礼も過ぎれば無礼になる
四字熟語である「慇懃無礼」と言い換える表現として「礼も過ぎれば無礼になる」があり、意味がストレートに伝わる言葉といえます。本人が自覚なしに丁寧な態度を取りすぎているという意味合いが強い表現です。あまりに相手をヨイショする態度を見かねて「礼も過ぎれば無礼になるよ」などと助言するときに使います。
「慇懃無礼」な人の特徴とは?
あなたの身の回りに「慇懃無礼」な人はいますか? はたまた、自分では全くその気がないのに「慇懃無礼」と言われてしまったという方もいるかもしれません。
周囲に「慇懃無礼」な人がいるか、女性約100人にリサーチしてみました。
【質問】周りに「慇懃無礼」な人はいますか?
・いる…15.1%
・いない…84.9%
※アンケートは30~49歳の日本全国のワーキングマザーを対象にDomani編集部が質問。調査設問数10問、調査回収人数120名。
周囲に慇懃無礼な人が「いる」と答えたのは15.1%でした。その理由とは…? みなさんの体験談をご紹介します。
【体験談】慇懃無礼な人だと思った理由は?
・言葉は丁寧でも馬鹿にした言い回し(40代・滋賀県)
・挨拶は出来て丁寧そうだが、実際はPTAの仕事は全く担わず、知らないふりを平気でする(30代・北海道)
・やたら「すみません」「ごめんなさい」を連発するが、態度では謝っているように見えない人(40代・兵庫県)
・本人には良いことを言い、他の人には悪口を言って笑い物にしている(40代・静岡県)
続いては、「慇懃無礼」という言葉が当てはまる人の特徴を3つ例に挙げてご紹介します。チェックしてみましょう。
態度が丁寧すぎる
「慇懃無礼」に思われてしまう人の特徴として、「態度がいつまでも丁寧すぎる」ことが挙げられます。何度も会っている相手なのに、いつまでも初対面のような丁寧な口調で話したり、お堅い態度をとっていると、「他人行儀でよそよそしい」と受け取られてしまう可能性も。相手のことを尊重しすぎて、かえってマイナスな印象を持たれてしまうこともあるのです。
言葉遣いが不自然
相手から「慇懃無礼だな」と思われてしまう人は、言葉遣いが不自然な傾向があります。例えば、親しい同僚や後輩に対して「〇〇さん」と、あえて「さんづけ」で呼んだり、やけに「です・ます」を多用して話したりすることが挙げられます。
このように、仲の良い相手にもあえて丁寧な態度をとる人のことを「慇懃無礼キャラ」というようです。学園もののアニメなどで思い浮かぶキャラクターもいるのではないでしょうか。
裏表が激しい
「慇懃無礼」な人は、裏表が激しいことも。さっきまであんなに礼儀正しくしていたのに、本人がいなくなった途端に悪口を言ったりするケースもあります。
会社の上司など、自分よりも立場が上の人には媚びて、自分よりも下の立場の人には偉そうな態度をとることも珍しくありません。表面上は丁寧にしているけれど、内心は相手に対して逆らっているのかもしれません。
英語表現とは?
「慇懃無礼」を英語で表現する場合は、「丁寧すぎる」「ごまをする」という意味の「smarmy」を使ってみましょう。「smarmy」には、他にも「お世辞たらたら」という意味があります。いずれにしても人を非難するネガティブな表現といえるでしょう。
《例文》
・He is such a smarmy(彼は慇懃無礼だ)
最後に
「慇懃無礼」とは、「表面は丁寧で礼儀正しいように見えるが、実は尊大で無礼なこと」。意味の通り、内心相手を見下しているときにも使われますが、実際の生活では、思ってもみないことで、相手から「慇懃無礼」とたしなめられたというケースも多いのではないでしょうか。
あまりに丁寧すぎる態度をとっていることが、かえって失礼になっている場面もよくあることです。相手との関係や距離感を見直して、「慇懃無礼」な態度を避けたいものです。
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