リスクマネジメントに関する仕事をしている君がSNSで炎上するなんて、「医者の不養生」とはこのことだ。
前で少し触れましたが、「医者の不養生」は、医者以外にも使うことができる言葉です。リスクマネジメントの専門家が、SNS上のふとした発言で炎上! そのような場合にも使えるフレーズです。
医者の不養生だなと思う時は?
普段の生活の中で、「これは医者の不養生だな…」と思う時とは、どのような場面でしょうか? よくある例を3つ紹介します。
医者が、ストレス管理を怠っている場合
医者や心理カウンセラーなどは専門家として、患者に健康管理の大切さを説明しますよね。しかし、当の本人が仕事が忙しくて、自分のストレス管理に手が行き渡っていないということは、実はよくあることではないでしょうか?
長時間労働や、手術や診察、勉強などでスケジュールがいっぱいになっており、休むことができず慢性的な疲労を抱えている場合もあるでしょう。このような状態はまさに、「医者の不養生」と呼べますよね。
栄養士が、不規則な食生活を送っている場合
健康的な食事を考えたり、栄養バランスの取り方のアドバイスをする栄養士。しかし、栄養学の勉強をしたり、患者の食事計画などを考えるのに忙しく、肝心の自分の食生活は不規則なんてことも…。
ファーストフードを食べたり、サプリメントに頼って野菜を摂らないのは本末転倒ですよね。他人に、「健康的な食生活を心がけてください」と言いながら、自分が実践できていない状態は、「医者の不養生」と言えるでしょう。
フィットネスインストラクターが、運動不足になっている場合
フィットネスインストラクターは、健康の大切さを伝える職業ですが、人気講師になるほどレッスンの指導に追われて、自分自身の時間がもてず、ストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。自分自身の健康状態が良くないにも関わらず、生徒に対して「運動をすることが大切!」と言っても、説得力がありませんよね…。
「医者の不養生」の類語や似たことわざは?
「医者の不養生」の類語は数多くあります。ここでは主な類語と、まぎらわしい表現を、あわせて紹介しましょう。
紺屋の白袴
「紺屋の白袴」とは、紺屋(染物屋)が客の染物で忙しく、自分の袴が染められないことから、他人のことばかりで自分のことには手が回らない(かまわない)ことをたとえたものです。
大工の掘っ立て
「大工の掘っ立て」とは、他人の住む立派な家は建てるのに、自分の家は粗末(掘っ立て小屋)だという意味です。人のことばかりで自分のことにはかまわないことから、「医者の不養生」と同じ意味を持つ言葉ですね。
河童の川流れ・弘法も筆の誤り・猿も木から落ちる
これらの言葉は一見類語のようにも思えますが、「優れた人でも失敗することがある」という意味なので、「医者の不養生」の類語とはいえません。「医者の不養生」は、頭ではわかっているのに、自分は実行できないというところがポイントです。
「医者の不養生」の英語表現とは?
「医者の不養生」と同じ意味を持つ英語表現について紹介します。
「A physician often neglects his own health.」(医者の不養生)
まさに「医者の不養生」を表していますね。慣用表現になります。physicianとは、医者のことです。
最後に
医者や専門家に限らず、頭ではわかっていても、自分のこととなるとなかなか実行できないことはあるもの。「医者の不養生」と言われてしまわないように、健康管理や食生活に関して、自分でも実行できるように気を付けたいですね。
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