使い方を例文でチェック
「泰然自若」は座右の銘として人気のある四字熟語ですが、会話の中ではあまり使う機会が少ないかも知れません。「泰然自若」は落ち着いた様子を表すため、職場やビジネスシーンなどで使うこともできますよ。それでは例文を紹介します。
「会社でトラブルが起きた時も、先輩は泰然自若な態度で対応した」
「泰然自若」は、どっしりとした態度で動じない様子を表す言葉。そのため、職場では上司や目上の人に対して使うことが多い表現です。突然のトラブルに見舞われても、今までの経験と知恵を生かして冷静に対処することができます。小さなことで一喜一憂せず、広い視野で物事を考えることができる人は、頼もしく感じますよね。
「周りの意見に左右されず、泰然自若な精神を身につけたい」
「泰然自若」には、「泰然自若な心」「泰然自若な精神」という使い方もあります。どんなことがあっても揺るがない強い精神力に憧れる人もいることでしょう。「泰然自若」はそんなメンタルの強さが含まれた言葉です。
「彼女の泰然自若とした対応は素晴らしい」
「泰然自若」は、褒め言葉としても使用できます。予想外の出来事に対して冷静な対応ができる人は、どんな環境でも一目置かれる存在です。尊敬の念を込め、褒め言葉として使ってみてはいかがでしょうか。
類語や言い換え表現とは?
「泰然自若」の類語は知っていますか? 中には、座右の銘として使われるものもありますので、ぜひ意味も合わせて覚えておきましょう。
明鏡止水
明鏡止水は、「めいきょうしすい」と読みます。意味は以下の通りです。
曇りのない鏡と静かな水。なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態をいう。(<小学館デジタル大辞泉>より)
「明鏡」とは、「曇りのない鏡」。「止水」とは、「流れないでじっととどまっている水。たまり水」のことです。つまり邪念や雑念がなく、心の中が清らかですっきりとしているような状態を指します。迷いや怒りなどの感情に振り回されることなく、心が落ち着いている様は、「泰然自若」と似ていますね。こちらも座右の銘としてよく選ばれる四字熟語のひとつです。
・座禅に取り組んでいるときは、まさに明鏡止水の心境だった。
・明鏡止水のような心の美しい人になりたい。
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冷静沈着
普段よく耳にする「冷静沈着(れいせいちんちゃく)」という言葉も、「泰然自若」の類義語です。意味は、「感情に左右されず、落ち着いていること」です。「冷静」と「沈着」どちらの言葉も「落ち着いていて、物事に動じない」という意味があります。そのことから同じ意味を重ねて、意味を強調した四字熟語となりますね。
どんなことがあっても、冷静さを保ち、動揺することがない人のことを「冷静沈着な人」と表現します。
・彼女はいつも冷静沈着に仕事を終わらせる。
・社内で地震が起きた時も彼は冷静沈着だった。
鷹揚自若
鷹揚自若とは、「おうようじじゃく」と読みます。意味は、「落ち着いていて何事にも動揺しない様子」です。「鷹揚」は、「鷹が空を悠然と飛ぶように、小さなことに拘らずゆったりとしているさま」。「自若」は、「落ち着いていて、心や態度に少しの乱れもないさま」を表します。心が広くおおらかな様子が感じられる四字熟語ですね。
・A君の鷹揚自若な態度をみんな見習うべきだ。
・彼女は鷹揚自若に広い視野で物事を見ることができる。
神色自若
「神色自若」は、「しんしょくじじゃく」と読みます。重大事に直面しても冷静で、顔色が少しも変わらないことという意味です。「神色」は精神と顔色を意味し、「自若」は落ち着いている様子を指します。「自若」が使われている表現には、ほかに「泰然自若(たいぜんじじゃく)」などが挙げられるでしょう。
いずれも、何があっても落ち着いているという意味をもつ表現です。どんなにうれしいことがあったとしても、表情を変えずに冷静沈着としているというニュアンスで使われることもあるため、「泰然自若」と同じような意味で使うことができます。
・部長は危急のときにも神色自若としていて、とても頼もしかった。
・大きなミスがあったが、A君は神色自若として動じず、適切な対処をしたことで大ごとにならずその場を収めることができた。