「足もとを見る」の意味とは?
ビジネスシーンだけでなく、普段から何気なく使っている人も多い「足もとを見る」という言葉、その意味や語源を説明できますか?語源を知ると、なぜこのような意味で使われているのか理解が深まるはず。例文・類語・英語表現を含めて紹介しますので、一緒にチェックしていきましょう。
意味と語源
「足もとを見る」は「あしもとをみる」と読みます。語源は、江戸時代まで存在した旅人などを乗せる駕籠(かご)をかつぐ職業の人が、行っていたことに由来します。
駕籠かきと呼ばれる人たちは、まず駕籠に乗ってくれそうな人を探します。フラフラとした足取りや足元の汚れなどで疲れ具合を見極めるのです。そして、疲れた人たちの「すぐにでも駕籠に乗りたい」という心理を利用し、法外な額を要求するというようなことが行われていました。
このことから、「足もとを見る」は「相手の弱いところを利用し、自分の都合の良いように扱うこと」という意味で使われるようになったといわれています。
ビジネス等で使う時の注意点
「足もと」は「足元」「足許」「足下」とも書きますが、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。 まず、「足元」は「地面に足がついているところ、その周り」を指す言葉。「足許」は「立っている足の周辺」、「足下」は「足の裏」を意味します。つまり、それぞれ指している範囲が少しずつ違うことがわかります。
「足もとを見る」は「足元を見る」「足許を見る」「足下を見る」という漢字の表記も見かけますが、辞書では「足元を見る」と記載されているため、「足元」を使うのがよいでしょう。
使い⽅を例⽂でチェック
それでは、「足もと」の使い方を見ていきましょう。例文で3つ紹介します。
「あの人はいつも相手の足もとを見て行動している」
「足もとを見る」はよい意味では使われません。この例文では、相手の弱点を見つけて、自分に利が出るように立ち回っている人を揶揄しています。
「ああいう、足もとを見る言動は許せない」
語源では実際に「足もとを見る」ことで、相手を品定めしていました。しかし現在の「足もとを見る」という行為は、相手の弱点や苦手なところを、あえて伝えて自分が有利になるように物事を運ぶことをいいます。足もとを見る言動は、相手に不快感を与えることでしょう。
「取引先の前で、足もとを見られないように事前準備を怠らない」
「足もとを見る」は「足もとを見られる」という形でも使用できます。ビジネスシーンで使えるフレーズです。取引先に弱みを知られてしまうと、契約などの交渉自体が成り立たないこともあるでしょう。そうならないために、用意周到に準備するということを表した一文です。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
次に、「足もと」の類語や言い換え表現を3つ紹介します。