Domani

働く40代は、明日も楽しい!

 

LIFESTYLE雑学

2022.03.23

その使い方、間違いかも?【手を拱く】の正しい意味や例文、類語表現を解説

「手を拱く」は「てをこまぬく」「てをこまねく」と読み、間違った使い方をされることが多い言葉です。「手を拱く」の意味から語源、使い方、類語、英語表現をあわせて解説していきます。

Tags:

「手を拱く」の意味や読み⽅とは?

「手を拱く」。文字で見ると「少し難しい」と感じる人もいるかもしれません。まず、意味や読み方を解説します。

読み⽅と意味

「手(て)を拱(こまぬ)く」または「拱(こまね)く」と読みます。辞書によると、意味は次の通り。皆さんは、どんな使い方をしていますか?

1 両手の指を胸の前で組んで敬礼する。中国で行われたあいさつの方法。
2 腕組みをする。手をつかねる。
3 何もしないで傍観している。手をつかねる。腕をこまぬく。(<小学館 デジタル大辞泉>より)

由来や語源

辞書によると「手を拱く」の「拱く」には、「こまぬく」「こまねく」の2通りの読み方と、本来の意味が3つあることがわかりました。間違った使い方をされることが多い「手を拱く」について、まずは言葉の由来や語源を理解しましょう。辞書を見ると、元々は「こまぬく」と言われている言葉が、次第に口語的に「こまねく」になっていったことがわかります。

手を拱く意味使い方読み方例文言い換え類語

漢字で表す「手を拱く」の「拱く」は「手をこまぬく」と読みますが、次第に「手をこまねく」と、ひらがなで使われるように。「手をこまぬく」とは、元々、両手を胸元で組み合わせる姿のこと。そこから「腕組みをして何もしない」という意味が派生して、さらに「傍観する」という意味で使われるようになったのです。

では、これまで説明した使い方で、皆さんはどの使い方をすることが多いですか? 「どれも当てはまらない」と感じている人もいるのではないでしょうか。 実は、文化庁が発表した「国語に関する世論調査」によると、「本来の意味ではない」使い方をしている人がとても多い結果となっているのです。

この調査で「手を拱く」は「何もせずに傍観している」と「準備して待ち構える」の「どちらの意味だと思うか」を尋ねたところ、次のような結果に。

《平成20年度調査》
何もせずに傍観している(本来の意味とされる)40.1%
準備して待ち構える(本来の意味ではない)  45.6%

《令和頑年度調査》
何もせずに傍観している(本来の意味とされる)37.2%
準備して待ち構える(本来の意味ではない)  47.4%
(<小学館 デジタル大辞泉>より)

平成20年度では、本来の意味ではない「準備して待ち構える」が5.5%高く、10年後の令和元年度調査では、さらに増え、本来の意味と逆のニュアンスで理解している人が、半数近くいることがわかりました。

手を拱く

このような結果になった理由として、「こまねく」の「まねく」が「招く」の文字が想起され、「招く」ことが「待ち構える」のイメージに重ねられやすいと考えられます。

ビジネスシーンでは「手を拱く」がどの意味で使われているのか、注意が必要です。この機会に正しい意味を押さえておきましょう。場合によっては、相手が誤解しないよう、ニュアンスを補足して使うのが得策かもしれません。

使い⽅を例⽂でチェック

「手を拱く」の使い方を例文で見てみましょう。

1:新しい大口取引先の礼儀にかける態度に、上司が手を拱いている

「腕組みをする」「傍観する」など、どうしようもない状況を表した一文です。新規顧客を開拓し、会社として成果が出せたとしても、腕組みをするような案件に遭遇した場面が浮かびます。腕組みをする姿は、どうしようもなさの表れともいえるでしょう。

2:非常時に、現場の社員は決して手を拱いていたわけではない

「拱く」の「何もしないで傍観している」の意味を否定する使い方です。「手を拱く」ような厳しい状況の中でも、きちんと対処したことを伝えることができます。

3:母親は手を拱いて子どもが泣き止むのを待っていた

こちらは日常生活でも見られる、身近なシーンの例文です。街中で、小さな子どもが言うことをきかず、駄々をこねる姿を前に、困り果てている親を見かけたことはありませんか?親しい間柄での状況にも使うことができます。

類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?

「手を拱く」の類語や言い換え表現には、どのような言葉があるのでしょうか。一緒に見てみましょう。

手を拱く意味使い方読み方例文言い換え類語

1:傍観

「傍観(ぼうかん)」は「手を出さずに、ただそばで見ていること」です。物事に関係のない立場で見ている時に使います。

例文:目の前で激しい議論がされていたが、いきさつを知らない私は傍観するしかなかった

2:手を束ねる

「束ねる」は「つかねる」と読みます。「手を拱く」と同じ使い方で、「腕組みをする」と「傍観する」という両方の意味を含んでいます。

例文:自然災害を伝える海外ニュース見ても、何もできず手を束ねるばかりだった

3:指をくわえる

「指をくわえる」は、「うらやましがりながら、手を出せずにいる」こと。「きまり悪そうにする。恥ずかしそうにする」場合も使います。「手を拱く」同様、何もできずに見ていることですが、「指をくわえる」は「傍観」するだけでなく、「うらやましい」というニュアンスがあります。

例文:ライバルの成功を、私は指をくわえて見ているしかなかった

「手を拱く」の英語表現は?

英語表現では「手を拱く」をどのように伝えることができるでしょうか。「手を拱く」が持つ意味から説明します。

1: Teachers folded his arms and glared at students(先生たちは手を拱いて生徒たちを睨みつけた)

「手を拱く」を「腕組みをする」という意味で使う表現として、「to fold one’s arms」が使えます。腕組みをして、仁王立ちしている先生たちの姿が目に浮かぶようなイメージです。

2:While they were arguing with each other, I was just looking on with folded arms(彼女たちが口論しているのを私は手を拱いていただけだった)

「傍観する」というニュアンスが強い「手を拱く」の場合は、「腕を組んだまま見ているだけ」といった表現「look on with folded arms」を使うと、伝わりやすいでしょう。

手を拱く意味使い方読み方例文言い換え類語

最後に

ビジネスシーンで「あの時、手を拱いていた」と聞いた時には、具体的な内容を確認しておく方がベター。これまで見てきたように、人によって「手を拱く」の使い方や、受け取り方が異なると考えられるからです。

世代の違いで、使い方が分かれる傾向も。上司が「手を拱いている」と呟く時と、若い部下が「手を拱いています」と報告してくる時は、全く逆の状況かもしれません。正しい意味を押さえつつ、間違った使い方をする人が多くいることを理解して、誤解が起きないように用心しましょう。

あわせて読みたい

「高みの見物」ってどういう意味? 使い方、類語、英語表現をご紹介
誤用している人も多い!?「石の上にも三年」の正しい意味とは?

Domaniオンラインサロンへのご入会はこちら

Read Moreおすすめの関連記事