。
体力づくりをしておく
「悠々自適」な生活には体力づくりが欠かせません。せっかく自由な生活を手に入れても、病院通いに時間の大半を取られてしまったら本末転倒です。
生活に必要なお金を把握しておく
月々に必要なお金はいくらなのか、事前に把握しておくことをおすすめします。豊富なお金がなくても工夫次第で自由きままな生活はできますが、最低限のお金は必要になります。年金や退職金などのやりくりによって、自分らしい暮らしができるかをシミュレーションしておきましょう。
スマホやタブレットなどIT機器に親しんでおく
スマホやタブレットなどに親しんでおくことも重要です。情報収集や買い物などで大活躍する、今や生活に欠かせないものの代表格です。「悠々自適」な生活のスタートに備えて、使い方をマスターしておくと便利ですよ。
「悠々自適」な生活を楽しむための行動5つ
「悠々自適」な生活が実際に始まってから、やるべきことは次の5点です。
体を動かす趣味を持つ
事前の準備でも触れましたが、「悠々自適」な生活にもっとも重要なものは健康な体です。ウォーキングやハイキング、社交ダンスなど、楽しみながら体を動かす習慣があれば、けがをしたり病気になる可能性も低くなるでしょう。
不用品を整理する
家の中の不用品を整理して、すっきりさせることもおすすめです。部屋中に物があふれていると、ふとした拍子につまずくリスクが高まります。年をとると骨折をしやすくなっているため、不要なものは処分し導線を確保しましょう。
収入源を増やす方法を検討する
事前のシミュレーションによって、生活資金にあまり余裕がないとわかった場合、退職金やこれまでの貯金などを上手に活用して収入源を確保することを検討しましょう。タンス預金で眠らせておくのではなく、自分にあった無理のない投資の方法などを調べてみてもよいかもしれません。
情報収集を欠かさない
スマホやタブレットなどを活用して、生活に必要な情報を常にアップデートしておきましょう。インターネットを検索すれば、ほとんどの情報を得ることができる時代です。そのためにも、悠々自適な生活をスタートする前に、ある程度IT機器の使い方に慣れておくと良いですね。
家族との関係を大切にする
また、大半の人にとって家庭が定年後の主な居場所になります。家族の存在に感謝し、お互いに心地よいと思える距離感や関係性を確立しましょう。
「悠々自適」な生活で意識したいこと3つ
「悠々自適」な生活を成功させるための注意点は以下の3点です。
生活資金が足りているか、常に確認する
生活を送る上で必要なお金が足りているか、常に確認しましょう。時間がたくさんあるため、気づいたら思った以上に貯蓄が減っていたという状況は避けたいものです。
家の中にこもりがちにならないようにする
人によっては家にこもってテレビばかり見る生活になるかもしれません。引きもこりがちになるとうつ傾向になる可能性があり、運動不足になるため健康面にも悪影響です。適度に外に出て、運動や人とのコミュニケーションを楽しみましょう。
詐欺やうまい話に注意する
詐欺やうまい話に敏感になり、詐欺被害にあわないようにすることも大切です。悠々自適な生活のために投資などに興味をもつうちに、儲け話に引っかかってしまうことも考えられます。自分だけは大丈夫と思わず、持ちかけられた話に対して冷静に判断するように心がけましょう。
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「悠々自適」を理解し、理想の生活の準備をしよう
「悠々自適」は、世間に煩わされることなく、自由に生活する様子をあらわす言葉です。主に定年後などに働かずに過ごすライフスタイルのことを指し、ポジティブなニュアンスと憧れを込めて表現されることがほとんどです。
ただし、多くの人にとってはこれまでの暮らしとは生活スタイルがかなり異なるはずです。そのため、「悠々自適」な生活のために事前の準備をしておく必要があるでしょう。「悠々自適」を理解することが、理想の生活の実現への一歩につながるはずです。
(引用すべて、小学館『デジタル大辞泉』より)
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