犀は絶滅の危機にさらされている
犀は絶滅の危機にさらされている動物です。犀が絶滅に瀕している要因は犀の密猟です。昔は食料にすることを目的に犀の狩猟が行われていましたが、現在では犀のツノを使って薬を作るために乱獲が繰り返されています。しかし、犀のツノに薬としての効果はないといわれています。
犀の絶滅を防ぐためにあらかじめツノを落とすなどの対策がなされていますが、治安による問題などもあり、深刻な状況が続いていることには変わりありません。犀の現状を知るとともに、人と野生動物の共存の仕方を見つめ直す必要があるでしょう。
犀以外にもある!動物を表す難読漢字4選
読み方が難しい動物の漢字は犀以外にもたくさんあります。例えば、以下の4つは動物の名前を表す難読漢字です。それぞれ正しく読めるかどうか考えてみてください。
1.膃肭臍
2.樹懶
3.鼯
4.長尾驢
どれも水族館や動物園で見られる動物のため、犀とあわせて読み方を覚えておきましょう。それぞれの漢字の読み方や特徴などをわかりやすく解説します。
膃肭臍(おっとせい)
難読漢字の「膃肭臍」の読み方は「おっとせい」です。膃肭臍はアシカ科に属する動物で、アシカに似た特徴をもちます。アシカに比べて小ぶりなことや、ふさふさとした毛で覆われていることなどが主な違いです。
なお、膃肭臍の語源はアイヌ語の「オンネップ」です。もともとは中国語の「膃肭」が当てられていましたが、膃肭臍の臍(へそ)付近を薬として用いていたことから、薬名の膃肭臍がそのまま動物の名前に使われたとされています。
樹懶(なまけもの)
木の上にいることが多い動物「樹懶」の読み方は「なまけもの」です。名前の由来は「怠け者」からきており、生涯のほとんどを木の上で過ごすのが特徴です。
樹懶の「懶」は「懶ける(なまける)」という動詞でも使われ、「怠ける」と同じ意味をもちます。「樹(で)懶(ける動物)」とイメージすると、読み方を簡単に覚えられるでしょう。
鼯(むささび・ももんが)
「鼯」は「むささび」と「ももんが」の両方を表す漢字です。鼯以外に「鼯鼠」や「鼺鼠」と書くこともありますが、いずれで表記してもむささび・ももんがと読めます。
ムササビとモモンガはどちらもリスの仲間で、別名は前者が「空飛ぶ座布団」、後者が「空飛ぶハンカチ」です。これは、ムササビの全長が約80センチメートルであるのに対し、モモンガの全長は約30センチメートルであるためと考えられます。
長尾驢(かんがるー)
「驢馬(ろば)」の「驢」に「長尾」を付けた「長尾驢」は、「かんがるー」と読むのが正解です。「長尾驢」以外では「更格廬」と表記されることもあります。
オスとメスでは大きさが2倍ほど異なるのが特徴で、オスは体長130〜165センチメートル・体重66〜90キログラムですが、メスはこの半分ほどです。野生では12〜18年ほど、飼育環境下では28年ほど生きるとされています。
まとめ
陸上動物を表す難読漢字「犀」の正しい読み方は「さい」です。ウマやロバと同じく、奇数の蹄をもつ奇蹄目に属する動物です。夜行性かつ単独で行動するのが特徴で、主に地面の草や果実などを食べて暮らしています。
世界には5種類の犀が生息していますが、密猟の増加によって絶滅の危機にさらされています。犀の読み方や生態の特徴とあわせて、絶滅危機の現状についても理解しておきましょう。
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