苦言を呈する
「苦言を呈する」とは「くげんをていする」と読み、「言いにくいことをあえて相手に伝える」という意味です。相手にとって聞きたくない言葉であっても、その人のことを思うが故に、あえて厳しい言葉を伝えるときに使用します。
例えばビジネスにおいて、遅刻を繰り返す人がいれば、あえて厳しい言葉で改善を求めるように伝えることもあるでしょう。ただし相手への悪口や暴言ではなく、相手の利益のために伝える言葉であることに注意が必要です。
【例文】
・直接言いにくいが、部下のために【苦言を呈する】ことにした。
・私の親友は、面と向かって【苦言を呈して】くれるため、信頼できる友人の一人である。
「釘を刺す」の対義語
「釘を刺す」の対義語は、以下のとおりです。
軽率
軽率(けいそつ)
物事を深く考えずに軽々しく行うこと。また、そのさま。かるはずみ。「―な判断」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「軽率」とは、軽はずみな様を表す言葉です。「釘を刺す」とは異なり、物事を深く考えていないときに使用します。
うっかり
うっかり
1.ぼんやりして注意が行き届かないさま。「―(と)秘密をしゃべる」「―して大事な物を置き忘れた」
2.心をひかれて他に注意の向かないさま。うっとり。
「擦寄って、―と見惚(みと)れて居る」
(引用〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
「うっかり」とは、注意力が不足している様を表現するときに使用する言葉です。「釘を刺す」とは注意や警告するときに使用するため、正反対の意味を持つ言葉だといえるでしょう。
「釘を刺す」の意味を正しく理解しよう
「釘を刺す」とは、トラブルに発展しないよう、相手に念を押すという意味です。トラブルを未然に防ぎたいときや、再度同じ間違いを起こさないように警告するときに使用します。
ただし「釘を刺す」には「念を押す」という意味が込められていることから、目上の人には使用しません。そのため、相手によって使い分けることが大切です。釘を刺すの類義語や対義語との違いも理解して、正しく使用しましょう。
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