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2022.03.03

【帷子(かたびら)】って何のこと?実は4つもある意味や関連語をチェックしよう

「帷子」とは裏地のない衣類の総称です。着物を着ない人にはあまり知られていない言葉ですが、そのほかにも3つの意味があるので、この記事でしっかり確認していきましょう。

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「帷子」とは裏地のない衣類の総称

みなさんは「帷子」というものをご存じでしょうか?着物を着用する方にとっては、聞き覚えのある言葉かもしれませんが、あまり一般的とはいえません。ここでは、「帷子」の読み方と、語句がもつ4つの意味を解説していきます。

帷子

「帷子」は文脈によって、衣服の総称であったり着物そのものを指したりと、意味が変わります。「帷子」の意味を知って、正しく使えるようになりましょう。

読み方は「かたびら」

「帷子」と書いて、その読み方は「かたびら」

それぞれの漢字の読み方を解説すると「帷」という字には「とばり」と「かたびら」いう読み方があります。そうです、実は「帷」の一文字で「カタビラ」と読むことができるのです。

そして「子」には、「し」「す」「こ」「ね」などの読み方がありますが、「カタビラ」に関する読み方はありません。つまり「帷子」で使われる「子」は「置き字(もしくは黙字)」ということになります。

置き字とは、漢字はあるけれど、発音をしない字ということです。「和泉(いずみ)」などは「泉」だけで「いずみ」と読み「和」は発音しませんよね。「帷子」の「子」も同じです。

「帷子」の意味は4つある

「帷子(カタビラ)」は、以下4つの意味をもつ言葉です。
「経帷子」とは、葬式をあげる際に、死者に着せる白い着物のことです。いわゆる「白装束」のことを指します。つまり「帷子」=白装束という意味で用いられることもあるということです。

1.裏地をつけない衣服の総称
2.麻布で仕立てられた、夏に着る着物のこと
3.経帷子(キョウカタビラ)のこと
4.帳(トバリ)や几帳(キチョウ)などに、垂らして使う絹のこと

(引用<goo辞書>より)

帳や几帳とは、室内で間仕切りや目隠しのために使われる「屏障具(ヘイショウグ)」のひとつです。

「帷子」の使い方を例文でご紹介

4つの意味からも分かるとおり、「帷子」は現代では、あまり聞き慣れない言葉です。
では一体どのようなシーンで使われる言葉なのでしょうか。有名作家の小説から、「帷子」が実際に使われている一文を紹介します。

帷子

紋を染めた【古帷子(ふるかたびら)】に何か黒い帯をしめた、武家の女房らしい女である/『おしの』芥川龍之介

十八九ばかりの書生風の男で、【浴帷子(ゆかたびら/ゆかたのこと)】に小倉袴を穿いて、麦藁帽子を被って来たのを、女中達が覗いて見て/『心中』森鴎外

青き頭巾を眉深に被り空色の絹の下に鎖り帷子くさりかたびら)をつけた立派な男はワイアットであろう。/『倫敦塔』夏目漱石

「帷子」の由来や関連する難読漢字は?

着物に関連する意味を多くもつ「帷子」。そのことからも、古くから使われてきた言葉なのだろうとイメージできますよね。では「帷子」という言葉には、どのような由来があるのでしょう。

帷子

ここでは「帷子」という、言葉の由来とともに、関連する「帷幄」という言葉についても解説していきます。難読漢字とされている「帷幄」は、どのような言葉なのでしょうか。さっそく見ていきましょう。

「帷子」の由来は「かたひら」

「帷子」は着物を表す言葉です。そして着物とは、大きく2種類に分類されます。
1つ目は、2枚の生地を縫い合わせた、裏地のある着物です。このような着物のことを「袷(アワセ)」と呼びます。対して、裏地がなく、1枚の生地から成る着物のことを「単(ヒトエ)」といいます

そして「単」のなかでも、麻布を使って仕立てられた着物が「帷子」です。裏地のついた「袷」から裏地としている1枚と取った「片方の1枚」という意味から、裏地のない着物を「帷子」と呼びはじめました。

具体的には「片方の1枚」から「片枚(カタヒラ)」となり、最終的には、現在のように「帷子」となったとのこと。つまり「帷子」の語源は「片枚」なのです。

関連する難読漢字は「帷幄(いあく)」

「帷子」と関連性の深い言葉として「帷幄」というものがあります。「帷幄」と書いて「イアク」と読むこの言葉は、作戦を立てる際の「本陣」という意味をもちます。「帷」という漢字そのものが、室内と外とを分けるために使われる「垂れ布」という意味をもつのです。

「着物とは関係ないなら、帷子との関連はないのでは?」と思われるかもしれません。

しかし、「帷子」には「帳(トバリ)や几帳(キチョウ)などに、垂らして使う絹のこと」といった意味があることを、思い出してください。

昔は戦などの際、本陣の周りを垂れ布で覆い、目隠しをしました。この垂れ布こそが、「帷子」と関係の深いものなのです。

「帷子」を使った慣用句「帷子雪」とは

繰り返しになりますが、「帷子」は麻布でできた、裏地のない着物のことを指します。その特徴から、「帷子」を使った慣用句のなかに「帷子雪(カタビラユキ)」という言葉があります。

帷子

なんだか綺麗な響きの言葉ですが、一体どのような意味で使われるのでしょうか?「帷子雪」について、その意味や使われるシーンなどを解説していきます。

薄く積もった雪のこと

「帷子」とは裏地のない1枚の着物のことです。当然、裏地のある着物よりも、裏地のない着物のほうが薄いつくりとなります。その特徴から「薄く積もった雪」のことを、「帷子雪」と呼ぶようになりました。

都心などでは、雪が降ってもあまり高く積もることはないため、この「帷子雪」を目にする機会は多いでしょう。すぐに溶けてしまう儚さが、薄い着物のイメージとぴったりですね。

もともとは冬の季語だった

俳句などに登場する「帷子雪」ですが、もともとは冬の季語として使われていました。しかし、現在では「春の季語」として多く使われています。

たしかに、冬に積もる雪は薄くはありませんよね。どちらかといえば、初冬や春先にかけてと表したほうが言葉の意味と合っているように感じます。春先に降る、うっすら積もって消える「淡雪」と同じ意味として使われています。

まとめ

帷子」という語句の読み方や意味、由来を解説しました。普段、着物を着る機会が少ない方にとっては、言葉自体に触れること、使うことがあまりないかもしれません。

帷子

しかし「帷子」を使った「帷子雪」などは、春の季語として活用しやすいでしょう。ぜひ、「帷子」の意味や由来などを踏まえて、文章中でも有効に活用してみてください。

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