無聊(ぶりょう)
「無聊」は「退屈なこと」「心が楽しまないこと」「気が晴れないこと」を意味します。することがなくて退屈な状況を“嘆く”場合は、「無聊を託つ(ぶりょうをかこつ)」という言葉遣いも覚えておくと表現に幅が出るでしょう。
《例文》仕事一途で会社以外に人間関係や居場所がない人にとっては、休日が増えてもただ無聊を託つだけで、つまらないようだ
無為徒食(むいとしょく)
「無為徒食」は「なすべきことを何もしないでただ遊び暮らすこと」という意味。例えば、「徒然」の無常感よりも、成り行き任せで無頼なニュアンスが強い言葉です。
《例文》当たりもしない宝くじや、賭け事での賞金をあてにして、無為徒食の日々を過ごす
英語表現は?
「徒然」を英語で表現すると、どのような表現ができるのでしょう。例文とともに見ていきます。
When I had nothing else to do, I went out into the garden and tended the flowers.(徒然の折に、庭に出て花の手入れをした)
「徒然」を「何もすることがない」と捉えて「nothing else to do」とした英訳。「徒然なるままに◯◯をした」と言いたい時に、使えそうです。
She took out her old diaries and read them to pass the time.(彼女は徒然の慰みに古い日記を出して読んだ)
「ひまをつぶす」という意味がある「pass the time」を、「古い日記を出して読む」という、時の流れと重なるメランコリックな行動に合わせて「徒然の慰み」のニュアンスの英語で表現しています。
最後に
子どもの頃に教科書で見聞きした文学や言葉。大人になった今、改めてその意味や成り立ちを知ると、日本語の奥深さや豊かさを再発見できますね。 言葉にするには難しい感覚を、昔の人は美しい言葉で表していました。案外、人は何百年経っても、感じる心は変わらないのかもしれません。ぜひ、上手に取り入れてみてください。
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