斟酌(しんしゃく)
「斟酌」とは「相手の気持ちをくみ取って、行動を起こす」という意味の言葉です。裁判でも用いられますが、忖度と同じく日常生活でも用いられます。
しかし、単に相手の気持ちを考える忖度とは異なり、斟酌では一歩踏み込んで、行動を起こすことが異なるといえるでしょう。例えば、次のように用いることができます。
例文
・もう少し斟酌してから提案書を作成するほうがよいと思う。相手の気持ちが反映されていないので、何度もやり直しを命じられるだけだよ。
・祖母が亡くなったばかりの彼女の気持ちに斟酌し、今日は出かけるのを止めた。
「情状酌量」を使った例文
情状酌量という言葉は、裁判でも日常生活でも用いることができます。情状酌量は次のいずれかの言い回しで使うことが一般的です。
情状酌量の余地あり
「情状酌量の余地あり」とは、訴えられている人、つまり被告の事情を考えると、刑罰を軽くすることができるという意味の表現です。例えば次のように使うことができます。
例文
・彼女は確かに殺人を犯したが、殺人に至る経緯を聞くと、情状酌量の余地ありと考えられる。
・彼が心から反省しているのは明らかだ。情状酌量の余地ありのため、執行猶予がつく可能性が高い。
情状酌量の余地なし
反対に、被告の事情に同情できない場合は「情状酌量の余地なし」と表現します。次のように使えるでしょう。
例文
・明らかに彼が悪い。情状酌量の余地なしだ。
・情状酌量の余地なしとはまさにこのことだ。彼女の勝手な行動で多くの人が迷惑を受けている。
「情状酌量」の意味を正しく理解しよう
情状酌量とは、訴えられている人の事情に同情して、罪を軽減することを意味する言葉です。裁判で用いることもありますが、日常的にも使えます。意味を正しく理解して、適切な場面で用いましょう。
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