「聴く」に関する熟語・ことわざ
耳を傾け注意深く聞くことを表す「聴」という漢字は、様々な熟語として用いられています。代表的な例は、「聴覚」「傾聴」「視聴」です。
「聴覚」は、「人間の五感の一つで、音を感じる感覚」のこと。「傾聴」は、「耳を傾けて熱心に聴くこと」で、「傾聴に値する話」というように使用します。そして、「視聴」は文字の通り「見ることと聞くこと」です。テレビの視聴者や視聴率というワードでお馴染みですね。
・天は高きに居って卑きに聴く(高いところから下界の人の言葉をきき、善悪を厳しく判断すること)
・無稽の言は聴くこと勿れ(根拠がない話に耳を傾けてはいけない)
英語表現とは?
日本語に「聞く」と「聴く」があるように、英語にも状況に応じた単語が存在します。それぞれの英単語を覚えて、自信を持って使い分けられるようになりましょう。
「聞く」の英語表現
「聞く」を英語で表す場合は、「hear」が適切です。「hear」には、音を聞く、自然と音が聞こえてくるという意味があるため、「聞く」とニュアンスがよく似ていますね。
・I heard his bare feet on the porch
(彼がベランダをはだしで歩く音が聞こえた)
・I hear you clearly
(あなたの声がはっきり聞こえています)
・Have you heard anything about this incident?
(この事件について何か聞いていますか?)
「聴く」の英語表現
「聴く」を英語で表す場合は、「Listen」を使ってみましょう。日本語の「聴く」と同じように、「注意して音に耳を傾ける」という意味があります。「listen to〜」で「〜を聴く」、「listen in」で、「盗み聞きする」と表現することもできますよ。
・listen to what is being said
(話に耳を傾ける)
・listen for a well-known footstep
(聴き慣れた足音はしないかと耳を澄ます)
・listen to the children talking
(子どもたちが話すのを聴く)
・listen to what he says
(彼の言うことをよく聴く)
最後に
日本語の同音異義語のひとつである「聞く」と「聴く」。どちらも音をきく動作を表す言葉なので、違いが理解できていない方も多かったのではないでしょうか。
「聞く」は、「自然と音が耳に入ってくること」で、英語では「hear」を使います。一方「聴く」は「自分から注意して聴く音」を指すため、使えるシーンは限定されていることがポイントです。英語では「listen」を使います。
人とより深い信頼関係を築くためには、話をただ聞くのではなく、親身になって聴こうとする姿勢が大切です。「聞く」と「聴く」の違いを理解して、日々のコミュニケーションに役立てましょう。
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