「瓜二つ」とは?
「瓜二つ」とは聞き慣れた表現ですが、正しい意味を知っていますか? ここではまず、「瓜二つ」の意味や由来を解説していきます。
読み⽅と意味
「瓜二つ」は「うりふたつ」と読みます。意味を辞書で見てみると下記の通りです。
縦に二つに割った瓜のように、親子・兄弟などの顔かたちがよく似ていることのたとえ。(<小学館デジタル大辞泉>より)
辞書にある通り、「瓜二つ」とは、「親子やきょうだいなどの見た目がそっくりなこと」を意味する言葉です。最近では「瓜二つ」を、物などに対して使うこともありますが、「瓜二つ」は、人に対して使います。「A社の商品と、B社の商品は瓜二つだ」と言っても意味は通じますが、本来の意味を考えると誤用となるので、注意しましょう。
由来
すでに説明した通り、「瓜二つ」の語源は、植物の瓜。瓜を縦に二つに割ると、切り口がとてもよく似ています。このことから、「親子や兄弟などの見た目がよく似ていること」という意味で「瓜二つ」という言葉ができたのだとか。
ちなみに、そのほかの植物にも切り口が似ているものがありますが、なぜ瓜が選ばれたのかは不明なのだそうです。
「瓜二つ」と「そっくり」の違い
「瓜二つ」と同じような意味を持つ言葉に「そっくり」があります。一見同じようですが、実は微妙な違いがあるので紹介しましょう。
まず、「瓜二つ」の意味は、さきほど説明した通り、「親子やきょうだいなどの容姿が似ていること」です。一方、「そっくり」の意味は、「とてもよく似ているさま」。「そっくり」は、顔や身長、体格などだけではなく、性格や性質、内容など、さまざまなものについて使えます。しかし「瓜二つ」は、見た目についてのみ使う言葉。使える対象が違うという点が、両者の違いといえるでしょう。
「瓜二つ」の使い⽅を例⽂でチェック
「瓜二つ」は実際にどのように使うのが適切なのでしょう。ここでは、「瓜二つ」を使った例文を紹介します。
1:「両親も見間違うほど、長男と次男は瓜二つだ」
「瓜二つ」をもっともよく使うのは、きょうだいに対してではないでしょうか。双子ではないのに、兄弟・姉妹の顔や体形がよく似ていることは珍しくありません。そうした際に使える表現です。
2:「母親と私はよく瓜二つと言われる」
「瓜二つ」は、親子などに対しても使えます。ちなみに、この例文は「瓜二つ」を使っていますので、性格などではなく、見た目が似ていることがわかりますね。
3:「友人はお姉さんと瓜二つで、昨日間違えて話しかけてしまった」
街を歩いているときに、知り合いとよく似ている人に出くわすことがありますよね。そうしたシーンでも「瓜二つ」はぴったりの表現です。ただし、この例文のように、「瓜二つ」を使う場合には、血縁関係にある2人に対して使うようにしましょう。
類語や⾔い換え表現にはどのようなものがある?
続いて、「瓜二つ」の類義語を見ていきましょう。「瓜二つ」を他の言葉に言い換える場合には、「瓜を二つに割ったよう」「生写し」「他人の空似」などの表現が挙げられます。それぞれの意味を解説しますので、チェックしてみてください。
瓜を二つに割ったよう
「瓜を二つに割ったよう」は、「瓜二つ」と同じ意味の言葉です。あらためて説明すると、「親子や兄弟などの顔かたちがよく似ていること」のたとえ。なお、「瓜を二つに割ったよう」は、「瓜を二つに割りたる如し」という表現にしても、同じ意味で使えます。
例文:友だちの旦那さんと娘さんは、瓜を二つに割ったようだ
生写し
「生写し」は、「いきうつし」と読みます。意味は二つあり、「生きているものの姿をそのまま写しとること」と、「外見や態度などがとてもよく似ていること」。後者の意味が「瓜二つ」と同じような意味になりますので、類語として使えるでしょう。ただし、「生き写し」は、「瓜二つ」と違い、外見以外にも使えるので、より汎用性が高い言葉といえます。
例文:妹の神経質な性格は、母親の生写しだ