接足作礼(せっそくさらい)
「接足作礼」は「五体投地」とほぼ同じ意味の言葉を表す言葉で、読み方は「せっそくさらい」 です。つまり「五体投地」と同じように、額と両ひじ両ひざを地面につけて、礼をします。
「五体投地」との違いは「接足」の部分でしょう。動作そのものは同じですが、「接足」は仏の足に触れて行う礼を表しており、相手の足を両手でいただきながら、自分の額を地面につけるという部分を強調した言葉になっています。
ただし、目の前に相手の足がない状態で行われるのが一般的であるため、「五体投地」との違いはありません。
土下座(どげざ)
「土下座」とは地面や床にひざまずいて、頭をつく姿勢のことで、謝罪する場合と身分の高い人が通行する際に礼をする場合の2つのケースがあります。礼を表す「土下座」は日本で古くより広まっており、『魏志倭人伝』にも記述があります。
「土下座」が謝罪の定番となったのは大正時代から昭和にかけてという説が一般的です。「五体投地」とポーズは似ていますが、意味合いは大きく異なります。
稽首(けいしゅ)
「稽首」とは頭を地につくまで下げて礼をすることで、読み方は「けいしゅ」です。五体投地と同じように仏教用語であり、姿勢としても共通するところがありますが、「稽首」で言及されているのは頭の部分だけである点が違いといえるでしょう。
また「稽首」は手紙の文面の最後に末尾に敬意を表して添えられる言葉でもあります。「謹言」や「再拝」といった言葉を加えて、「稽首謹言」「稽首再拝」と締めることもあります。
「五体投地」の意味と使う場面を知って正しく使おう
「五体投地」は額と両ひじと両ひざを地面につける拝礼方法で、仏教ではもっとも丁寧な礼とされています。寺院の僧侶の拝礼や巡礼の旅人の拝礼などが有名ですが、宗教的な意味合いが強く、一般の人の間で行われることは多くはありません。
しかし、ヨガのポーズとしても普及しているため、「五体投地」という名前も広く認知されるようになってきました。「五体投地」の意味と使う場面を知って、正しい使い方をしてください。
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