他人がしている悪行から学ぶ「人のふり見て我がふり直せ」
2つ目の類義語は、他人がしている悪行から学ぶ意味がある「人のふり見て我がふり直せ」です。辞書ではこのように解説されています。
【人のふり見て我がふり直せ】
他人の行いの善悪を見て、自分の行いを反省し、改めよ。
(引用すべて〈小学館 デジタル大辞泉〉より)
人の経験や失敗を見て自分自身が気づいていなかったことを改めて自覚し、直していくといったニュアンスも含んでいます。「自分は同じことをしていないか」行動を振り返るところが、「反面教師」と異なる点です。
以下で例文をご紹介するので、見ていきましょう。
【例文】
・友人がケアレスミス100点を取り逃していた。【人のふり見て我がふり直せ】で、自分はあのような失敗が無いよう見直しをしっかりしよう。
戒めの意味もある「人を以て鑑となす」
3つ目の類義語は、戒めの意味もある「人を以て鑑となす」です。唐書に記載されていた言葉で、鑑は鏡のことを指します。相手の悪い部分は、鏡のように自分にも同様の部分があるからこそ理解できるといった意味があります。
相手の悪い部分を見たら、自分にも同様の部分があるから気をつけなければいけないと戒める言葉です。
以下で例文をご紹介します。
【例文】
・【人を以て鑑となす】ことは、人として重要なことである。
【目次】
「反面教師」の対義語
「反面教師」には、以下の対義語も存在します。
・正面教師:良い手本であり、正しいことを教えてくれる人
・模範:見習うべき手本
・見本:具体的な例
いい部分を見て習う対象という意味合いが込められている言葉が、対義語として存在しています。中には「教師」が対義語である説もあります。
しかし、教師は自ら教えるのに対して「反面教師」は教えてくれません。そこに違いがあるため、教師は対義語にはならないのです。
まとめ
「反面教師」とは「悪いことをしている人を見て反省する」ことです。中国の毛沢東が発案した言葉で、組織で実践していました。
「反面教師」を良い部分を学ぶときにも使うのは誤りです。正しくは悪い行いをしている人を見て、反省することなので注意しましょう。「反面教師」の使い方に悩む方は、今回ご紹介したことを参考にしてみてください。
「反面教師」には、類義語もあります。「反面教師」とニュアンスが少し違う言葉もあるため、使うときには注意しましょう。良い部分について言及したいときは対義語を使ってください。
イラスト/(C) Shutterstock.com
▼あわせて読みたい